転生したと自覚した時、私は肉体が3歳のときだった。初めは突然の事で理解が出来なかった。しかし冷静になり自分自身を分析し始めてひとつの壁にぶつかった。私とは一体何なのかということだ。
前世と違い私の才能を生かすために生まれてきた訳では無い平凡の肉体、それなのに確かに存在する肉体に不相応の才能。こんな矛盾した状態が本当に私なのだろうか?と
私とはなにかそれが分からなかった。
私の記憶を持っていれば私なのだろうか?
私の才能を持っていれば私なのだろうか?
私とはなんだろうか?
確かに私には死んだ記憶があるなのに違う世界に全く違う肉体で前世の記憶を持って生まれている。
死んで生まれ変わった私は本当の私なのか?
私の記憶を持ち私と同じ才能を持ち私と同じ考え方をする別人じゃないのか?
私ってなに?
今思えばこんな哲学的な自己問答に意味はない自分が自分である証明なんて誰にもできない、だから自分は自分であると認め生きていくしかない。
しかしこの頃は精神が年齢によって行ったことにより私はアイデンティティクライシスを起こしかけていたというか1回起こした。
私は私の名前が分からなかった。名前というのは自分からも他人からもその存在を認識するのに大切な物だ。
前世で培った知識があった分メンタルへのダメージは大きかった。なんと3歳で鬱病になった。
そしてこの体には両親が存在していたことで、私の心はさらに壊れることになる。
彼らの私を見る目に恐れが混じっていたのだ。それも当然だ自分たちの娘が一晩たったら違う人間に乗っ取られていたのだ恐怖するなという方が無理がある。
それでも彼らは私を娘だと認めてくれた。彼らは強い大人だ。だから私はまずは彼らのためにいきようと思った。
そして私は今でも自分の存在意義を捜し求めている、前世ほどの万能の力は無いが生まれ変わったことには意味があると思うから
放課後になり私の席の前にとてもガラが悪い男がやってきた。初日に先生に質問していた龍園翔だ。
「よう。ちょっと話に付き合えよ」
龍園くんは笑いながら私の横に立つ。
「私になんの用?」
「ここでは話しづらいからな今からカラオケでも行かないか?」
「カラオケ?」
あそこには監視カメラがない、彼はその事を知っているのだろう。ならば彼が暴力を使うのも想定しなければならない。
もし彼が強行手段を取ってきたとしても返り討ちにすればいいだけだ。
「いいよ、ただカラオケ代はあなたの奢りね」
「行こうぜ」
カラオケにたどり着いた私は、龍園くんと向き合った席に座り話を促した。
「お前の予測能力ってのはそれなりのものらしいな。聞いたぜ、初日には上級生のヤツらに話しかけて必要な情報を抜いたんだろ?」
「なんでそれを知ってるの?」
「なんでだと思う?」
可能性として考えられるのはクラスの誰かかに私が上級生に話しかけていたのを目撃されたことくらいだ。でも彼はまだクラスを統治していないのに私が上級生と話していたと彼が知ることは
「お前はポイントについてどう思う?」
「毎月10万も貰えるなんて学校側は太っ腹だなと」
「そういうのはいい」
理由は予測できているけど、自分である程度の情報は掴んでいるだろうに私を巻き込まないで欲しい。
こういう頭が回るヤツが絡んでくるとめんどくさい
「私の意見を聞きたかったらポイントで買えばいいのに」
「5万ポイントくれれば知った情報を全部話すよ」
「いいや、タダで話してもらうぞ!」
そう言い放つ突然龍園は机を踏み越えこちらに接近し、なんの躊躇いもなく拳を振るった。
顔面目掛けて放たれた拳を顔を少し傾けることでギリギリで回避する。相手が暴力に出ることをわかっていたので分析を使っていた私にはこれくらいのことは造作もない事だ。
そのまま手に持っていたドリンクの中身を龍園くんに向かってかける。彼は飛んでくるドリンクを避けようと身を捻るが完全に避けきることができず腕がビシャ濡れになった
「翔にかけるなっちゃってww」
「てめぇ」
私の下らないギャグが気に入らなかったのか、彼の表情には怒りが見て取れる。
「ほら怒らないで最初に手を出したのはあなたなんだから。それに女の子に暴力はダメだよ。それと交渉を続けたいなら席に座って」
彼は舌打ちをすると大人しく席に座った。
これ以上やっても得がないことがわかったんだろう。
なんか彼に巻き込まれてもいいかもしれないと思い始めた。
「5万ポイントで情報を買ってくれればあなたという王の下に着いてもいいよ?まあ気分で裏切るかもしれないけど」
「ほう、お前これから俺が何しようとしているのか分かるのか?」
「なんとなくだけどね。君はクラスを統治してそのトップに立とうとしてるんでしょう?」
