私は今、部屋に引き篭もっている。
なぜかって?
そうでもしないと、ヴォスがウザいから。
「ホーガン、悪かった。謝るって。」
無視!!!
事の経緯はこうだ。10年間、私はライトセーバーを起動していなかった。試しに起動させようとしたけど、うんともすんとも言わない。
そりゃそーだ、ずっっっっっとメンテナンスしてなかったし。
で、ヴォスが私に怒る。
そうだとしても、怒られる筋合いはない。
「ホーガン、」
「うるさい!話しかけんな!」
そして今、必死にメンテナンスしている。
「あっ……」
「大丈夫か?」
「できた!!!」
ようやくメンテナンスが終わり、私はライトセーバーを起動する。プラズマの刃が綺麗に形成され、思わず口角が上がった。ただ、以前とは刃の色が違っている。
以前は緑だったけど、丁寧にメンテナンスしたら青になった。
試しにぶん回してみると、なかなか良い、
「おい!!!」
良い具合だ。ちょっとドアを貫いちゃったけど、誰も怪我してないから問題はない。良かった良かった。
「ホーガン、いい加減にしろ。」
「怪我してないから大丈夫でしょ。」
「全く……」
ヴォスの背中がちょっと焦げているのは、あえて知らないふりをしよう。
ハイパースペースを抜けると、惑星ジオノーシスの軌道に飛び出した。
フォースで様子を探ると、他のジェダイはまだ来てないみたいだった。つまり、私達が一番乗り。軌道が封鎖されていない辺り、ドゥークー伯爵は援軍が来るとは思ってないようだ。
舵を握ると、ヴォスが慌てて止めてくる。
「このまま下りる気か!?」
「私が待つと思う?」
「お前……」
「ドゥークー伯爵への返事、ちゃんと返してあげなきゃでしょ?」
ヴォスは呆れたように溜め息を吐く。
私は笑みを浮かべながら、舵を押した。
ライトセーバーはあえてヴォスに預けた。ドゥークー伯爵には、私がジェダイじゃないと信じてもらわないといけない。だから丸腰で行くことにした。
船はジオノーシスの地表に下り立ち、ハッチを開けて1人でアリーナへ向かった。途中、オビ=ワンのものらしきインターセプターがあり、アリーナの奥にいる彼の気配を再確認する。フォース・サイトで見ても、ジオノージアンの数は多い。
だけど、私の目的はドゥークー伯爵だ。
誰もいない通路を通り、目的の人物を見つける。
「よく来た、ホーガン。」
わらわらと、武器を持ったジオノージアンが出てきた。
私の来訪は予期されていたらしい。
「この前の返事をしようと思ってね。」
「良い返事か?」
「そう思う?」
「何が目的だ?」
「ここにオビ=ワンがいるって聞いてね、わざわざ来たの。拘束してるんでしょ?良い機会だから、彼と話させてほしいんだよね。」
ドゥークー伯爵はジオノージアンに武器を下ろさせ、彼らを退がらせた。
私を信用してくれたみたいだ。
「答えを聞かせろ、ホーガン。」
「そう急かさないでよ。まずオビ=ワンと話す。オビ=ワンと話してから、決めようと思ってるの。」
「良かろう。だが、忘れるな。下手な真似をすれば命はないぞ。」
「分かってるよ。」
ドゥークー伯爵は警戒を解き、私を案内する。
少し歩いた先のドア前で、ドゥークー伯爵は立ち止まった。恐らく、このドアの向こうにオビ=ワンが拘束されている。それから、ドゥークー伯爵は私に再度警告をした。
「処刑の時間が迫っている。長くは待てんぞ。」
「はいはい、分かったよ。」
オビ=ワンに会うのは10年ぶりだ。
ドアが開くと、瞬時にオビ=ワンと目が合った。彼は状況を把握していないみたいだったけど、すぐに冷静さを取り戻した。私を見て、嫌悪の目を向けてくる。
「サム………何の冗談だ?」
「助けに来たんだけど?」
「10年ぶりに言う言葉がそれか!?」
オビ=ワンは、また感情を荒立たせる。
「私達そんなに親しくないでしょ?」
「呆れた奴め。友だと思っていたのは私だけだったようだな。」
「え、友達だと思ってたの?」
「嘘が下手だな。なぜ来た?」
「友達を信じてるんじゃないの?」
私が嘘を吐くのが下手なのは知ってる。問題はそっちじゃない。オビ=ワンが私の魂胆に気付いてるかどうかだ。
「最初は信じていたさ。だが、幾年経とうがお前は戻らなかった。やがて、私は諦めることにした。」
「………ごめん。」
「謝罪が欲しいわけじゃない。罪悪感を抱くくらいなら、来るべきではなかった。」
オビ=ワンの言葉の節々に、悲しみを感じる。私を信頼していたから、裏切られたような感覚がするようだ。当然と言えば当然だ。
別れの言葉も、相談すらしたことがない。
ジェダイの使命から逃げ出したかったから。
「正直、来る気はなかった。でも、評議会とドゥークー伯爵に選択を迫られた。店を後回しにする程にね。」
「店……?」
「私は戦いたくない。」
「だから逃げ出したのか?事実から目を背けても何も変わらない。お前は自分で事態を複雑にしているんだ。単純に考えろ。お前は何を望む?」
私の望みはただ1つ。
楽しく店をやること。中立では、立場を守れない。どっちかに付くしかない。
「分かった。決めた。」
「サム、まさか、」
「私は私にできることをやる。」
「待て!馬鹿な真似はするな!」
オビ=ワンの声を後にして、私は監房を出る。
待ち受けていたドゥークー伯爵は、答えを急かす。
「答えは出たか?」
私は頷く。
ドゥークー伯爵は私の表情に、笑みを浮かべる。奴は満足気に、私を見ていた。良い答えだと、信じているようだった。
「分離派には付かない。」
「何………?」
聞き間違いだと思っているらしく、奴は聞き返してくる。
「ジェダイには戻らないけど、分離派にも付かない。というか、共和国に営業許可取ることにする。だからどっちの味方とかない。」
「断れば敵だと言ったはずだ。」
「そうだね。だったらここで殺せば?」
ドゥークー伯爵は怒りに駆られ、赤いライトセーバーを私の首に添える。
それを見て、ドゥークー伯爵がシスなのだと判断した。彼の中から感じた暗黒面は、確かなものだったようだ。だって、シスだから。
奴はシスの関心があると言っていた。
ということは、私はシスの誘いを蹴ったということだ。
再度殺せと言うが、ドゥークー伯爵はライトセーバーを収めてしまった。
「殺さないの?」
「お前も処刑台に送ってやる。」
奴がそう言うと、ジオノージアンが来て手錠をしてくる。
「私を処刑できるのは、フォースだけだよ。」
「それはどうかな?これがお前の運命だ。」
「運命の定義があるなら、それは間違ってるから。」
ジオノージアンに連れて行かれ、私は処刑台に送られる車に乗せられる。
これで私にできることはやった。後は時が来るのを待つだけ。
ジェダイ最高評議会と取引するけど、これじゃあ公平じゃない。それ相応の希望をさせてもらおう。そうじゃないと、私の気が済まない。
店が気になりすぎて、気が気じゃない。
アルバイトの件、本気で考えないとだわ。
サムは独身を貫くべきか否か?
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早く結婚しろ。
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ダメ、独身でいろ。
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