困ったことになった。
カリはジェダイをやめると宣言した後、本当にマスター・ヨーダに直談判していた。他の子供達は止めようとしたが、カリの意思は固かった。もちろん私も拒否した。それなのに、あの子はマスター・ヨーダにジェダイをやめたいとお願いしていた。
そして、そのとばっちりは私に来る。
次の日の朝、私はマスター・ヨーダに呼び出された。
「サマンサ」
「何でしょう?」
昨日の夜、私とカリへの答えを考えたらしい。
「お前は今日、店に戻る。だが、帰る前にお前が決めるのじゃ。本当に弟子を持つのが嫌なら、カリを説得せよ。」
「え……?」
「確かにわしはお前をナイトに戻すこともできるが、カリを除籍することもできる。だが、サマンサと同じくジェダイをやめると決めたのはカリじゃ。わしが決めることではない。」
つまり、私に責任を取れってことみたいだ。
本来なら、評議会はカリを止める立場だ。今は戦争中。1人でも多く戦力が必要なはずだ。
マスター・ヨーダは、こんな戦争時ですら掟を重んじている。
ただ、カリのことは責任を手放している。
「私に責任を丸投げしてませんか?」
「ジェダイ聖堂に戻ると決断したのはお前じゃ。その結果が、これだとは思わんか?」
この人、喧嘩売ってんのかな。
もういいや。何を言われようと、私のやりたいようにやろう。異論は認めない。
「分かりました。私が何をしても、貴方達ジェダイに咎める権利はありませんからね。」
「どうする気じゃ?」
帰ろうとする私に、マスター・ヨーダが声をかけてくる。
「私の決断をします。」
それだけ吐き捨て、部屋を出て行く。
私はジェダイじゃない。だから、ジェダイの掟に倣うつもりはない。私は私のやり方で、カリと心を通わせる。
カリがいる部屋をノックすると、すぐに返事が来た。
「どうぞ。」
ドアが開けられ、私は浮かない顔のカリの隣に座る。
「私、追放されちゃうんでしょうか……?」
「大丈夫だよ。掟を破ったわけじゃない。それでね、ちょっと聞きたいことがあるんだ。」
「何ですか?」
「ジェダイでいたくないから、私のパダワンになりたいの?」
「いいえ、違います。私はマスター・ホーガンが好きで、師事したいと思ったんです。」
どうしよう、荷が重い。
10年ブランクのある私に、師匠が務まるわけない。
「ねぇカリ、私が絶対ジェダイに戻らないって言ったらどうする?」
「それだと、私はパダワンになれないんですよね?」
「まぁ、そうだね。でもパダワンじゃなくても、一緒に来るという選択肢もあるよ。」
「え………?」
「もちろん、カリがオーダーを去る前提だけど。ただ、ジェダイのまま船に乗ると、私はあんたを守れない。私がジェダイを受け入れてるということになるし、オーダーからは文句が来る。」
強制はしない。その代わり、私と来るならジェダイではなくなる。カリは他の子と同じく、物心がつく前に聖堂に連れて来られた。正直、どんな決断をするか予期できない。
でも、私が強制することでもない。
決めるのはカリだ。
「一緒に行っていいんですか?」
「いいよ。だけど、私の本業は店だから手伝ってもらうけど、それでもいい?」
「構いません!」
「本当に?ちゃんと考えた?」
「行きたいんです。お願いします!」
カリの目が輝いているように見える。どうやら、マスター・ヨーダの私のせいというニュアンスは、間違いではなかったらしい。私がカリの好奇心に火を点けたようだ。
「分かった。じゃあ、行こう。」
「どこにですか?」
「評議会。」
何か言われる前に、手を打たなければならない。
私の時とは状況が違う。今は戦時中だ。状況をはっきりさせておかないと、私の時以上に面倒になる。
エレベーターに乗りながら、カリは私の腕を引っ張る。
「マスター・ホーガン、話を聞いてくれてありがとうございます。でも、評議会に何て言うんですか?」
