【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

10 / 109
第一に店、これ絶対。

私は今、部屋に引き篭もっている。

 

なぜかって?

 

そうでもしないと、ヴォスがウザいから。

 

 

「ホーガン、悪かった。謝るって。」

 

 

無視!!!

 

事の経緯はこうだ。10年間、私はライトセーバーを起動していなかった。試しに起動させようとしたけど、うんともすんとも言わない。

 

そりゃそーだ、ずっっっっっとメンテナンスしてなかったし。

 

で、ヴォスが私に怒る。

 

そうだとしても、怒られる筋合いはない。

 

 

「ホーガン、」

「うるさい!話しかけんな!」

 

 

そして今、必死にメンテナンスしている。

 

 

「あっ……」

「大丈夫か?」

「できた!!!」

 

 

ようやくメンテナンスが終わり、私はライトセーバーを起動する。プラズマの刃が綺麗に形成され、思わず口角が上がった。ただ、以前とは刃の色が違っている。

 

以前は緑だったけど、丁寧にメンテナンスしたら青になった。

 

試しにぶん回してみると、なかなか良い、

 

 

「おい!!!」

 

 

良い具合だ。ちょっとドアを貫いちゃったけど、誰も怪我してないから問題はない。良かった良かった。

 

 

「ホーガン、いい加減にしろ。」

「怪我してないから大丈夫でしょ。」

「全く……」

 

 

ヴォスの背中がちょっと焦げているのは、あえて知らないふりをしよう。

 

ハイパースペースを抜けると、惑星ジオノーシスの軌道に飛び出した。

 

フォースで様子を探ると、他のジェダイはまだ来てないみたいだった。つまり、私達が一番乗り。軌道が封鎖されていない辺り、ドゥークー伯爵は援軍が来るとは思ってないようだ。

 

舵を握ると、ヴォスが慌てて止めてくる。

 

 

「このまま下りる気か!?」

「私が待つと思う?」

「お前……」

「ドゥークー伯爵への返事、ちゃんと返してあげなきゃでしょ?」

 

 

ヴォスは呆れたように溜め息を吐く。

 

私は笑みを浮かべながら、舵を押した。

 

ライトセーバーはあえてヴォスに預けた。ドゥークー伯爵には、私がジェダイじゃないと信じてもらわないといけない。だから丸腰で行くことにした。

 

船はジオノーシスの地表に下り立ち、ハッチを開けて1人でアリーナへ向かった。途中、オビ=ワンのものらしきインターセプターがあり、アリーナの奥にいる彼の気配を再確認する。フォース・サイトで見ても、ジオノージアンの数は多い。

 

だけど、私の目的はドゥークー伯爵だ。

 

誰もいない通路を通り、目的の人物を見つける。

 

 

「よく来た、ホーガン。」

 

 

わらわらと、武器を持ったジオノージアンが出てきた。

 

私の来訪は予期されていたらしい。

 

 

「この前の返事をしようと思ってね。」

「良い返事か?」

「そう思う?」

「何が目的だ?」

「ここにオビ=ワンがいるって聞いてね、わざわざ来たの。拘束してるんでしょ?良い機会だから、彼と話させてほしいんだよね。」

 

 

ドゥークー伯爵はジオノージアンに武器を下ろさせ、彼らを退がらせた。

 

私を信用してくれたみたいだ。

 

 

「答えを聞かせろ、ホーガン。」

「そう急かさないでよ。まずオビ=ワンと話す。オビ=ワンと話してから、決めようと思ってるの。」

「良かろう。だが、忘れるな。下手な真似をすれば命はないぞ。」

「分かってるよ。」

 

 

ドゥークー伯爵は警戒を解き、私を案内する。

 

少し歩いた先のドア前で、ドゥークー伯爵は立ち止まった。恐らく、このドアの向こうにオビ=ワンが拘束されている。それから、ドゥークー伯爵は私に再度警告をした。

 

 

「処刑の時間が迫っている。長くは待てんぞ。」

「はいはい、分かったよ。」

 

 

オビ=ワンに会うのは10年ぶりだ。

 

