_日△月 晴れ
ルフィとの修行の日々、彼に見てもらいつつ野生児戦法が最近身についてきた。拳で殴り、脚で蹴る。それは元々喧嘩慣れしていなかったあたしにとっては体幹を鍛えるのに必要なことであるとレイリーさんも言っていたから。
しっかりと地を踏み締めて拳を突き出す。まぁバランス感覚については海の上で筋トレやらしてたからI字バランスなんて余裕だ。
そういえば最近。服があんまりにもボロボロすぎるとレイリーさんからの苦情があり、ハンコックさんに相談した結果。彼女のお下がりをもらうことになった。
というかこれ、結構脚が出るからなんというか。うーん、まぁ減るもんじゃないだろうと気にしないことにした。
とりあえず、大事にさせてもらおう。修行の時は服にも覇気纏いをするように気をつけるようにしていたら、レイリーさんに呆れられた。解せぬ。
とまぁ、最近は完全獣化を切札に。基本的に肉弾戦で戦うことを義務付けられた。というのも、ルフィも拳一つで戦うスタイルのようで、変幻自在のゴムの体から繰り出される体術があいつの武器だ。ハンコックさんがたまに蹴り技を教えてくれたし、あたしも蹴り主体で戦うことになりそうだ。
で、最近。ルフィと模擬戦してあいつをぶっ飛ばせるくらいにまで練度が上がってきた。ようやく、苦節1年かかってようやく。レイリーさんに見聞色の覇気を使って行う先読みに対して、カウンターを返すことができるようになった。
さらに、あたしは自分の能力を十全に使いこなすべく。その訓練や研究も行った。まぁ、進歩はぼちぼち。ゆっくり進めるしかないだろう。
¥日△月 雨
最近。気がついたのだが、あたしは新世界で何をしようかと全然考えていないことに気がついた。向こうに行って何を成すのか、と進路を考えてみたのだが。とりあえず旅をするのは間違いない。
だが、どうして旅をするのか。安息の地を見つけるのなら
まぁ、旅自体は見知らぬことを聞き知ることができるからあたしは好きだ。冒険も危険な海も既知ではないが故に未知に溢れるからロマンを追い求めるために旅するのは必要なんだ。
でもまぁ、目標がない。さがせぇ!と海賊王の叫びが聞こえそうなくらいには悩んでいた。レイリーさんもお前が探さないと意味がないとこの手の悩みには知恵を貸してくれなかった。
まぁ探しますよ。自分で、ね。と思ってモヤモヤ抱えてたのがルフィにバレた。なんやねんコイツ、なんかしらんが洞察力が鋭いというかなんというか。
で、まぁ物は試しかとコイツに相談したら……
「ならさ、ミク。一緒に探そうぜ! 俺の船に乗れよ!」
と誘ってきやがった(ここから先は滲んで読めない)
○○○
「ならさ、ミク。一緒に探そうぜ! 俺の船に乗れよ!」
「おう、直球ですね。悩んでたあたしが馬鹿みたいじゃないですか」
「お前の演奏を聞くのも好きだし、頼むよ、ミク!」
「まぁ、‘演奏家’といえばそうかもしれませんね。ずっと暇な時はハープを弾いてましたし」
ミクは手にした‘龍弦琴’を片手に、ルフィの合いの手で唄う。それは酒を運ぼうと言う歌。数々の海を越えてもその絆が繋がっていることを表す歌詞。
ルフィに教わったこと。そして、知ったこと。この唄もまた、彼から教わったものだ。時折やってくるハンコックとの宴会の席で、よく歌う。今日の晩御飯が終わっても彼はいつでも笑顔で歌う。
はたと、演奏を終えてミクは我に帰る。そういえばと思い至る。
「そっか、あたしの夢は……‘最高の曲’を弾くことだ」
殺伐な、優しくないこの世界で。ミクは心がスレていたことを思い直す。そして、これまでの日々が楽しいものだったと思い当たる。
隣に誰かがいるのがこんなにも楽しいことだなんて気が付かなかった、と。
「なぁ、ルフィ。あたしは夢を思い出せたよ。ありがとうな」
