【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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中途半端は危うい

アズは壊され、出入り口はミラーの手下が塞いでいる。アズがいれば、他にもプランはあった。私1人でどうにかするしかない。

 

その場合、私の解決策は1つだ。

 

 

「ミラー、平和的に解決するなら今しかないよ。」

 

 

私がそう言うと、ミラー達は馬鹿にしたように笑う。

 

 

「平和的にだと?死人が出ると言ったのはお前だ。勝ち目はないと分かっているだろ?」

「そうだね。だから、死に物狂いで抵抗する。私の予期だと、当然勝ち目はない。私が良心を捨てない限りは、ね。」

「は?」

「サム!!!」

 

 

カリを店の奥に押し飛ばし、フォースを使ってドアを閉めロックをかける。

 

 

「サム!!やめて!!!」

 

 

カリがドアを叩きながら叫ぶが、私は何も答えずライトセーバーを起動させた。

 

その瞬間、ミラー達は一斉にブラスターを撃ってくる。

 

まずライトセーバーでパネルを壊し、そのままレーザー弾を偏向させてギャングを1人ずつ倒していく。総勢15人くらいいるけど、本当に強いのはミラーと、直近のデヴァロニアンの男と義手の男だけのはずだ。

 

私の予期通り、残ったのはその3人だけだった。

 

バトル・ドロイドと違い、知覚種族の攻撃は予期しやすい。意思があるというのは、それだけ重要なことだ。ドロイドは意思がないから予期できず、普通の人間と同じようにマニュアルの動きを想定することしかできない。

 

 

「チッ…使えねぇ奴らだ!」

 

 

デヴァロニアンの男は、エレクトロスタッフを振りかぶってくる。ライトセーバーで防ぐが、視界の隅で義手の男がその金属の手を後ろに引いているのが見えた。エレクトロスタッフの圧で防御が追い付かず、私は義手で横っ面を殴られる。

 

口の中で鉄の味がしたのを無視して、エレクトロスタッフを防いだまま義手の男をフォースの力を乗せて蹴り払う。

 

義手の男は一発で気絶して、デヴァロニアンの男は舌打ちしてスタッフを引く。

 

 

「この……!」

 

 

その隙間を狙うように、ミラーがガントレットから炎を噴射してくる。

 

咄嗟にフォースで防ぎ、その反動で私は後ろに吹っ飛び、デヴァロニアンの男は押し返された炎で焼け死んだ。ミラーはそれを気に留めることもなく、倒れかけた私にブラスターを連射してくる。ギリギリでバランスを保った私に、ミラーは苛立ちを見せながらブラスターを投げ捨てる。

 

どうするかと思えば、ミラーは素手で殴りかかってきた。

 

 

「お前のせいで!ビジネスが失敗だ!!」

「人のせいにするな。」

 

 

言い返すと、ミラーは酒瓶で背中を殴ってきた。服を着ているとはいえ、かなりの痛手だ。割れた酒瓶で負った傷に、アルコールが滲みて痛い。

 

私がうつ伏せに倒れたところを、ミラーが無理矢理起こす。

 

ライトセーバーは倒れた拍子に手放してしまっていた。

 

 

「っ…!!」

 

 

仰向けに地面に叩き付けられ、背中の傷に衝撃を受け激痛が走る。動きが鈍くなってきて、ミラーもそれに気付いていた。私が落としたライトセーバーを拾い、ミラーは私の首にプラズマの刃を添える。

 

 

「良心を捨ててこの程度か?笑えるな。ジェダイは弱っちぃな。」

「私はジェダイじゃない……」

「ライトセーバーを使っておいてよく言うぜ。お前に選択肢をやる。このまま死ぬか、嬲り殺されるか。どっちを選ぶ?」

 

 

ミラーはカーターをクズだと言ったけど、この男も相当なクズだ。

 

だけど、私もクズの端くれだ。

 

 

「残念だけど、抵抗すると決めた時に良心は捨ててる。」

「あぁ?…っ!?」

 

 