ドアが開くと、瞬時にオビ=ワンと目が合った。彼は状況を把握していないみたいだったけど、すぐに冷静さを取り戻した。私を見て、嫌悪の目を向けてくる。

 

 

「サム………何の冗談だ?」

「助けに来たんだけど?」

「10年ぶりに言う言葉がそれか!?」

 

 

オビ=ワンは、また感情を荒立たせる。

 

 

「私達そんなに親しくないでしょ?」

「呆れた奴め。友だと思っていたのは私だけだったようだな。」

「え、友達だと思ってたの?」

「嘘が下手だな。なぜ来た?」

「友達を信じてるんじゃないの?」

 

 

私が嘘を吐くのが下手なのは知ってる。問題はそっちじゃない。オビ=ワンが私の魂胆に気付いてるかどうかだ。

 

 

「最初は信じていたさ。だが、幾年経とうがお前は戻らなかった。やがて、私は諦めることにした。」

「………ごめん。」

「謝罪が欲しいわけじゃない。罪悪感を抱くくらいなら、来るべきではなかった。」

 

 

オビ=ワンの言葉の節々に、悲しみを感じる。私を信頼していたから、裏切られたような感覚がするようだ。当然と言えば当然だ。

 

別れの言葉も、相談すらしたことがない。

 

ジェダイの使命から逃げ出したかったから。

 

 

「正直、来る気はなかった。でも、評議会とドゥークー伯爵に選択を迫られた。店を後回しにする程にね。」

「店……?」

「私は戦いたくない。」

「だから逃げ出したのか?事実から目を背けても何も変わらない。お前は自分で事態を複雑にしているんだ。単純に考えろ。お前は何を望む?」

 

 

私の望みはただ1つ。

 

楽しく店をやること。中立では、立場を守れない。どっちかに付くしかない。

 

 

「分かった。決めた。」

「サム、まさか、」

「私は私にできることをやる。」

「待て!馬鹿な真似はするな!」

 

 

オビ=ワンの声を後にして、私は監房を出る。

 

待ち受けていたドゥークー伯爵は、答えを急かす。

 

 

「答えは出たか?」

 

 

私は頷く。

 

ドゥークー伯爵は私の表情に、笑みを浮かべる。奴は満足気に、私を見ていた。良い答えだと、信じているようだった。

 

 

「分離派には付かない。」

「何………?」

 

 

聞き間違いだと思っているらしく、奴は聞き返してくる。

 

 

「ジェダイには戻らないけど、分離派にも付かない。というか、共和国に営業許可取ることにする。だからどっちの味方とかない。」

「断れば敵だと言ったはずだ。」

「そうだね。だったらここで殺せば?」

 

 

ドゥークー伯爵は怒りに駆られ、赤いライトセーバーを私の首に添える。

 

それを見て、ドゥークー伯爵がシスなのだと判断した。彼の中から感じた暗黒面は、確かなものだったようだ。だって、シスだから。

 

奴はシスの関心があると言っていた。

 

ということは、私はシスの誘いを蹴ったということだ。

 

再度殺せと言うが、ドゥークー伯爵はライトセーバーを収めてしまった。

 

 

「殺さないの?」

「お前も処刑台に送ってやる。」

 

 

奴がそう言うと、ジオノージアンが来て手錠をしてくる。

 

 

「私を処刑できるのは、フォースだけだよ。」

「それはどうかな?これがお前の運命だ。」

「運命の定義があるなら、それは間違ってるから。」

 

 

ジオノージアンに連れて行かれ、私は処刑台に送られる車に乗せられる。

 

これで私にできることはやった。後は時が来るのを待つだけ。

 

ジェダイ最高評議会と取引するけど、これじゃあ公平じゃない。それ相応の希望をさせてもらおう。そうじゃないと、私の気が済まない。

 

店が気になりすぎて、気が気じゃない。

 

アルバイトの件、本気で考えないとだわ。

 

 

サムは独身を貫くべきか否か?

  • 早く結婚しろ。
  • ダメ、独身でいろ。
  • その他(活動報告や感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。