彼は今日から本格的にクラスの分析を始めていた。私みたいに分析することが人生みたいな存在ではなければ目的なくあそこまでクラスメイトを見ることなんてない。それに彼には上に立つ人間特有の風格がそれなりにある。
Cクラスの面々や超高校級の才能を常時模倣できる訳では無い私よりも彼がトップになるべきだ。
先程のような暴力は勘弁して欲しいが
「正解だ」
そう答えると彼は口を閉ざして何か考え始めた
「5万ポイント払ったとしてお前はどれくらいの期間俺の下に着く?」
やはり彼は頭が回るようだ。この質問がなければ次の日には期限を設定してなかったことを理由にして契約を解消しようとしていた。
「基本的にずっとのつもり。気分で裏切りに近いことはするかもしれないけど」
「契約成立だ。ただ裏切ったら粛清することを忘れるな」
その後これからの計画を話それが終わったあと2人でカラオケを楽しんだ。
私が最近のトレンドを歌っているのに対して彼はジャンプ系の曲を歌っていた。あと延長してやった。
他人の金で行くカラオケは最高だね
ホームルームが終わったあと彼は自分の席から立ち上がりそのまま教卓へと進んで言った
「俺から話がある、全員残れ」
ほとんどの生徒が何事かと彼へと注目を集めていく。
「俺のことを知らないやつもいるだろうから自己紹介しておく。俺は龍園翔。このクラスの王だ」
一部から嘲笑の声が聞こえる
突然自分が王になるとかみんなの前で宣言したら笑ってしまうのは仕方ないだろう。私は知らなかったら絶対爆笑してる
「お前らは気づいていないやつが大半だと思うがこの学校は異質だ。学校中に置かれた監視カメラ、詳しいことを伏せて必要な情報はほとんど話さない教師共。そしてアルファベットのクラス分けは生徒の出来でランク分けしているって話しだ」
出来で判別されているという部分で多くの生徒が反応しクラスがざわめき始める。
「国が運営しているのに毎月10万を振り込まれるかのように勘違いさせる言い回しをしていたのがいい例だ。本当に10万ポイントが払われる訳では無い。この学校で毎月払われるポイントはクラスの出来で決まる。
つまりお前たちの授業中の態度や教師への態度も評価対象という訳だ。その証拠が俺が上級生からポイントで買った情報だ」
ここで彼はスマホのボイスレコーダーを起動した。そこには誰かと龍園が会話している音声が記録されている。その内容はポイントについてのことを話していた。
これは超高校級の声優の才能を模倣して龍園と会話しているだけだ。何も知らない人からすれば大人っぽい声を使った私だとは分からずさきほどの話にでてきた上級生だと思うだろう。
「ここまで話した上で聞く。これでも俺を王と認めないやつはいるか?」
ここで私が立ち上がり彼の前まで向かう。反論した私を龍園がぶん殴り逆らったらこうなるという恐怖を植え付ける、そこまでが昨日話し合って決まったシナリオだ。
情報という圧倒的なアドバンテージで実力を見せたのだからそんなことはしなくてもいいと思うが、イカレてる奴だ
「私は反対。あなたみたいなロン毛で不良みたいな見た目してDVしてきそうな男にクラスを任せたらどんな酷いことになるか想像もつかないし」
「そうか」
シナリオ通り、顔に飛んでくる一撃を超高校級のボクサーの才能を模倣して受け流す用意をしていると、龍園の筋肉の動きが明らかに違うことに気づく。
まずいそう考えるが体の動作が追いつく前に龍園の蹴りが放たれた。
きちんとした防御体制を取れなかった私は何とか机の間を通るように吹き飛ぶ方向を調整した。おかげで机にはぶつからずに済んだ。
「……ごフッ」
「西園寺さん!!」
倒れた私をひよりちゃんが抱き起こす。
ひよりちゃんは優しいな。
「西園寺さん大丈夫ですか!?」
「な、なんとか」
ひよりちゃんに支えられながら前を向くと龍園は笑っていた。あいついくらジュースかけられたりバカにされたりしたとはいえ契約違反はいかんだろ。後で絶対やり返してやる。
「もう一度言う。俺を王と認めないやつはいるか?もし不満があるやつはいつでも掛かってこい相手になってやる」
あれから1週間後、自身に歯向かうヤツらを全員黙らせ、彼はCクラスの王となった。
それと彼を1発ぶん殴ることで契約違反はチャラになった
伊吹の出番がなくなりそうでヤバい
どうにかしなければ
読み返してみて主人公のダンロン世界の転生者って設定使いこなせてる気がしないから主人公の前世回りを日記形式でやろうとおってるだけどいる?要らない?
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いる
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要らない