ジェダイ・オーダーに退職手続きなんてありません
クワイ=ガンとオビ=ワンが特使としてナブーへ行くと聞き、エピソード1が始まったと思い出した。
うっかりしてたのが、ナブーの事件を忘れて、開店目前が今だということ。船も用意したし、本当にいつでも開店できる。ここで何か巻き込まれたら、全て水の泡だ。
あれ?既視感があるな。
「サム!」
噂をすれば、オビ=ワンが回廊で声をかけてきた。
「あぁ、特使でナブーに行くんだって?」
「サム…目上に対する態度をどうにかした方がいいぞ。」
「え?誰に対して?」
「サマンサ・ホーガン、最高評議会でそんな態度は取るなよ。」
サマンサ・ホーガンとは、私のことだ。“サム”は愛称というか、短縮系だ。オビ=ワンとクワイ=ガン、マスター・ビラバは私を“サム”と呼ぶ。
「気を遣わないのはオビ=ワンくらいだよ。」
「私の方が先輩だぞ。」
「同じパダワンなのに?」
「………」
「もっと言えば、私はもうすぐナイトなのに?」
「何だと?聞いてないぞ。」
「言ってないもん。」
私頑張ったと思う。
飲食店をやる為に、マスターに付き従って大変な任務もやったし、資金集めも同時進行してきた。そしてつい先日、トライアルを乗り越えて、やっと一人前と認められた。あとは三つ編みを切り落とすだけ。
昇格の儀式は、明日やる予定だ。
現在15歳、同期の中では最短の昇格だ。
「じゃあ行ってらっしゃーい。」
「帰ったらトライアルの話を聞かせてくれ。」
「いいよ。ほら行った行った!」
不機嫌そうな顔をして、オビ=ワンはプラットフォームへ向かった。
さて、私は最後の仕上げをしないと。
マントを着て、コルサントの旧市街へと入り、手頃な店に入店する。目的は、染粉を買う為だ。
私の出生は惑星キフーで、あのクインラン・ヴォスと同じキファーだ。肌は褐色で、顔に白いラインのタトゥーがある。ローブはタトゥーに合わせて白を着ているから、染髪と同時に服もイメチェンしなければならない。
髪色、何色にしようかな。
「すみません、この色あるだけください。」
買い占めなんて初めてやったわ。
私が選んだのは、脱色用の強めの染粉。つまり金髪にすることにした。金髪って、一番印象変わると思うんだよね。尚且つ、赤や青よりは記憶に残りにくいし、人混みでも目立ちにくい。
あとは、服だ。
「これください!」
「あいよ。」
ネイビーの服を買い、私は会計より少し多めのお金を渡した。
所謂口止め料だ。
「染粉如きで口止めだって?」
「万が一もあるじゃないですか。ね?」
「誰が追ってくるんだ?」
「知らない方がいいですって。」
「シンジケートじゃねぇだろうな?」
「まさか!まぁそういうわけなので、よろしくお願いしますね!」
シンジケートやギャングなんて可愛いもんだ。何かあってジェダイ・オーダーが私を探してきたら、この店主の心を読まれる。口止め料なんて意味はないけど、時間稼ぎにはなる。
「嬢ちゃん、長旅かい?」
「はい!そりゃあ、もう、すごく長い旅になりますね!」
「ならこれをやるよ。」
そう言って渡されたのは、小さなブラスター・ピストルだった。女性でも扱いやすそうに、軽量化もされている。
「ダメですよ!それに、足が付いちゃいますし!」
「大丈夫だ。それだけは俺のお手製だからな。」
「お手製!?」
なんと、昔はLPA社の工場にいたそうだ。さすがに規約で同じものは作れないから、1つだけ作ったそうだ。職人ってすごい。
「ありがとうございます!」
「いつでもおいで。困ったらここで働けばいい。」
「覚えておきます。本当にありがとうございました!」
店主に別れを告げ、買ったものや荷物を隠してある船に置いて、何事もなかったかのように聖堂へと戻った。
聖堂に戻った後、オビ=ワン達の船と連絡が取れなくなったと聞き、私のナイト昇格の儀式が前倒しされた。
オビ=ワン達は大丈夫だ。映画ではアミダラ女王であるパドメと、小さなアナキンを連れて帰ってくるんだから。通商連合のガンレイも逮捕される。
つまり私は不要!!
そして儀式が終わり、私はライトセーバーだけ持って聖堂を抜け出した。ジェダイ・オーダーと共和国は、ナブーの件で私のことは目もくれていない。その間に、私は外縁部まで離れよう。
もちろん、誰にも言わずに出てきた。
これが、バックレである。
よし!退職(無断)完了!!!
1ヶ月後。
ミッド・リムで移動式の飲食店がオープンした。店名は“ホーガ・フォレスト”。予約、貸し切りはお断り。スパイス等違法薬物の持ち込みは厳禁。破れば出禁。
〈ホーガ・フォレスト〉の名は、噂となり銀河に広がっていった。
サムは独身を貫くべきか否か?
-
早く結婚しろ。
-
ダメ、独身でいろ。
-
その他(活動報告や感想へ)