私と清隆くんの共依存学園生活   作:ただのハーメルンユーザー

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暴力事件最終日

今日は暴力事件の審議日だ。

龍園はかなりの力を入れて今回の件に取り組んでいたが清隆くんが動いている以上、今の彼では敗北は確実だ。

今回の事件、彼は当事者の3人が訴えを取下げるとは思っていない。それは彼が暴力をチラつかせたこともあるし、彼らが何もしていないのに一方的に暴力を振られたと言えばそれだけで利益が出るからだ。

しかし石崎も他のふたりもお世辞にも頭がいいとは言えない。だから清隆くん達にそこを突かれたら簡単に今回の作戦は瓦解する。

例えば、元から監視カメラがあっただの学校側は真実に気づいてるだの言えば確実に訴えを取り下げるだろう。

もし清隆くんが裏から操らなくても噂では、今回Cクラスの生徒たちも手を貸してるらしいしどちらにしろ時間の問題だろう。

 

 

 

 

 

放課後になり今回の事件に関係がある3人が教室から出ていった。審議が始まる時間にしてはだいぶ早い、きっと訴えを取下げさせるための呼び出しだろう。

そんなことを考えていると後ろからひよりちゃんに声をかけられた

 

「凪沙さん。今日は帰りに本屋に寄りませんか?」

 

「いいよ」

 

校門を出て1番近くの本屋へと向かって行く。

最近は清隆くんと一緒に帰ることが多かったから、彼女と共に帰るのは久々かもしれない。

 

「こうやって一緒に帰るのは久々だね」

 

「そうですね。凪沙さんは綾小路くんと一緒に帰ることが多いですからね」

 

いつもとあまり変わらない喋り方だが、少し言葉に刺がある気がする。

 

「おふたりは付き合っているんですか?」

 

ひよりちゃんの言葉に目を丸くする。そんな事を聞かれるのは想定外だった。よくよく思い返してみれば疑われても仕方ないかもしれない

 

「違うよ。私と彼はそういう関係じゃないし、そうなることもないと思う」

 

私と彼の関係性は親子や兄弟に近い。愛を知らない清隆くんは自身を認めてくれる存在をそして今まで得られなかった愛情を求めている。私は彼という存在を認めて彼に幸せになってもらい自分自身も幸せになろうとしてる。

詳しく彼女に説明する気は無い。

 

「意外ですね。お似合いだと思いますが」

 

「そう?」

 

「彼のどういうところが良くて一緒にいるのですか?」

 

彼女の瞳はキラキラ輝いている。まるで恋バナを聞く前の女子高生みたいだ。

これ以上話しても同じ会話を繰り返すことになるそんな気がした私は思いっきり話を逸らした。

 

「今日はなんの本を買いに行くの?」

 

「今日は料理の本を買いに行こうと思っます。毎日自炊をしていると同じレパートリーになってしまうので、新しい料理にも手を出そうして、作れる料理数を増やそうかと」

 

「料理の本か、いいね」

 

「凪沙さんも自炊ですよね。どれくらいの種類の料理を作れるんですか?」

 

「基本的に家の施設では難しいようなものでなければ大体できるよ。なんか作りたい料理でもあるの?」

 

「揚げ物を作ってみたいのですが、1度も作ったことがないのでやってみたいです」

 

揚げ物か、揚げ物は面倒くさそう、危なさそうって第一印象があるせいか手を出しにくい。

あとは食べる量の少ない人からすると洗い物などの手間をかけるくらいなら作らない人も多いだろう。

 

「いいよ。家に材料は一通りあるし本屋よったら私の部屋で作ろっか」

 

「本当ですか?では今日はよろしくお願いします」

 

他人に料理を教えるなんて初めてだな

そんなことを思っているとポケットからスマホの通知音が聞こえた。この着信音は清隆くんだ。

スマホを取りだしメールを開く。

 

『佐倉愛理、俺のクラスメイトがストーカーに襲われていると思う。俺はすぐには行けない彼女を助けてくれ。彼女のGPSのデータをそっちに送ってある』

 

内容を見る限りとても深刻な事態らしい。

 

『りょ』

 

一言だけ返信をうった後、私は超高校級のストーカーの才能を模倣し、地図と照らし合わせながらGPSの動きを見る。

あまり使いたくない才能を利用して、もし私が彼女を追いかけて襲うとしたらどういうふうに彼女を追い詰めるかを考える。

追いかけているということはこのストーカーは彼女を自分のものにするために少しくらい計画を立てている可能性はある。

彼女が逃げる先、否追い詰められるであろう終着点を逃げる方向を予測して絞り込む。

絞り込めたのは3箇所、そこを超えると襲える場所は少し先になる。ならこの3箇所のどこかだろう。

すぐに才能を解き、軽く準備運動を始め体を温める。

 

「ごめん。ひよりちゃんちょっとやることが出来た」

 

「急用ですか?」

 

「うん。清隆くんの友達がストーカーに追いかけられてるみたいだから助けてくる」

 

少しムッとしていたひよりちゃんだったが状況を理解したのか態度が変わる。

 

「わかりました。その代わり今日の夜、凪沙さんの手料理を振舞ってくださいね」

 

一緒に作るって話だったのに変わってる気がまあいいや

 

「わかった約束する。それとカバン持ってて」

 

ひよりちゃんにカバンを預けて、超高校級のマラソン選手の才能を模倣する。彼女がどこまで逃げたかは分からないが長い距離を走るかもしれない場合は速さよりも持久力が求められる。

