海皇獣の冒険譚   作:狭霧 蓮

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今回は捏造設定あり! ご注意くださいませ!


第20話

 ミクはローと共に暴れ回り、ヴェルゴとシーザーの捕縛に成功した。彼らは知らないがシーザーがやろうとしていたスマイリーの解放も指示がないため未然に防がれたも同然だった。

 そして、錦えもんの胴体の捜索にブルック、サンジ、ゾロが向かった中で。ミクたちはルフィたちと合流。ゾロたちの帰りを待っていた最中、子供達が覚醒剤(ドラッグ)の中毒により、暴れ出したのである。

 ちなみに、ナミたちは錦えもんの‘フクフクの実’が作り出したコートを上に着ていた。

 

「てめぇ、こんな状態になる事を分かってたんだろ……なんでこんな酷いことができるんだよ!」

「シュロロロロ。デカくなったガキの抑制のために決まってんだろうが! 力は巨人族の赤ん坊並みなんだぜ? 見ろ、あの暴れた姿を!」

「その原因が、オマエだろうが!」

「ミク、なんとかしてぇぇ!?」

「くっ……子供を相手に手をあげれないのは弱点ね」

「ロビンさんだってそうじゃん?」

 

 ウソップが手を焼き、子供達を鎮めようと頭を使うが、その原因であるシーザーはその様を見て嘲笑い。チョッパーは子供達の攻撃からロビンとナミを守っていた。

 ミクも子供相手に殴り倒すわけにもいかず。ローもROOMでバラバラにして無力化もできないとなる。

 

「ミク、子供を泡で包んで浮かせてくれ!」

「ん? 良いけど……」

「まかせろぉ! 必殺、爆睡星!」

 

 大暴れする子供達をミクが泡を使って包み。そこにウソップが爆睡星を叩き込む。そして、健やかな寝息を立てて眠り始めた。泡の中に入れておけば目覚めて暴れ出したとしても、出ることもできないし自らをまた傷つけることはないだろう。

 ちなみに、うるさいシーザーはミクに鉄拳制裁されて物理的に黙らさ(気絶させら)れていた。

 

「暴れられたらストロング級。寝かすしかねぇか……クソッ!」

「これでしばらくは安心だろ……いつ起きるかわかんねぇけどな……」

 

 疲れた様子のウソップ、攻撃を防ぐためにタコ殴りされていたフランキーは膝をついてノーダメージとはいえ疲労は溜まる。

 

「チョッパー。あたしはコイツの研究室に行くけど、ついてくる?」

「おう。こいつらに鎮静剤を作ってやりたい! ミクはなんで行くんだ?」

「トラさん。モネさん貰っていい?」

「あん? なんでだよ」

「クズヤローのドフラミンゴには勿体無い」

 

 それを聞き、ローは「勝手にしろ」とミクに言い。「わかった」と彼女は返して。

 

「後、こいつを持っていけ。白猟屋……スモーカーの心臓だ」

「なんであたしに?」

「お前は余計なところに行って、会う可能性があるだろ。もう用済みだから返しといてくれ」

「オッケー。じゃ、行こっかチョッパー」

「おう!」

 

 ミクがチョッパーを引き連れて去っていき、落ち着いたルフィたちはローと向き合って話していた。そして、一つの提案をローが持ちかける。

 

「麦わら屋。俺には策がある……四皇の一角を崩す策がな」

「ん? 俺たちはもう、ビックマムに喧嘩売ってんだけどよ?」

「ああ、ソレはそこまで問題じゃねえ。俺とお前が組めば……カイドウを潰せる」

 

 その場にいたナミ、ウソップは反対する。しかし、ルフィは話を聞いてすぐに答えを出した。即決、それは英断とも呼べる……後にミクだって賛成したのだから。

 ローの悲願。それの達成には一人では無理だとわかっていた。単純でバカだが実力は確かなルフィに話を持ちかけるのは彼なりの賭け。しかし何よりも……

 

「いいぜ、やろう! それによ──」

「待って、ルフィ。私はあなたの決定に従うけど、海賊の同盟は裏切りがつきものよ?」

「裏切らねぇよ、トラ男なら。それに、海賊同盟なんて面白そうだろ!?」

「そういう問題じゃねぇよバカ!?」

 

 ロビンがルフィに忠告、とウソップのツッコミが冴えるが。ルフィは凹む様子もなかった。しかし、ローは余裕を崩さなかった。

 

「ニコ屋、鼻屋。お前らは‘とんでもないもの’を拾った事に気がついてねぇ訳じゃねぇだろ」

「それは……」

「あん、どういう事だよ?」

 

 ウソップが疑問を浮かべ、フランキーとナミがロビンの様子に気が付き。何かを言おうとして、口をつむぐ。

 

「特に、お前はとっくに気がついてるはずだ……ニコ屋」

「……ええ、‘D・ヴィレ’。ミクが頑なに‘ヴィレ’と名乗らない理由……かつて、世界を震撼させた‘最悪の海賊’──‘ロックス・D・ジーベック’の直系の血筋」

 

 ロビンの言葉にピンとこない面々。それを見てロビンは諦めの目で……この場に居ないミクに謝りながら、事実を語った。

 

