あの後、ドゥークー伯爵と男、カリは私達に気付かず去っていった。
私は握った拳を開き、その場で蹲る。
「マスター・ホーガン………」
「マスターじゃない……」
「サマンサ」
「私に何をさせたいの!?あの子が私を裏切るのを見せたかっただけ!?あんたは何も分かってない!!」
そう問い詰めると、レスは寂しそうな顔をする。
こんな小娘に何が分かる?
私とカリの関係を理解できるのは、私とカリだけだ。この子供は、私達を知ってるだけ。何一つ、分かりはしない。
「ごめんなさい……」
「私も言い過ぎた。レス、カリがドゥークー伯爵と手を組んだ理由を知ってるんでしょ?」
「貴女を守る為です。」
「私を?私があの子を守るのに。」
「直接話してください。この星の平和は、貴女に懸かっています。」
レスによれば、ドゥークー伯爵と一緒にいた男は、これから王宮を襲撃するらしい。
男を援護するのがカリだという。
中立惑星だから、共和国軍はいない。でも衛兵はいるから、戦いは起こる。王族を守る為に、衛兵は果敢にも立ち向かっていくだろう。
そうなれば、犠牲者が出る。
脳裏にまたあの悪夢が浮かぶ。
「町への進攻は止めましょう。」
「どうやって?」
「だからカーターを連れてきたんです。」
「え……?」
レスはカーターに連絡して、何かを指示する。
それから、私達は人気のない路地裏を抜け、王宮の裏門へ向かった。襲撃するなら、警備の弱い裏門からだ。私がカリなら、裏門へ行く。
「そういえば、どうやってカーターを見つけたの?」
「事前にカーターの居場所を聞いていただけです。」
「何それ。意味分かんない。」
「分からなくていいんです。」
裏門に着くと、カリは既に到着していた。
カリの前には例の男がいて、あの子の後ろにはB1バトル・ドロイド3個分隊と、数人の男が従っていた。
本当に、王宮を襲撃する気なんだ。
「カリ!!!」
カリ達が進軍する前に、私は男と裏門の中間地点に立つ。レスには留まってもらい、彼女にはあえて正面のゲートへ知らせに行かせた。
彼らは立ち止まり、カリは私の姿に動揺する。
「なんでここにいるの……?」
「あんたを止めに来たの。どうしてドゥークーに手を貸すの?」
「サムは知らなくていい。」
「カリ、突き放さないで。」
「最初に拒んだのはサムだよ!」
カリの悲痛な声に、胸が苦しくなる。
「ペレス、我々は先に行かせてもらう。」
「分かった。」
「あんたがカリを唆したの?」
「勘違いするな。声を掛けてきたのはペレスだ。」
私の願いも虚しく、カリが選んだ行動だと思い知らされた。
奴らは裏門から入り、私はカリと2人きりで対峙さぜるを得なくなった。
「最初に拒んだって、どういう意味?」
「私を拒絶して、サムは1人でミラーと戦った。私は自分の身は自分で守れる。なんで一緒に戦わせてくれないの?」
「それはあんたが大事だから、」
「大事だと思ってるのはサムだけだと?違う。私だってサムが大事なの。」
「これがその結果?」
それからすぐに、王宮が騒がしくなった。
戦いが始まった。あの戦いにカリが加われば、犠牲者はもっと増える。その中には、カリ自身も含まれる。
カリが間違いを犯す前に、踏み留まってもらわなければ………
「これが、カリが望んだこと?」
「サム、」
「私の為に、人を殺すの?」
「私はジェダイじゃない!」
「そうだね、ジェダイじゃない。でも、殺生しないのがジェダイってわけじゃない。私がジェダイじゃないって言い張るのは、自分を守る為。」
私がジェダイをやめたのは、自分の人生を求めたから。〈ホーガ・フォレスト〉があって、アズがいて、カリがいる。それが私の人生だ。