 

「行ってくる」

 

ひよりちゃんの返事を待たずに駆け出した。

 

 

 

 

 

 

1箇所目はハズレだったが2箇所目のところは当たりだった。とりあえず警察に連絡してから路地裏へと進んでいく。

 

「やめて…やめてください!!」

 

たどり着いた時には彼女は男に襲われていた。胸もガッツリもんでるし完全にレイプの現場だ。

状況証拠として写真を何枚もとる。これで警察へと渡せばこの男は捕まるだろ。

というかこの路地裏は監視カメラの死角だしこんな性犯罪者予備軍のような男もいるし学校と監視の量逆だよ普通。

 

「はい、ストップ」

 

突然聞こえてきた声に驚いた2人の視線が私へ向く。

 

「ダメだよ、レイプなんて」

 

「ち、違うこれはレイプなんかじゃない。僕達は心から結ばれてるんだ。これは和姦だ」

 

「はいはい、そうですね。写真も撮りましたし、警察呼びますね」

 

もう読んでいることは秘密だ。

しかしこの男はこの期に及んで違うと言い張るつもりらしい。人を好きになるということはとてもいい事だと思う。しかし一方的な好意を相手に押し付けてその相手を傷つけるなど言語道断だ。

 

「やめろ!」

 

佐倉愛理を襲っていた男が標的を変え拳を振り上げながら私に襲いかかってくる。

 

「逃げてください!」

 

彼女の悲痛な叫びが聞こえる。彼女には私が殴られる未来が予想できるだろう。

だが飛んできた拳が私に当たることは無い。腰を落とすだけで簡単に避けたのだ。相手は喧嘩をしたことがないのだろう。ただ顔面を狙って放たれた拳など分析をしなくても避けれる。

そのまま伸ばされた腕と胸ぐらをつかみそのまま背中に乗せるようにして投げ飛ばす。ただの背負い投げだ。

そこそこの体重差があろうとあそこまで勢いが着いていればかなりの威力出る。

超高校級の柔道家を模倣すればもっと綺麗に投げられるがこんな男なんかに超高校級の技を使う価値は無い。

 

「い、痛い……雫説明してよ。僕達は愛し合っているんだって」

 

投げ飛ばされた男が死なないようにケツだけを打ち付けるように調整した。だがあの速度でコンクリートにぶつかったのだ痛みで暫くは立てないだろう。

地面に尻もちを着いて動けない男をうつ伏せに倒し腕を後ろ手で捕縛する。辺りにちらばっているカバンの中身にタオルがあったのでそれを使い腕を合わせて動かせないようにする。

あとで彼女が持ち帰るのを嫌がったら素直に謝って弁償しよう。

 

「佐倉さんはこの男について何か知ってることはある」

 

「あ……えっと…」

 

突然の質問に驚いたのか部外者に話していいか判断をつけられていなかった彼女は口ごもっていた

 

「今回私は、清隆くん…君のクラスの綾小路清隆に君がストーカーに襲われてる可能性があるから助けに行ってくれってあなたのGPSの情報が送られてきたの」

 

「綾小路くんが、……そっか。ありがとうございます。助けていただいて」

 

「いいってことよ」

 

私の言葉を聞いて安心したのか彼女は話し始めた。

 

「この前私がカメラを直して貰いに行った時に初めて会ったんですが」

 

「違う!!僕と雫はもっと昔から……がァ」

 

「お前に話は聞いていない。話の腰を折るなストーカー」

 

話に割り込んできた男の頭をつかみコンクリートへと押し付ける。私の言葉を聞いた男は静かになった。それでいい

 

「続き話していいよ」

 

「う、うん。」

 

「その後、カメラについて質問している時に……」

 

その時に目をつけられて気持ち悪い手紙を

彼女の話を聞いていると明らかに辻褄が合わない部分が出てくる。あのストーカーが呼んでいた雫という名前、そして異常な執着心、彼女の容姿は美人と言ってもいい、ネットのトラブルかなにかだろう。

彼女が話さないということは聞かれたくないことというわけなので聞かないことにする。

 

遠くからサイレンの音が聞こえてきた。事情聴取を受けたら確実に夕飯までに間に合わなくなる。

スマホで清隆くんのGPSを確認するとものすごい速さでこちらへと向かっている。

 

「あとは清隆くんが来るから後は彼に任せるね。またね」

 

「え?ま、待ってください」

 

彼女の声に立ち止まり後ろを振り向く。

 

「今日は本当にありがとうございます」

 

深々と頭を下げた彼女からの心からの感謝だ。だがこれを受け取るべき人は他にいる。

 

「私がここに来たのは清隆くんのお願いなんだから、お礼は彼に言いな」

 

路地裏を飛び出すと同時に清隆くんが到着し、鉢合わせた。

 

「凪沙、今日はありがとう」

 

「その感謝は受け取っておくからあとはよろしくね」

 

彼に証拠の写真を送ったあと、私はそのまま寮に向かって走り始めた。清隆くんは知らないだろう。事情聴取の面倒くささを

 

 

あとのことを清隆くんに押付けて家に戻りひよりちゃんに手料理を振る舞った。

好評だったやったね

 

 




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読み返してみて主人公のダンロン世界の転生者って設定使いこなせてる気がしないから主人公の前世回りを日記形式でやろうとおってるだけどいる?要らない?

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