「どう足掻いても。最悪の場合、あの子は祭り上げられてしまうの。‘ロックス海賊団’の‘呪われた船長’の座に」

「どういう事なの、ロビン?」

「ミクは呪われた子。かつて、ルフィのお兄さんだった‘ポートガス・D・エース’が‘ゴールド・ロジャー’の息子、‘鬼の子’として処刑されかけた様に。ミクはその素性がバレると……世界政府が執拗にその命を狙うくらいには不憫な子」

 

 その言葉に一同は絶句する。あれ、これミクがいないのに話していいの? という顔であったが、ロビンはその点は大丈夫と捕捉した。

 

「大丈夫。ミクは必要ならみんなに話してくれてもいいって」

「あの子らしいわね、全く」

「全くだ。つまり、あいつは行き場がねぇから東の海で彷徨ってたんだな、あの時」

「ウソップが前に出会ってた頃はそうだって聞いてるわ」

 

 そして、ロビンは語った。ミクの素性、それは呪われた血筋。ロックス・D・ジーベックの孫にあたり、その母から‘D・ヴィレ’を受け継いだと言う。そしてミクの本当の名前は──レヴィリア──と。

 ‘ミク’の名前は父から貰い、本当の名前は(いみな)として忌むべきものとして背負っていた。

 

 そして、ミクが覇王色の覇気を持つ理由はその血筋からなのだと言う。これはレイリーにも明かしており、彼には「世間にその話がバレない様、絶対に隠蔽を忘れるな」と念押しされていた。まぁ、実は後にどこかの‘アルバトロス’がその情報を仕入れているのだが今は些細な問題だった。

 

 天竜人に目をつけられ、奴隷となれば人権も何もないどころか最悪処刑。そんなのはあんまりだと彼女は逃げて、逃げ続けていた。

 もっとも、彼女に興味を持った天竜人は彼女が身投げをして死んだ扱いになった後、すぐに忘れていたから事なきを得ていたが。

 

 ‘D・Vile’……かつて、‘最悪の悪魔’と呼ばれた女海賊の‘レヴィアタン・D・ヴィレ’。彼女の娘であると言うことも加味して、ミクは素性を隠し通していたのであった。

 

「でもさ、トラ男。なんでミクが‘とんでもないもの’なわけよ?」

「ナミ屋。思い出せ……海竜屋はお前たちの船で何をしてる」

「え、操舵の腕は一流クラスで、サニー号ですら軽々扱ってるし。サンジくんのアシスタントしてたら彼に劣らない料理作ったりするし……チョッパーの代わりに応急処置とかもしてたわね。他にも、歴史の本文(ポーネ・グリフ)を感覚で読んだり……ん?」

 

 そこで思い当たる。その異常性に……馬鹿げた成長能力に。

 

「海竜屋はまだ気がついてねぇ。あいつは……天才どころの騒ぎじゃない──別の何か。いや、あいつ自身が‘盤外の古代兵器’の一つ」

「えっ、古代兵器って……しらほしみたいな……」

「あいつは‘The・ヴォーダン’。知性の化け物だ」

 

 ●●●

 

「へくしょんっ!」

「ん、どうしたんだミク、風邪かっ!?」

「いや、噂されてんのかも……あ、スモーカーさん?」

 

 シーザーの研究室にチョッパーを送り届けて。ミクは見聞色の覇気頼りで探し出したスモーカーの元を訪れていた。なおネモはまだ伸びていたので泡に包んで拘束していた。

 

「……テメェは麦わらのとこの見習いか……」

「あっ、渡したいものがありまして」

「は?」

 

 ミクは彼の心臓をその胸に押し込み、しっかりと返したからと踵を返して。立ち去ろうとした。

 

「おい、待て! どう言うつもりだ!」

「え、トラさんがもう要らないからって返しに来たんですよ?」

「なっ、ローが……?」

「あ、あと。ヴェルゴ氏は我々が預かってますよ? 彼、ドフラミンゴの手下でしたから。自分で喋ってくれましたけど」

 

 それを聞いたG-5の面々はもちろん大混乱だった。しかし、それを聞いて腑に落ちたスモーカーはなぜ俺たちに明かすと尋ねた。

 

「そりゃ、騙された人たちがいまだに信じてるのが可哀想じゃないですか。裏切られてるってきっちり知らないとダメですよ?」

「で、でも証拠はあるんですか?」

「はい」

 

 ミクは録音の巻貝で全部、撮っていた。録音していた内容を確かめる。たしぎは崩れ落ち、スモーカーも険しい顔だった。ミクはそんな彼らに……

 

「中将がこんな不逞起こしてんですから大変ですね。だから汚名を雪ぐ機会があるとお伝えしましょう」

 

 ミクはそう言いながら、子供達を親元に届けてあげてくれれば名誉回復は容易いと言いそれを聞いたスモーカーは受けるしかない。と結論つけた……

 ミクたちは少数精鋭の海賊。一味と数えられるほどにしか人数がいないし、サニー号に子供たちを乗せれるわけもないからとミクは彼らを、海軍を頼ることにしたのだ。

 

「さて、お願いしますねー。子供達の一件は片付いたし、あとは……」

 

 ミクはすぐさま、ヴェルゴから‘学習’した‘剃’と‘月歩’を駆使して全速力で離脱した。次の目的地は……地下である。そこにある反応を追ってミクは施設を駆けるのだった。




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