思いっきり頭突きをかまし、ふらついたところを私がうつ伏せに組み伏せる。

 

ライトセーバーを奪い返し、今度は私が首に刃を添えた。

 

 

「その傷でよく動けたな。」

「言ったでしょ。10年も私一人でやってきたって。」

「滅茶苦茶な戦いなわけだ。ジェダイなら、もっと賢く戦うはずだ。」

「私はジェダイの基礎を学んだだけ。だからこのライトセーバーもただの道具。私は、この道具であんたを殺す。カリを守る為に。」

 

 

もう間違えない。

 

ここでミラーを見逃せば、また殺しに来る。前回見逃したから、こうして戦うことになったんだ。カリを守る為には、ここでミラーを殺すしかない。

 

 

「以前俺を見逃したのは、あの小娘の為だろ。お前の行動を知ったら、失望するんじゃないか?」

「関係ない。危険因子が1つ減ればそれでいい。」

 

 

私は無表情でミラーを見下ろす。

 

カリが危険な目に遭うのは、私のせいだ。だから守らなければならない。私が危険な目に遭うのはいい。でも、カリは巻き込まれただけ。私のせいで死んだら、きっと立ち直れない。

 

 

「………本気だな。」

「あの子が私を追いかけてきた時から、必ず守るって決めてたの。」

 

 

ミラーの首を落とそうとすると、何かに止められた。いや、これはテレキネシスだ。“誰か”にフォースで止められたんだ。

 

視線を向けると、大嫌いな男が立っていた。

 

 

「やめておけ。後戻りできなくなるぞ。」

「………なんでここにいるわけ?」

 

 

睨みながら返すと、男は辺りの様子に顔を顰める。

 

 

「お前を止める為に来たんだよ。」

 

 

私の手を捕まえながら、“ヴォス”はまたやめろと言う。

 

 

「あんたには関係ないでしょ。」

「いいや、ある。お前、暗黒面に踏み込もうとしている自覚はあるか?」

「それが何?この男を殺せればそれでいい。ジェダイじゃないんだし、光明面も暗黒面も関係ない。」

「だが殺す必要はない。刑務所にぶち込めばいい。」

「ずっと刑務所にいる保証もないよね。」

 

 

出所したら、必ず報復に来る。他の未来は予期できない。だから殺そうとしているのに。

 

 

「そいつを見逃して良い可能性を作ることができるが、逆に殺せば敵を増やすぞ。」

「………」

「ホーガン」

「………まずあんたから殺してやる。」

「おい、落ち着け。」

 

 

ミラーから離れ、標的をヴォスに変える。

 

当のミラーは慌てて逃げようとする。だが、小さな女の子が彼を止めた。女の子、カリはライトセーバーを構えてミラーを牽制する。

 

 

「逃がさないよ。」

「このクソガキが……!」

「そのクソガキの私を先に殺せば良かったのにね。」

「何………?」

 

 

カリの後から、クローン・トルーパーが駆け込んでくる。ミラーや手下達はトルーパーに連行されていった。私とヴォスは、尚も睨み合う。

 

 

「将軍……」

「先に行け。ホーガンは任せろ。」

「イエッサー。」

 

 

トルーパーは船から下りていき、カリと私、ヴォスだけが残る。

 

 

「ホーガン、冷静になれ。ギャングは連行されたし、ペレスは無事だ。お前が憤る理由はない。」

「あんたに指図されたくない。」

「怪我の手当てをしねぇと、おいっ!!」

 

 

突然目の前が真っ暗になり、私は意識を失った。

 

身体中が痛い。感情に身を任せていないと、どうにかなりそう。背中が燃えるように熱い。

 

私は間違ってない。

 

ミラーを殺さなくちゃ。あいつは私の日常をぶち壊した。殺さないと、私だけじゃなくてカリも危ない。

 

解決するには、これしかないんだ。

 

ミラーはどこにいる?

 

 

サムは独身を貫くべきか否か?

  • 早く結婚しろ。
  • ダメ、独身でいろ。
  • その他(活動報告や感想へ)
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