「私が抜けた時は、誰も何も言わなかった。でも今は戦時中。釘を刺されると思うから、覚悟してて。」
「はい、マスター。」
カリの返事に、私は咽せてしまう。
「ま、マスター?」
「だって、私弟子ですよね?」
「ジェダイの師じゃないからマスター呼びしなくていいよ……」
「なら、サマンサ……?」
「サムでいい。」
そう返すと、カリはなぜか嬉しそうだった。
エレベーターから降り、評議会の間に入ると、マスター・ウィンドゥとマスター・フィストーの2人がいた。
「ホーガン」
「どうした?」
2人は、私の横にいるカリにも視線を向ける。
「マスター・ヨーダから聞いてると思いますが、カリは私と来ることを選びました。」
「私の聞いた話では、お前が説得するはずではなかったか?」
「お言葉ですが、マスター方は私に判断を委ねました。これが私の答えです。」
「カリ・ペレス、お前自身の決断か?」
「はい、マスター!」
私よりも、マスター2人の方が驚いていた。どうやら2人は私を疑っていたようだ。私がカリを誘った、と。
寧ろ置いていこうとしていたのに。
「そうか、分かった。」
「ホーガン…この場合、何が危惧されるか分かるな?」
「はい、分かっています。」
「サム………?」
「良かろう。カリ・ペレス、フォースと共にあらんことを。」
私は困惑するカリを連れて、エレベーターに乗り込み、真っ直ぐプラットフォームへ向かった。
エレベーターの中で、カリは私に大丈夫かと何度も聞いてくる。
「マスター達は何を心配してるんですか?」
言おうかどうか悩んだ。
実際は、カリ自身の問題だ。この子はまだ10歳。私がオーダーを去った時と同じ年齢だけど、何もかも状況が違いすぎる。
でも言わないなんて、フェアじゃない。
「カリ、世間知らずの子供はね、いろんな奴に狙われるの。」
「え……?」
「あんたはまだ子供で、外の世界をほぼ知らない。それに付け込んで利用してくる奴もいる。フォース感応者なら尚更ね。もっと悪いこともたくさんある。」
下手したら、アニメシリーズのアソーカみたいに誘拐されるかもしれない。ジェダイをやめれば、オーダーの保護はなくなる。煩わしいオーダーだけど、急にいなくなれば探してくれる。だけど、1人でいる時に拐われたらどうしようもない。
マスター達が危惧するのは、そういった危険性だ。
暗黒面に堕ちることと同様に、危険なことだ。
「あんたの覚悟も重要だけど、私もあんたを守る覚悟をしなきゃいけなかったの。」
「だから私が来るのを渋ってたんですか……?」
「そういうこと。」
「自分の身は自分で守れます!」
「賞金稼ぎを嘗めない方がいい。ジェダイ・マスターも梃子摺る連中もいる。」
一番の危惧はシスだけど、警戒するに越したことはない。
「その為に私が守る。あんたが強くなるまで離れることはない。約束する。」
「はい、マスター。」
「だからマスターじゃないって。あと敬った話し方も必要ない。私はジェダイでもないし、あんたと私は対等な関係だから。」
「分かった。」
私はカリの手を引いて、〈ホーガ・フォレスト〉に乗り込む。
アズとカーターにカリを紹介して、一先ず営業を再開した。
カリはすぐにアズと打ち解け、私は安堵した。まず、アズがカリに優しい。アズのカーターに対する態度とは大違いだ。たぶん礼儀の問題なんだろうけど。
カーターと話す時のカリのレックが、ちょっとイライラしているように見えたのは気のせいだと思いたい。
もしかしたら、犬と猿を組み合わせちゃったかもしれない。
皆さん、季節の変わり目なのでエアコンにご注意を!
私みたいに喉やられますからねwww
サムは独身を貫くべきか否か?
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