バンドリどうでしょう 〜How do you like BanG Dream?〜   作:柳芽帆奈

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そろそろストック切れそう……25日まで持たないかも


一日目③「深夜バスデビュー」

場所は変わってここは北海道最大のターミナル駅、札幌。

 

札幌ドームの最寄駅である札幌市営地下鉄の福住駅から移動してきて、いよいよここから本格的な長距離移動が始まるのだ。

 

「はぁ、憂鬱だわ……」

 

「おい、始まってすぐにそんな調子だったら倒れるよ?」

 

「そうですよチサトさん!そんな顔してたら幸せが逃げていきますよ!」

 

「うん二人とも。殴っても良いかしら」バキッ(o`・д・) =◯

 

「「いや殴ってるやん」」グハッ=○)´Д`) =○)´Д`)

 

パスパレのベース、千聖は何やら憂鬱そうな様子。まあ、ライブ後に突然三日間のサイコロ旅に出る事になったらだれでもこんな調子になるだろう。

 

『まもなく、7番線に特急北斗8号函館行きがまいります……』

 

「ほら、来たよ」

 

そんなことを言い合っているとアナウンスが流れ、今回乗車する北斗8号が重厚なディーゼルエンジン音を震わせながらやって来る。

 

「ちょっと待って、自由席なの?」

 

「当たり前だよ、この番組低予算なんだからさ」

 

早速三人とも乗り込むのだが乗った車両は自由席車。最近は彼女達が仕事で特急や新幹線を使う時は専らグリーン車を使っていたらしいが、この番組は本家をリスペクトし、「低予算」「低姿勢」「低カロリー」の「3低」をモットーに組まれているのでそんな配慮などなく、新幹線や特急は自由席、飛行機はエコノミーは当たり前!女優やモデルといえども、まだまだ彼女達は年端もいかないJK、一度は社会の理不尽に揉まれないとね!(悪人面)

 

「くっ、くそっt『お待たせしました、北斗8号函館行き、まもなくの発車です……』」

 

千聖の叫びを遮るように車掌のアナウンスが流れ、ドアが閉まる。ここからは約3時間半座りっぱなしの長旅が始まる……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜新函館北斗駅〜

 

「着いたぞー!」

 

「ここからは新幹線ですね!」

 

「ええ、そうね……」

 

列車が札幌を出てから約4時間、一行は新函館北斗駅にやって来た。元は渡島大野を名乗っていたこの駅は普通列車のみ停車する小駅から、一気に特急や新幹線が止まる北海道の玄関口に大出世、駅もすごく綺麗になっている。

 

しかし、ここがゴールではない。ここからは新幹線に乗り換えてまた約3時間、仙台までの旅を送るのだ。

 

既にホームには常盤グリーン彩香パープル飛雲ホワイトの三色に彩られた10両編成の新幹線がドアを開けて乗客を今か今かと待ち構えている。三人は車内に入るのだが……

 

「チサトさん、そっちは違いますよ!」

 

「えっ?」

 

綾世とイヴが普通車に乗る中、千聖だけは隣のグリーン車に乗り込もうとしていた。こりゃあ特別待遇の感覚が抜けてないなァ?

 

「うぅ、恥ずかしいわ」///

 

「間違いは誰にでもありますよ」

 

「そうそう、それじゃあ俺は別んとこに座るから」

 

「別のところ?」

 

「そうそうこれこれ……ってああ!」

 

「って、何一人だけグランクラス使おうとしてるのよ!」ビリビリ

 

綾世が何やら別の切符を取り出した瞬間、そこに書かれている『グランクラス券』の文字を見た千聖はその切符をビリビリに破り捨ててしまった。ちなみにグランクラスとは新幹線だけにあるグリーン車より贅沢な座席で、料金は23880円。しかし、千聖が破ったのでグランクラスのサービスを味わう事なく、ただの紙切れとなった!

