科学技術全盛時代に精霊の居場所は

オルフェゴール・アタック

　世良　　VS　　リース

　LP4000　　　　LP4000

「俺のターン、ドロー！」

『おっと、ここで墓地の『星遺物-『星盾』』の効果発動！　ライフを1000払い、このカードを守備表示で特殊召喚！』

『星遺物－『星盾』』

　闇属性/レベル 6/守備力 3000

　リース：LP4000-1000→LP3000

『その後、アンタは手札か墓地からモンスター1体を選んで特殊召喚することが出来るわ。出来るなら、だけどね？』

「分かってて言ってやがる……」

『うふふ……』

　本来なら俺も手札からモンスターを特殊召喚することが出来るチャンスなのだが、今フィールドに居るイヴリースの効果のせいで俺はリンクモンスターしか特殊召喚する事が出来なくなっている。

　墓地にリンクモンスターが居ればそれを特殊召喚していた所だが、1ターン目な事もあってそれも出来ない。

　俺の手札は『壱世壊を揺るがす鼓動(ティアラメンツ・ハートビーツ)』、『バトル・フェーダー』、『ティアラメンツ・メイルゥ』、『影依融合(シャドール・フュージョン)』、『影依の偽典(シャドールーク)』、そして、今引いた『魂源への影劫回帰(プルシャドール・アイオーン)』。

　まずは彼女に出てもらうとしよう。

「手札から、『ティアラメンツ・メイルゥ』を通常召喚！」

『ティアラメンツ・メイルゥ』

　闇属性/レベル 2/攻撃力 800

「メイルゥの効果、デッキの上からカードを3枚墓地へ送る」

　墓地へ送られたカードは『シャドール・ファルコン』、『死者蘇生』、『サイクロン』。

　イヴリースが居なければファルコンも特殊召喚出来ていたが、それも出来ない。他のシャドールモンスターが墓地へ行っていればまだ効果が使えただろうに、これは運がないと言わざるを得ない。

　さっさとこの厄介なモンスターには退場してもらうことにしよう。

「現れろ！　想いを繋げるサーキット！」

　俺の宣言により、空中にリンク召喚を表すマーカーが出現する。

「召喚条件はリンクモンスター以外のモンスター2体！　メイルゥとイヴリースをリンクマーカーにセット！　サイバース世界を自由気ままに駆け巡る。リンク召喚！　リンク2、『I:Pマスカレーナ』！」

『I:Pマスカレーナ』

　闇属性/リンク 2/攻撃力 800

『あら？　その女も出てくるのね。てっきり周りをうろちょろしてるだけかと思ったわ』

『ムカッ！　ラッセさんが普段から私を使ってくれないから酷い事言われてますよ！』

「いやぁ……まぁ……うん」

　マスカレーナはそう言うが、こちら(人間界)にはこちらの事情があるのだから仕方ない。

　それに、ハノイの塔の事件が終わればハノイの騎士によるサイバース狩りも少しは落ち着くはずなので、もう少し我慢してもらいたい。

　ハノイの塔の事件が終わればブルーエンジェル改め、ブルーメイデンもサイバース族である海晶乙女(マリンセス)デッキを使っていた。だが、それによってハノイの騎士に何か突っ込まれたりしていなかったと思うので、大丈夫になるだろうと踏んでいる。

　それはそれとして、フィールドからイヴリースが居なくなったことによって俺はリンクモンスター以外の特殊召喚もようやく解禁された。

「手札から、『影依融合(シャドール・フュージョン)』発動！　相手フィールドにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが居る事で、デッキのモンスターも融合素材とすることが出来る。デッキの『影霊の翼(リーシャドール)ウェンディ』と『超電磁タートル』を墓地へ送り、融合召喚！」

