【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

3 / 109
ファントム・メナス(Ⅰ)
ジェダイ・オーダーに退職手続きなんてありません


クワイ=ガンとオビ=ワンが特使としてナブーへ行くと聞き、エピソード1が始まったと思い出した。

 

うっかりしてたのが、ナブーの事件を忘れて、開店目前が今だということ。船も用意したし、本当にいつでも開店できる。ここで何か巻き込まれたら、全て水の泡だ。

 

あれ?既視感があるな。

 

 

「サム!」

 

 

噂をすれば、オビ=ワンが回廊で声をかけてきた。

 

 

「あぁ、特使でナブーに行くんだって?」

「サム…目上に対する態度をどうにかした方がいいぞ。」

「え?誰に対して?」

「サマンサ・ホーガン、最高評議会でそんな態度は取るなよ。」

 

 

サマンサ・ホーガンとは、私のことだ。“サム”は愛称というか、短縮系だ。オビ=ワンとクワイ=ガン、マスター・ビラバは私を“サム”と呼ぶ。

 

 

「気を遣わないのはオビ=ワンくらいだよ。」

「私の方が先輩だぞ。」

「同じパダワンなのに?」

「………」

「もっと言えば、私はもうすぐナイトなのに?」

「何だと?聞いてないぞ。」

「言ってないもん。」

 

 

私頑張ったと思う。

 

飲食店をやる為に、マスターに付き従って大変な任務もやったし、資金集めも同時進行してきた。そしてつい先日、トライアルを乗り越えて、やっと一人前と認められた。あとは三つ編みを切り落とすだけ。

 

昇格の儀式は、明日やる予定だ。

 

現在15歳、同期の中では最短の昇格だ。

 

 

「じゃあ行ってらっしゃーい。」

「帰ったらトライアルの話を聞かせてくれ。」

「いいよ。ほら行った行った!」

 

 

不機嫌そうな顔をして、オビ=ワンはプラットフォームへ向かった。

 

さて、私は最後の仕上げをしないと。

 

マントを着て、コルサントの旧市街へと入り、手頃な店に入店する。目的は、染粉を買う為だ。

 

私の出生は惑星キフーで、あのクインラン・ヴォスと同じキファーだ。肌は褐色で、顔に白いラインのタトゥーがある。ローブはタトゥーに合わせて白を着ているから、染髪と同時に服もイメチェンしなければならない。

 

髪色、何色にしようかな。

 

 

「すみません、この色あるだけください。」

 

 

買い占めなんて初めてやったわ。

 

私が選んだのは、脱色用の強めの染粉。つまり金髪にすることにした。金髪って、一番印象変わると思うんだよね。尚且つ、赤や青よりは記憶に残りにくいし、人混みでも目立ちにくい。

 

あとは、服だ。

 

 

「これください!」

「あいよ。」

 

 

ネイビーの服を買い、私は会計より少し多めのお金を渡した。

 

所謂口止め料だ。

 

 

「染粉如きで口止めだって?」

「万が一もあるじゃないですか。ね?」

「誰が追ってくるんだ?」

「知らない方がいいですって。」

「シンジケートじゃねぇだろうな?」

「まさか!まぁそういうわけなので、よろしくお願いしますね!」

 

 

シンジケートやギャングなんて可愛いもんだ。何かあってジェダイ・オーダーが私を探してきたら、この店主の心を読まれる。口止め料なんて意味はないけど、時間稼ぎにはなる。

 

 

「嬢ちゃん、長旅かい?」

「はい!そりゃあ、もう、すごく長い旅になりますね!」

「ならこれをやるよ。」

 

 

そう言って渡されたのは、小さなブラスター・ピストルだった。女性でも扱いやすそうに、軽量化もされている。

 

 

「ダメですよ!それに、足が付いちゃいますし!」

「大丈夫だ。それだけは俺のお手製だからな。」

「お手製!?」

 

 

なんと、昔はLPA社の工場にいたそうだ。さすがに規約で同じものは作れないから、1つだけ作ったそうだ。職人ってすごい。

 

 

「ありがとうございます!」

「いつでもおいで。困ったらここで働けばいい。」

「覚えておきます。本当にありがとうございました!」

 

 

店主に別れを告げ、買ったものや荷物を隠してある船に置いて、何事もなかったかのように聖堂へと戻った。

 

聖堂に戻った後、オビ=ワン達の船と連絡が取れなくなったと聞き、私のナイト昇格の儀式が前倒しされた。

 

オビ=ワン達は大丈夫だ。映画ではアミダラ女王であるパドメと、小さなアナキンを連れて帰ってくるんだから。通商連合のガンレイも逮捕される。

 

つまり私は不要!!

 

そして儀式が終わり、私はライトセーバーだけ持って聖堂を抜け出した。ジェダイ・オーダーと共和国は、ナブーの件で私のことは目もくれていない。その間に、私は外縁部まで離れよう。

 

もちろん、誰にも言わずに出てきた。

 

これが、バックレである。

 

よし!退職(無断)完了!!!

 

 

1ヶ月後。

 

ミッド・リムで移動式の飲食店がオープンした。店名は“ホーガ・フォレスト”。予約、貸し切りはお断り。スパイス等違法薬物の持ち込みは厳禁。破れば出禁。

 

〈ホーガ・フォレスト〉の名は、噂となり銀河に広がっていった。

 

 

サムは独身を貫くべきか否か?

  • 早く結婚しろ。
  • ダメ、独身でいろ。
  • その他(活動報告や感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。