 

「アヤセさん!」

 

「ひー!悪かったって!自分のポケットマネーから出してるからいいかなって」

 

「よくないわよ!タレントが普通席で、マネージャーがグリーン車よりいい席なんてダメに決まってるじゃない!」

 

「とほほ……2万円が」

 

「自業自得です!一人だけ贅沢をしてはいけません!」

 

イヴにも説教されるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜仙台駅〜

 

「つ、着いた……」

 

「何時間移動してきたのよ……」

 

「えーっと、大体6〜7時間?」

 

「ここが仙台……思っていたよりも都会ですね!」

 

「イヴちゃんはどうしてあんな元気なのかしら……」

 

イヴのはしゃぎように汗を滲ませる千聖。一行は仙台に到着、既に時刻は4時半を回っていて、二人とも疲労の色を見せていた。

 

「とりあえず、いったん休憩しましょうか。折角ならカフェに行ってみたいわね」

 

「千聖、サイコロの旅は着いたらすぐにサイコロ振らないといけないんだぜ」

 

瞬間、千聖とイヴの顔が引き攣った。まあ、花のJKにとっては酷かも知らんが、本家は5分しか滞在してない時があるからな。この番組は忠実なすみぺくt……ごめんなさい、噛んじゃった、リスペクト作品だからあしからず☆

 

「ナレーション腹立つわね。ていうか、サイコロの『旅』でしょう!?旅番組なら旅番組らしく、名所や名物を紹介したり、堪能したりするものでしょう!?」

 

「そんな事言われても困る。この企画は『旅行』じゃなくて『移動』する企画だからね」

 

「そんなぁ……松島に行ってみたかったのに……」

 

イヴは悲しそうな表情を浮かばせる。

 

「まあ、選択肢によっては待ち時間でちょっとぐらい観光出来るだろうから」

 

「それなら早く振りましょう!次の選択肢は何ですか!?」

 

「ああ落ち着け、イヴ。選択肢は……こいつだな」

 

綾世は次なる目的地のボードを提示する。

 

①ふりだしにもどる 

 新幹線+特急北斗で札幌

 

②奥羽山脈を横断

 特急バスで山形

 

③白虎隊の故郷、磐梯の地へ

 新幹線+在来線で会津若松

 

④地獄の行軍

 常磐線各駅停車で松戸

 

⑤もう帰りたいな

 東北新幹線で東京

 

⑥お・や・く・そ・く

 『フォレスト号』

 

「会津若松ですか……ここも興味深いです」

 

「まあ、これはイヴのために作ったような選択肢だから」

 

「在来線で松戸?これほぼゴールじゃない」

 

「確かにそうなんだけど、松戸は23区じゃないからここに行っても終わらないよ」

 

「ふうん…じゃあ、絶対に⑤を出してやるわ」

 

あ、この女優、問答無用で企画を終わらせようとしているぞ!テレビ的には大変宜しくない心意気だ!

 

「チサトさん、あの踊り忘れちゃダメですよ」

 

「あ、それ本当はやらなくていいんだよ」

 

「え?そうだったんですか!?ヤり損じゃないですか!」

 

「ごめんごめん」

 

「はぁ、時間がもったいないから振っちゃうわよ……せいっ!」

 

千聖が天高くサイコロを振り上げる。高く上がったサイコロは空中で回り、重力で地面に叩きつけられてもなお回り、綾世達の行く先を占う。

 

そして、歩道橋の欄干に当たってついにその動きを止める。さて……その目は。

 

「えーと、⑥?」

 

「⑥は……『フォレスト号』って書いてありますね?これってなんですか?」

 

「あぁ、そうか、その目を引いたか……!」

 

ついにやって来た。『サイコロの旅』最大の見せ場が!

 

「という訳で、解説の大和麻弥さん、お願いしまーす」

 

「はいっす!」

 

「「?」」

 

すると突然、綾世がタブレットを取り出し、二人に見せる。そこには同じ『Pastel✽Palettes』の回文担当、大和麻弥の姿が映っていた。

 

「ひどい担当名っすね!?いやまあ確かに『上から読んでも下から読んでもやまとまや』ですけど!?」

 

「マヤさん、どうしてここに?」

 

「あっ、イヴさん!実はジブン、水曜どうでしょうの大ファンなんです!それもあって、綾世さんに解説役をしてくれと頼まれたんですよ」

 

「ふぅん……」ゴゴゴ

 

それを聞いた千聖は一瞬、札幌で彩に見せたような圧を放つ……しかし、その圧はすぐに消える。

 

「あ、あれ?てっきりまた『お説教が必要かしら』って言うかと思ったら……」

 

「麻弥ちゃんは私をお説教botだと勘違いしてるのかしら……私だってむやみやたらにお説教をしたくないの、こんなタブレットに怒っても仕方ないじゃない」

 

とため息をつきながら吐露する。大人になったね、千聖!