　ソリッドビジョンの演出だろうか。自分のアバター(身体)が作る影が大きく広がる。

「輝石の力を受け継ぐ影の姫。輪廻から外れた者達を導く光となれ！　融合召喚！　現れろ、『エルシャドール・ネフィリム』！！」

『エルシャドール・ネフィリム』

　光属性/レベル 8/攻撃力 2800

　現れるのはこのデッキのエースカードである、ネフィリム。

　俺の後ろでその威容を示す様に立ち尽くす彼女の姿は神々しさも感じる。

『あ、あのぉ……ラッセさん？　その人に私の後ろに立たれると何となく怖いのですが……』

「頼もしいだろ？」

『え？　あ、はい』

　ネフィリムはマスカレーナのリンク先に融合召喚されたため、彼女からすれば後ろに立たれている気分なのだろうか。

「墓地へ送られたウェンディと特殊召喚されたネフィリムの効果を発動する。ウェンディの効果で『シャドール・ビースト』を裏側守備表示で特殊召喚する」

『シャドール・ビースト』

　闇属性/レベル 5/守備力 1700

「さらに、ネフィリムの効果でデッキから『シャドール・リザード』を墓地へ送る。そして、墓地へ送られたリザードの効果発動！」

『いつまで続くのかしら？』

　シャドールデッキ特有の墓地効果と墓地肥やし。

　その連続発動にリースは少し辟易している様だ。

「リザードの効果でデッキから『シャドール・ハウンド』を墓地へ送る。そして、墓地へ送られたハウンドの効果発動！　お前のフィールドの星盾の表示形式を守備表示から攻撃表示へ変更する」

『あ！』

『星遺物－『星盾』』

　闇属性/レベル 6/攻撃力 0

　防御に長けた星盾であるが、攻撃表示にしてしまえば壁にもならない脆弱なモンスターだ。

「バトルだ！　ネフィリムで星盾に攻撃！」

　ネフィリムから両手から伸びた影糸が星盾に絡みつく。

「本来であれば、特殊召喚された星盾はネフィリムの効果によってダメージステップ開始時に破壊されるが」

『星盾は自身の効果によってEXデッキから特殊召喚されたモンスターの効果を受けない……』

「そうだ！　だからそのままネフィリムとの戦闘になる！」

　リース：LP3000-2800→LP200

　強大な守備力と強固な耐性を有する星盾だが、その耐性効果が裏目に出て本来なら発生しなかった戦闘ダメージをリースは受ける事になる。

　余り発生する事が無いネフィリムによる特殊召喚されたモンスターとの戦闘。その勝敗は当然攻撃力を有さない星盾の負けだ。

『チッ……大層な名前の癖してなんて脆いのかしら』

「リバースカードを2枚セットしてターンエンドだ」

　このターンではリースの場のトロイメアの魔物達をどうにかすることは出来なかったが、次の相手ターンには解決出来る。

『私のターン、ドロー』

「リバースカードオープン！　『影依の偽典(シャドールーク)』！」

　開かれたのは俺のフィールドに伏せられた罠カード。

「そして、発動と同時に効果を使用する！　墓地のウェンディとリザードを除外し除外したモンスターを素材として融合召喚する。来い！　『エルシャドール・ウェンディゴ』！」

『エルシャドール・ウェンディゴ』

　風属性/レベル 6/守備力 2800

　マスカレーナのもう一つのリンクマーカーの先に『影依の偽典(シャドールーク)』の効果によってウェンディゴが融合召喚される。そして、融合効果を発動した『影依の偽典(シャドールーク)』のカードから影糸が伸び始める。

「『影依の偽典(シャドールーク)』のもう一つの効果。この効果で特殊召喚したモンスターと同じ属性を持つ相手フィールドのモンスター１体を選んで墓地へ送る事が出来る。選ぶのは『トロイメア・ゴブリン』だ」

　俺の宣言と同時に『影依の偽典(シャドールーク)』から伸びていた影糸はゴブリンに向かって纏わりつくと、そのまま墓地へと引きずり込んで行った。

『なるほど！　対象に取るのではなく、選んで。破壊するのではなく墓地に送る効果だからトロイメアモンスターにも通用するんですね！』

「そう言う事」

　マスカレーナの言う通り、『影依の偽典(シャドールーク)』の効果は対象耐性と破壊耐性をすり抜けることが出来る。

　これで相互リンクの要となって居た『トロイメア・ゴブリン』がフィールドに居なくなった事によってリースのフィールドのモンスターの耐性は一気に無くなる事になる。

『ふーん。まあ、トロイメアはただの時間稼ぎ。何の問題も無いわね。墓地の『星遺物-『星杯』』を除外して効果発動！　デッキから『星遺物-『星冠』』を手札に加えるわ』

　星冠……。たしか、EXデッキから特殊召喚されたモンスターが発動した効果を無効化するカードだったな。しかも、星冠はリンクマーカーの先に手札から特殊召喚する効果もあったはずだ。