「おう! 俺の夢は‘海賊王になる’ことだ!」
「なら、あたしは‘世界の果てで最高の曲を弾く’こと!」
あたしは。一人で過ごすことをやめた。安息の地を探すのはそこまで焦らなくてもいい。ルスカイナの安全地帯でミク達はお互いの夢を認め合うことになった。
「世界の果てまで行かないとダメだし、そんじょそこらのやつに聞かせる三文の曲じゃあない! なぁ、あたしの最高の曲を聴いてくれるのは海賊王とその仲間達だけでいいよな!」
「うっはぁ、それってすっげぇ贅沢だよな。いいぜ、なら」
「うん。まぁ、ルフィの仲間達にもちゃんと説明しないとね」
「そうだな、でもあいつらならすぐに返事してくれると思う」
信用してるんだなと。慕われているんだな、とミクは少しだけルフィを羨ましく感じた。
でも、隣に誰かがいてくれる。そう感じると自然とミクの肩からは力が抜ける。
ポロポロと涙を零す、でもすぐに涙を払った。泣いてる暇はない、師であり友の隣に追いつくそのために。
ミクは今まで以上に修行に、そして自身の能力の把握に注力した。そして、半年後。ルフィとの模擬戦でついに彼の背を地に着けた。ルフィに勝つことをお互いに条件として、いつも勝負をしていたが。
ついにミクはルフィから一手を取った。その時、ルフィは悔しそうに、それでいて嬉しそうにニカっと笑う。その時、ミクは優越感からニヤリと笑った。
そしてついに2年の時が流れた。
○○○
▼日○月 晴れ
ついにあたしとルフィは修行を終え、シャボンディ諸島に上陸した。
あたしは見聞色の覇気を尖らせて回避に重きを置き。九蛇海賊団ではポピュラーな体術である蹴り技を主体にインファイトのスタイルを突き詰める戦い方に育った。
とはいえ、武装色の覇気強化した蹴りから放つ真空斬による遠距離攻撃手段や。半獣人形態の時はそこに‘
‘
にしても。ハンコックが過保護すぎて笑った。あたし的にはここまでせんでもと言うパンパンに物資の詰まったリュックを背負ったルフィを見て、マジで笑い転げたからなぁ。でもこれだけは素直に言ったよ。ありがとう、ハンコックってな。
さて、まずはレイリーに礼を言いに行かないとダメだ。ルフィの船であるサウザンドサニー号のコーティングを済ませておいてくれたのだから、当たり前だし。
そして、あたしはついに邂逅する……伝説のクルー達と。
○○○
「ルフィ。流石にバレた以上、世界政府も黙ってないよ」
「ああ、そうだな。だけど、あいつらが俺たちに追いつけるはずがねえ!」
シャボンディ諸島に聳える木々を信じられない速度で走り、つたりながら。ルフィとミクはサウザンドサニー号の置かれている場所へと向かう。そこには仲間達が集結しているだろうから、と。見聞色の覇気でミクは船の位置を特定する。
「あそこだね……って、ん?」
ミクは他に攻撃の意思を感じると。ルフィも同じく、か。
「ゴムゴムのぉ……!」
「せーのっ……!」
走りながら、二人は武装色の覇気を身に纏い。脚を、手を黒金化。そのまま
「
「
ルフィは高速の伸びる拳を。ミクは武装色の覇気を乗せた蹴りで発生させた‘真空斬’を飛ばして目前の脅威たる‘パシフィスタ’の一機を破壊する。
「やれやれ、群雀がうじゃうじゃと!」
憤りを隠さぬミクはめんどくせえと一つ、一泡吹かせようとルフィに目配せ。彼も応えて、その場から殺気と威圧の覇気が吹き荒れる。
ドンッ!と放たれたそれは伏兵として配置されていた海軍の兵士たちを軒並み気絶させた。近くにまできていた中将の面々までもが気絶するという事態に海軍は浮き足立つ。
そこへ現れた‘海賊狩りのゾロ’と‘黒足のサンジ’によってまたもやパシフィスタ一機が破壊される。
使い物にならなくなった兵士、兵器に目もくれず。彼らはその場を離脱していくのであった。