不殺生をやめる為じゃない。
「自分を守るって言うなら、私のことも受け入れてよ…!」
「最初から受け入れてるよ。」
「嘘吐き!サムは私を見てないでしょ!だから戦うんだよ!しなくてもいい戦いもしてるのに!」
「………ドゥークー伯爵に何を頼んだの?」
嫌な予感がする。
夢でのあの言葉、やっと意味が分かった。
カリこそ、私の為に闇に堕ちようとしている。一度堕ちたら、自力では戻れない。分かっていて、堕ちようとしている。
「サムに手を出さないように約束させた。」
「………」
「〈ホーガ・フォレスト〉にも。サムに危険はない。もう戦う必要はないんだよ。」
代わりに、ドゥークー伯爵に従うと約束させたんだ。
知らぬ間に、頬が濡れていた。
「あいつが約束を守ると思う?守るわけない。どうして私じゃなくて、あいつなんかを信用するの?」
「サム、ジェダイのこと何も知らないよね。関心ないから。」
「え……?」
「ドゥークー伯爵が言ってた。ジェダイはサムを守ってくれない。ジェダイが守るのは、掟と元老院だけ。私もその通りだと思う。」
「カリ、お願い。引き返せる内に戻ってきて。」
「マスター・ケノービだって、サムを守る気はないよ。」
その言葉を聞いて、私は腰のライトセーバーに手を伸ばす。
「分かった………カリは頑固だよね。」
「サム……?」
「私が死ねば、カリがこんなことする理由はなくなるでしょ?」
「やめて!!」
ヒルトの胸元へ傾け、いつでも起動できるように握る。起動すれば、プラズマの刃は私の喉を貫く。当然、それは致命傷になるだろう。
「サム!ライトセーバーを下ろして!」
「下ろさない。あんたが考えを変えなければ、このまま起動させる。カリにとって私の命は重いけど、ドゥークー伯爵にとっては軽いものだよ。」
「でも、」
「正直、自分でも自分を軽んじてる。」
親指を曲げ、スイッチに指をかける。
「見放してごめん。愛してるよ、カリ。」
「ダメ!!!」
スイッチを押そうにも、カリが邪魔をして押せない。現役ジェダイじゃない私は、カリのテレキネシスを解除できない。でも、ずっと抵抗を続けている。
「っ……」
「離して!」
「嫌だよ!」
「よせ!!」
「っ!?カーター!?」
「待って!カーター!!」
駆け付けたカーターがイオン・グレネードが投げ、衝撃波が私達を襲う。
私とカリは吹っ飛び、カーターも捨て身だった為吹き飛ばされてしまう。私のヒルトは川に落ち、カーターはカリに向かって走っていく。
だがカリは倒れたままフォース・プッシュして、カーターは川に落ちてしまう。
「っ!!」
カリが起き上がる前に走り、私は彼女を抱き締める。
「1人にしてごめんね…」
「サムっ!!」
「ドゥークー伯爵に従う必要ない。一緒にいよう。」
「でもサムは1人で戦うでしょ!?」
「戦う。それは変わらない。けど、これからはカリのことも見る。ちゃんと手を取る。信じて。」
しばらく何も言ってくれなかったけど、カリは恐る恐る抱き返してくる。
やがて、しがみつくように抱き締めてきた。
「ごめんなさい………」
「謝らなくていい。」
頭を撫でてる内に、カリは意識を失った。
近くの木を背にカリを寝かせて、私はゆっくり立ち上がる。
あとはさっきの奴らをどうにかしないと。
「俺を忘れるな!」
「忘れたかった。」
「おい!」
川から上がってきたカーターに、溜め息を吐く。
非常に不本意だが、カーターにカリを任せて王宮に踏み込む。
レスの加勢に行かなきゃ。
あえて言いますw
レズではありません|・ω・`)
サムは独身を貫くべきか否か?
-
早く結婚しろ。
-
ダメ、独身でいろ。
-
その他(活動報告や感想へ)