私には、前世の記憶がある。
物心ついた頃にはジェダイ聖堂にいたけど、同時に前世の記憶も思い出した。
前世の最期は、呆気ないものだった。
飲食店をやりたくて、お金貯めて、店を建てて、会社を辞めて、いよいよという時だったのに。オープン間近だった。開店準備の疲れからか、駅のホームから落ちて、あっという間に死んでしまった。
迫る死の電車なんて、あれが最初で最後だ。
転生して、最初は理解できなかったけど、スターウォーズの世界にいると分かって、子供ながらに理解した。
だって、無意識にフォースを使うなんて他にあり得ないでしょ。
「サム?どうかしたのか?」
「いえ、何でもありません。」
そして目の前にいる長髪のおじさん、このジェダイ・マスターがクワイ=ガン・ジン。
「上の空だぞ?」
それからこの若いお兄さんが、オビ=ワン・ケノービ。マスター・クワイ=ガンのパダワンだ。追記すると、2人は堅物だ。
「外交任務が恋しいんです。」
「サム、我々の使命は、銀河の平和を守ることだ。外交任務は好んで行くものではない。」
「分かってますよ、マスター。」
勉強で外交任務に行かされるお陰で、普通の人達と喋ることが恋しくなってきている。ジェダイ聖堂では、政治や星々の情勢、鍛練ばかり。楽しいことが何もないんだ。
クワイ=ガンやオビ=ワンと別れ、私は自室へと戻る。
先日、私はデパ・ビラバのパダワンになった。前世がオタクだったから分かることだけど、オーダー66で死にたくない。死亡フラグは全力で回避したい。
まずはジェダイをやめないと。
「閃いた。」
前世と同じことをすればいいんだ。
まず資金を貯めて、評議会に目を付けられないように任務を遂行する。まずはジェダイとして何事もなく生きよう。エピソード1まで、まだ時間はある。
一人前ジェダイになったら、オーダーから離れよう。
掟があるし、誰も探さないはずだ。
去る者追わず、執着すべからず、だ。
「サム」
マスターが来て、外交任務のことを聞かれる。私は見ているだけだったけど、何事もなく終わったと話した。任務続きだったから休みをくれるみたいで、しばらくは任務を入れないと言われた。
「ゆっくり休みなさい。」
「はい、マスター。」
マスターが出て行き、私はマントを着る。
任務がないなら、今がチャンスだ。資金集めするなら今しかない。いつでもオーダーから抜けられるようにしよう。
あとは、この黒髪をどうにかしないと。
一介のジェダイである私は、オーダー内でも名前を知られていない。ちょっと見た目を変えれば、親しい間柄でもない限り気付かないはずだ。染髪でもしよう。
あとは、タイミングを待つだけだ。
この先の未来を知っているなら、利用しない手はない。
案外上手くいきそうじゃない?
サムは独身を貫くべきか否か?
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早く結婚しろ。
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ダメ、独身でいろ。
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