　だとすると、このままリースの行動を続けさせるとマスカレーナの効果は勿論、『トロイメア・ユニコーン』によるバウンス効果も使えなくなってしまう。

　本来だったら相手の動きを見極めてから使いたかったが、仕方ない。

「マスカレーナの効果で俺は今、リンク召喚を行う！」

　マスカレーナとウェンディゴが3体分のリンク素材として右、左、下のリンクマーカーに宛がわれる。

「召喚条件はカード名が異なるモンスター2体以上！　マスカレーナとウェンディゴをリンクマーカーにセット！　憤怒を越えたその先へ、駆け抜けろ！！　リンク召喚！　リンク3、『トロイメア・ユニコーン』！」

『トロイメア・ユニコーン』

　闇属性/リンク 3/攻撃力 2200

　黄華の機界騎士(ジャックナイツ)の面影を残す機械部分を開くように展開し、フィールドに舞い降りたのはガラテアを俺の元へと連れて来た張本人。

「まずは墓地へ送られたウェンディゴの効果で墓地の『影依融合』を手札へ加える。そして、リンク召喚に成功したユニコーンの効果を発動だ！」

　俺はウェンディゴの効果で手札に加えた『影依融合』を再び墓地へと送る。

「手札を1枚捨てて、フィールドのカードを1枚デッキに戻す。選ぶのは『トロイメア・フェニックス』！」

　ユニコーンの身体が輝くと、リースのフィールドに居る『トロイメア・フェニックス』は奴のEXデッキへと戻される。

　リンク2モンスターであるフェニックスをデッキに戻すことで、少しでも大きいリンク数のモンスターの召喚の妨害になれば良いのだが……。

『なら、手札の『星遺物-『星冠』』を『トロイメア・ケルベロス』のリンク先に守備表示で特殊召喚するわ』

『星遺物-『星冠』

　闇属性/レベル 6/守備力 2000

『そして、『オルフェゴール・ディヴェル』を通常召喚！』

『オルフェゴール・ディヴェル』

　闇属性/レベル 4/攻撃力 1700

　リースのフィールドに現れたのは楽器を模した機械族のモンスター。ディヴェルはハープとガーゴイルが合わさったような姿をしている。

　オルフェゴールモンスターが出て来たという事は、ここからがこのデュエルの本番となりそうだ。

　だが、これでリースの手札は0枚。オルフェゴールは墓地にカードがある事で真価を発揮するテーマだが、ディヴェル1枚からの始動ならまだどうとでもなるはずだ。

『現れなさい、星が導くサーキット！　召喚条件は「オルフェゴール」モンスターを含む効果モンスター2体！　『星遺物-『星冠』』と『オルフェゴール・ディヴェル』をリンクマーカーにセット！　下らぬ妄執が生み出した機械の器。その身に私を宿して神へと至りなさい！　リンク2！　『オルフェゴール・ガラテア』！』

『オルフェゴール・ガラテア』

　闇属性/リンク 2/攻撃力 1800

『ガラテアちゃん……』

「あいつ……好き勝手言いやがるな……」

　リースのフィールドに現れたガラテアの姿形は俺やマスカレーナがいつも見ていた彼女と一緒だ。しかし、彼女が持つ大鎌はこちらへ向けて構えられており、明確に敵意を向けられている。

『リバースカードオープン！　『星遺物に蠢く罠』！』

「何！」

『私は墓地と除外ゾーンの星遺物カード5枚、醒存、星盾、星槍、星冠、星杯をデッキに加えてシャッフル。そして2枚ドローする』

　伏せカードはこちらの行動を妨害するカードでは無くドローカードだったか。

　壺系カードに比べれば罠カードなので少し遅く、デッキへ戻すのに選ぶカードも星遺物カードに限定されているが、墓地だけでなく除外ゾーンのカードも選べ、そして、『貪欲な壺』と違ってモンスター・魔法・罠問わず選ぶことが出来る点では優れているカードだ。

