女子会のすぐ後のことだった。
例の爆破事件があって、アソーカは一度オーダーに追放されそうになった。アナキンのお陰で無実は証明されたけど、アソーカの気持ちはジェダイ・オーダーに戻らなかった。
アソーカは、オーダーを去る選択をした。
それは彼女の決断だし、私がとやかく言うことじゃない。
ただ………
「カリ、手伝うわ。」
「お客さんだから座ってていいのに。」
アソーカはなぜか店に来て、爆破事件のことを話してきた。
お茶を出そうとするカリをアソーカが手伝い、私はカウンターの中からそれを眺める。
店は閉まっていて、私達は閉店後のカウンターで屯していた。カーターには買い出しをお願いして、アズにも外壁の補装を頼んだ。私達元ジェダイは、マグを持ちながら話をする。
「サマンサはよく平気よね。」
「何が?」
「ジェダイ・オーダーよ。」
「うーん……」
「サム、どうしたの?」
「私が抜けた時と、アソーカが抜けた時とは状況が違うんだよ。」
私がオーダーを去った時は、誰も気付かないし、誰も追いかけてこなかった。いなくなったことに気付いても、評議会やオビ=ワンは探すことはしなかった。当時の私はただのナイトだったし、マスターとオビ=ワンが心配する程度の存在だったから。
でも今はクローン戦争中。どのジェダイも欠かせない。寧ろジェダイ不足なのだから。
今のジェダイ・オーダーは、あの頃とは違う。
「どういうこと?」
「サム……?」
「戦争は悪い影響しかないってこと。さて、カリ。後は2人で話してて。私は先に休むから。」
「おやすみ、サム。」
「おやすみなさい。」
奥へ入り、私は寝台に横になる。
文字通り、時代は変わった。時系列的に言えば、もうすぐエピソード3が始まる頃だ。つまり、ジェダイの粛清が始まる。
私も何かしら対策をするべきだろう。
深い眠りに落ちた後、私は夢を見た。
夢の中で私は、店のカウンターで誰かと話していた。顔は見えない。でも、すごく親しげだった。
声の感じからして、相手は男だ。どこかで聞いたような声だけど、全然思い出せない。だけど、知っている声だ。
起きてからも思い出そうとしたけど、思い出すことはできなかった。
カーターではないことは確かだ、うん。
「おう、起きたか。」
「おはよう。」
開店前のカウンターに座って、夢のことを考える。
当然だけど、座っても何も思い出せない。
「何か悩みか?」
カーターがコーヒーを置いて、呆然としている私に聞く。
「既視感って体験したことある?」
「いや、ないな。」
「だよね。」
「どうしたんだ?」
「何でもない。ただの夢。」
「へぇ……そういえば、今日は客人が来るらしいぞ。」
「客?」
私が寝ている間に、カリが取り次いだらしい。
あの子がNOと言えない相手といえば、評議会くらいだろう。ということは、相手はジェダイ評議会だ。今度は誰だ。
「あ、サム、おはよう。」
格納庫の清掃から戻ったカリが、声を掛けてくる。
「おはよう。客が来るって?」
「うん。サムのマスターだよ。」
「私のマスター………」
寝起きの頭で、カリの言葉を理解しようとする。
もうコーヒーをもう一口啜り、腕を組んで考え込む。
「あ、マスター・ビラバ………?」
「そうだよ。」
「え!?待って!いつ意識戻ったの!?」
「つい最近らしいよ。」
私が聞いた話だと、マスターは半年前にグリーヴァスと戦って昏睡状態だった。聖堂の医療ベイでバクタ・タンクに入る程の重傷だったんだ。こんなに早く復帰するなんて、マスターの身体が心配だ。
「これだからジェダイは………」
「え?」
「復帰が早すぎる。」
「良いことだろ?」
「………」
「違うのか?」
「良い状況とは言えない。」
目が覚めたばかりで、すぐに最前線に戻るなんて早すぎる。
店はまたカーターとカリに任せて、私はマスターを出迎えることになった。
シャトルが到着して、私はマスターに簡単な挨拶をする。と、そこで、小さな子供に気が付く。マスターが拾った迷子だろうか。
「久しぶりですね、サム。」
「身体は大丈夫なんですか?」
「ええ、大丈夫です。ありがとう。」
「その子は?」
マスターの後ろを見ながら、子供の正体を尋ねる。
「初めまして、マスター・ホーガン。ケイレブ・デューム、マスター・ビラバのパダワンです。」
子供、ケイレブは礼儀正しく挨拶する。
これが、後のケイナン・ジャラスであるケイレブだ。
「初めまして。」
小さい。
この小さいのが、いつか“反乱者たち”のケイナンみたいにオッサンになるのか。オッサンは言い過ぎか。でも、あのアソーカもアラサーになって登場するしなぁ。
いや、待て、私なんか40超え…アソーカ合流時の私43………
悲しくなってくる。
「大丈夫ですか?」
「あ、うん、大丈夫。マスター、弟子を取ったんですね。」
「ええ。先日も、見事な戦いを見せてくれました。」
私が姉弟子になるのか。完全に他人事だった。関係ないとか思ってたけど、同じマスターになるんだ。
いやいや違う違う、今の私はジェダイじゃないんだ。
「それで、今日はお客様として来られたんですか?」
私の言葉に、マスターは少し驚く。
今の私は〈ホーガ・フォレスト〉の経営者であって、ジェダイじゃない。師弟関係は消えないけど、ここでジェダイの立場は無いに等しい。
そういう環境を作ったのは、私だ。
マスターはすぐに元の表情に戻り、優しく微笑む。
「心配しないで、サム。私は古い友人に会いに来ただけですから。」
「お気遣い感謝します。サービスはしませんけど、どうぞ寛いでください。」
アズに案内させ、2人をカウンターの隅に座ってもらった。
マスター達は軽く食事をした後、気が付いたら帰っていた。
仕事をしながら2人を見ていたけど、どうやらまだ師弟になって日が浅いらしい。ケイレブはマスターに余所余所しい。まぁ、今のところ歴史は筋書き通りだし、すぐに仲良くなるだろう。
それに、マスターはパダワン想いだ。
マスターを嫌いにはならない。
オーダー66なんてなければいいのに。
次回、クローンウォーズ編の最後です。
そろそろアンケート結果を考慮して、
お相手のことを考えますねw
サムは独身を貫くべきか否か?
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早く結婚しろ。
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ダメ、独身でいろ。
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