 

「バカにしてるのかしら、これはお説教が必要ね!」

 

アッ、すいません勘弁してください、何でもしますから!

 

「あ、あのー、本題に戻っていいっすか?」

 

「え、ああ、ごめんなさいね」

 

「今出た選択肢に『フォレスト号』ってありますよね?そんな風にボードに『〜号』としか書かれていない時は基本的には深夜バスで移動するんです」

 

「深夜バス……じゃあ、夜通し移動するの?」

 

「そう!起きたらそこは目的地、安くて便利な移動手段なんだ」

 

綾世がそう呼応する。しかし、利用した事のある人ならもうお気づきだろう、『深夜バスは大抵眠れない』という事に。そりゃあ当然だ、深夜バスとは効率性ばかりを追い求めた現代人が快適性と引き換えに手に入れた究極の移動手段なのだから。(え?ドリームスリーパー?知らない子ですね)どうやら、千聖は小さい頃から芸能活動で旅行に行く暇は無かっただろうし、イヴに関しては日本に住んでいなかった事もあって、深夜バスの大変さを知らないようだ。

 

「なんか怪しいわね……何か隠してない?」

 

「いやいや、何もないよ!」

 

「そう……なら良いのだけど」

 

しかし、勘の鋭いこの女優はきな臭さを嗅ぎとったようだ、綾世が何もないと言っても訝しげな表情を寄せている。

 

「そ、そう言えば、この『フォレスト号』ってどこに行くんですか?」

 

「大阪です」

 

「「は?」」

 

「ん?」

 

「あ、アヤセさん、今、何と言いましたか?私が聞き間違えてなかったら『大阪』と言ったように聞こえたんですけれど……」

 

「うん、『フォレスト号』は大阪行きの深夜バスなんだ」

 

綾世がそう言った瞬間、二人は固まった。

 

「「……」」

 

「まあ、仕方がない、出た目は絶対……それがサイコロの旅なんだから」

 

「ち、ちなみにそのバスって何時出発なのかしら?」

 

「えーと、仙台出発が19時40分だから……約3時間後だな。折角だし、観光でもしたらどうだ?」

 

「……!そうね、折角仙台に来て何もしないのはやっぱりもったいないわよ。誰だってそう思うし、私もそう思うわ!」

 

「お土産買いたいです!」

 

ーがそう提案すると、先程まで完全に硬直していた二人は再び元気を取り戻し、一目散にどこかに駆けていった。

 

「おーい!あんまり遠くに行くなよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから時刻は夜の7時半になり、思い思いに仙台での僅かな滞在を楽しんだ三人は仙台駅のバスターミナルにやって来た。

 

「いやー、牛タン美味しかったなー」

 

「仙台城、圧巻でした!」

 

「ふふっ、お土産もたくさん買えたし、サイコロの旅も案外悪くないわね」(千聖さーん、フラグたってるよ!)

 

「フォレスト号ご利用のお客様、こちらで改札を行ってます!」

 

改札を行う係員の後ろには既に目の前には白と緑のカラーリングを纏い、『kintetsu』の文字がしたためられたバスが鎮座している。大阪・梅田到着は7時過ぎ、ほぼ一日の半分をこの3列シートの車内で過ごすのだ。

 

「おし、それじゃあ二人とも、カメラに向かって、大阪の人たちにメッセージを!」

 

「Pastel✽Palettesの白鷺千聖です。皆さん、また大阪で会いましょう!」

 

「討ち入りです!」

 




本来は二話に分けて投稿するつもりやったんですけど、キリが悪くなるんで、繋げちゃいます☆
いよいよ、二日目に入ります!
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