　これでリースの手札は2枚。分からなくなって来たな……。

『魔法カード、『星遺物を継ぐもの』発動！　墓地のモンスター1体をフィールドのリンクモンスターのリンク先に特殊召喚するわ。『トロイメア・ケルベロス』のリンク先に『トロイメア・ゴブリン』を特殊召喚！』

「結局リンクモンスターを揃えられたか……」

　結果論だが、ユニコーンによる妨害は余り役に立たなかった。

　ケルベロスとゴブリンを合わせてリンク4。そして、ガラテアのリンクマーカーの向きは俺のフィールドに向く右上と奴のフィールドに向く左下。

『再び現れなさい、星が導くサーキット！　召喚条件はカード名が異なるモンスター2体！　『トロイメア・ケルベロス』と『トロイメア・ゴブリン』をリンクマーカーにセット！　出でよ！　リンク4！　『トロイメア・グリフォン』！』

　光属性/リンク 4/攻撃力 2500

「……厄介なモンスターに、厄介な場所に居座られたな……」

『あら？　このカードの効果は知っている様ね？　このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの特殊召喚されたモンスターはリンク状態でなければ効果を発動できない。これでアンタの頼みの綱の『エルシャドール・ネフィリム』もフィールドではただのモンスターよ』

　マスカレーナのリンク先に融合召喚されたネフィリムはメインモンスターゾーンの真ん中に位置している。対して、ユニコーンのリンクマーカーは右、左、下に向いているため、このままではネフィリムの戦闘時効果が使えない。

　しかも、グリフォンはリースのフィールドのメインモンスターゾーンの真ん中に鎮座している。グリフォンをEXモンスターゾーンに召喚していたら、そのリンクマーカーをこちらが利用することも出来たのだが、これではそうする事も出来ない。

　ガラテアのリンクマーカーが1つこちらのフィールドに向いているが……俺の予想が正しければすぐにガラテアは居なくなるだろう。

『墓地の『オルフェゴール・ディヴェル』を除外して効果発動。デッキから『オルフェゴール・スケルツォン』を特殊召喚よ！』

『オルフェゴール・スケルツォン』

　闇属性/レベル 3/守備力 1500

　今度は骸骨とドラムセットがモチーフになったであろうモンスターが現れる。

『さらに、魔法カード、『オルフェゴール・プライム』を発動！　フィールドの『オルフェゴール・スケルツォン』を墓地へ送り、2枚ドロー！』

「またドローカードッ」

　リースは無くなった手札をすかさず補充しつつ、キーモンスターであるスケルツォンを同時に墓地へ送っている。

『さらに、『オルフェゴール・ガラテア』の効果発動！　除外されている『オルフェゴール・ディヴェル』をデッキに戻し、デッキから『オルフェゴール・バベル』をセット。そしてそのまま発動よ！』

　リースがフィールド魔法である『オルフェゴール・バベル』を発動すると、機械で出来た巨大な塔が地中から音を立てながらせり上がって来る。

「ユニコーンの効果をガラテアに使うことが出来れば……」

『『オルフェゴール・バベル』の効果によって、私は相手のターンでもオルフェゴールモンスターの効果を使う事が出来るようになる』

　正確にはフィールドのオルフェゴールリンクモンスター及び墓地のオルフェゴールモンスターだが、着々と面倒なモンスターのための場が整えられてしまっている。

『さあ、行くわよ！　このカードは自分フィールドの「オルフェゴール」リンクモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。『オルフェゴール・ガラテア』1体でオーバーレイ・ネットワークを構築。精々私の為に働きなさい！　エクシーズ召喚！　ランク8『宵星の機神(シーオルフェゴール)ディンギルス』！！』

『宵星の機神(シーオルフェゴール)ディンギルス』

　闇属性/ランク 8/攻撃力 2600

　エクシーズの渦から現れる巨人。

　その身に見合うこれまた巨大な槍を携えたそのモンスターはオルフェゴールデッキのエースカードの1枚。

　その強力な効果から1ターンに1度しかディンギルスは召喚出来ないという珍しいデメリット効果を持っている。そんなデメリットを課せられているのはこのカードが特殊召喚に成功するたびに厄介な効果を発動することが出来るからだ。

『『宵星の機神(シーオルフェゴール)ディンギルス』の効果発動！　相手フィールドのカード１枚を選んで墓地へ送る。私は『エルシャドール・ネフィリム』を選ぶわ』

「くっ……俺は墓地へ送られたネフィリムの効果で『影依融合』を手札に加える」

　ディンギルスが手に持つ大槍を構えると、勢いよく投擲する。その槍は俺のフィールドに存在するネフィリムを一撃で貫いた。

　効果が発動できなくとも攻撃力が2600のディンギルスならネフィリムで戦闘破壊することが出来る。しかし、ディンギルスの特殊召喚時に発動できる効果の一つ目である「カードを選んで墓地へ送る」と言う強力な除去効果には成す術もない。

　何より問題なのが、ディンギルスのこの効果がエクシーズ召喚成功時ではなく、特殊召喚成功時に発動する事だ。リースの墓地にあるオルフェゴールモンスターを蘇生させるスケルツォン。フィールドで聳え立ち、俺のターンでもオルフェゴールモンスターの効果を発動できるようにするバベル。

　これらのカードが揃っている事でフィールドのディンギルスを処理してもこちらの一手を確実に潰してくる妨害札が一つ確定している事になる。

『さあ、バトルよ！　『宵星の機神(シーオルフェゴール)ディンギルス』で『トロイメア・ユニコーン』を攻撃！』

「墓地の『超電磁タートル』を除外して効果発動！　バトルフェイズを終了させる！」

『ふふ。まあ、そう来るわよね。でも、次はもう無いわ。墓地の『オルフェゴール・スケルツォン』を除外して墓地の『オルフェゴール・トロイメア』を守備表示で特殊召喚』

「『オルフェゴール・トロイメア』？　……最初のターンに醒存で墓地に送られていたか。だからマーメイドの効果でこちらでは無くイドリースを呼び出したんだな」

『オルフェゴール・トロイメア』

　闇属性/レベル 7/守備力 2000

　そのモンスターはオルフェゴールとトロイメアの二つのテーマを冠している事からもその関係性が伺える。「リース」と言う名前こそ含まれていないが、このモンスターも奴に関連するカードの1枚だ。

　ガラテアの中に潜む悍ましい何かが露わになろうとしているその姿はリースの怨念そのものだろう。

『さらに、墓地の『星遺物-『星杖』』を除外して、除外されている『オルフェゴール・スケルツォン』も守備表示で特殊召喚よ』

『オルフェゴール・スケルツォン』

　闇属性/レベル 3/守備力 1500

『カードを2枚伏せてターンエンド』

「……」

　ディンギルスを蘇生させるための手段であるスケルツォンを場に出して来た？　

　明らかに不自然な動きだ。

　ディンギルスを墓地に送らなかったのはディンギルスが持つ身代わり効果を使うためだろう。あのカードはフィールドのカードが破壊される時、その代わりにX素材を1つ取り除く事が出来る。しかも、破壊されるカードに縛りは無く、モンスター・魔法・罠を単体、全体除去からX素材一つで守ることが出来る。

　仮に俺が次のターンに『サンダー・ボルト』や『ハーピィの羽根帚』を

　引いたとしてもX素材一つで守られてしまう。

　だが、墓地にいてこそ真価を発揮するスケルツォンやオルフェゴール・トロイメアをわざわざフィールドに揃える意図が読めない。ただの壁モンスター……と言う事も無いだろう。

　そうなると、あの2枚の伏せカードが怪しいか。

「俺のターンだ！」

①

▲

◀︎

②

▼

▶︎

③

④

空白

空白

◀︎

❶

▼

▶︎

空白

❷

❸

①オルフェゴール・スケルツォン

②トロイメア・グリフォン

③宵星の機神ディンギルス

④オルフェゴール・トロイメア

フィールド：オルフェゴール・バベル

❶トロイメア・ユニコーン

❷シャドール・ビースト

❸影依の偽典

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追記
ウェンディゴで戻した影依融合を同一チェーン上のユニコーンのコストで捨ててるのミスです。はい。
直せる余地はあるんですけど、そうするとデュエル内容5割書き直さないといけないんでそいうことにします。はい。