【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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渦巻く疑念

私達はジェダイ聖堂の公文書館に入り、マスターからジェダイ・アーカイブへ入るように促される。

 

なぜここを選んだのか、何となく分かった。

 

ジェダイ・アーカイブに入れるのは、選ばれたジェダイ・マスターだけだ。他の者は入れない。つまり、誰にも聞かれることはない。

 

白熱灯のようなライトの中を歩き、マスター・ヨーダは踏み台に腰掛ける。

 

 

「では、話してもらおう、サマンサ。ジェダイの滅亡を予期していたのか?」

「………はい。」

「いつからじゃ?」

「13年前のナブーの戦いで、予期しました。」

 

 

そう答えると、マスターは深刻そうな顔をする。

 

 

「パルパティーン議長の正体を知っているのか?」

「………いいえ。」

 

 

これを知っていたと答えれば、大問題だ。

 

なぜなら、議長の正体はシスで、ジェダイの宿敵だから。もし知っていたと知られれば、どうして言わなかったと詰問される。あの時議長にしなければ、クローン戦争は回避できたかもしれない、と。

 

幸い、マスターは知らないという答えを信じてくれた。

 

その上で、マスター・ヨーダは議長がシスという事実を目の前で嘆いていた。

 

 

「ジェダイをやめたのは、死を回避する為か?」

「死にたくないと思うのは、普通のことだと思います。」

「しかし、お前は自らの為にジェダイをやめた。本来なら責められるべき動機じゃ。」

「掟のことを言ってるんですか?確かに、一度は掟に誓いました。だからと言って、誰かを害そうなどと思ったことは一度もありません。」

 

 

誰かに迷惑をかけたわけじゃない。私はジェダイじゃない生き方を選んだだけ。野望があったわけでもない。

 

それの何がいけないの?

 

私は好きに生きたいだけ。

 

 

「どれも間違いではない。だが、正解は1つじゃ。お前は議長を見過ごしたのだ。」

「それなら言わせてもらいますけど、ジェダイの誰一人、議長の正体を見抜けなかったじゃないですか。」

 

 

不審な点はかなりあったはずだ。議長になったこと、クローン戦争を始める為に非常時大権を得たこと。更に、議長はその非常時大権を手放さない。

 

これだけでも、議長の行動は不信感を募らせる。

 

それなのに、ジェダイは誰も疑わなかった。

 

 

「そう言われたら、ぐうの音も出ぬ。サマンサがいつか言ったように、わしらジェダイの目は翳っておる。ジェダイの滅亡も、最早避けられまい。」

 

 

マスター・ヨーダは、ジェダイの滅亡は変えられないと悟っている。でも、心の奥では希望を信じている。それがどんなものかは分からないみたいだけど。

 

 

「サマンサ、希望はどんな形で現れるか分からん。これ以上は話さなくとも良い。だが、もしお前が希望を信じているなら、わしらジェダイの代わりにその希望を守ってくれんか?」

「私はジェダイじゃないんですよ。」

「分かっておる。ジェダイが滅べば、シスを倒す者はいなくなるじゃろう。お前は違う道を歩み、未来を変えよ。」

「………」

「何をするかではない。何ができるか、それが重要じゃ。」

 

 

マスターは踏み台から降り、アーカイブの扉を開ける。

 

 

「だが誰にも悟られてはならん。特にパルパティーン議長にはな。」

「分かっています。」

 

 

私は、マスターの後からアーカイブを出て行く。扉が閉まり、マスターは評議会の塔に戻っていった。私も店に戻ろうと、公文書館を出ようとする。

 

そこで、アナキンと鉢合わせた。

 

久しぶりにアナキンと会い、私は思わず挨拶をする。

 

 

「久しぶり…」

「元気そうですね。ジェダイ聖堂にいるのは珍しい。どうされたんです?」

「マスター・ヨーダと話をしてたの。」

「………ジェダイ・アーカイブで?」

 

 

アナキンはアーカイブから出てくる私達を見ていたらしい。隠す必要がないからマスター・ヨーダと会ったと話したけど、必要のない疑問まで生んだようだった。

 

 

「私が聖堂から去った日のことを話しただけ。人には聞かれたくないだろうって、マスター・ヨーダが気を遣ってくれただけだよ。」

「僕やオビ=ワンにも知られたくないってことですか。」

「そうじゃないよ。私は戦争前にオーダーから去ったから、後ろめたい気持ちがあるの。」

 

 

アナキンは、私の話を信じてない。でも、信じようが信じまいが関係ない。ジェダイ滅亡の話なんて、アナキンに聞かせたくない。

 

 

「後ろめたいならジェダイに戻ったらどうですか?」

「それは無理だよ。店が大事だから。」

「ですが、店も永遠に続くものではありませんよ。」

「どういう意味?」

 

 

その言葉にイラッとして、鋭い口調になってしまった。

 

 

「共和国が営業許可を取り下げたり、店を乗っ取られたりしたら、続けることは不可能です。」

「そっちの心配はしてないから大丈夫。」

 

 

ぶっきらぼうに返して、私は公文書館のドアを開けて出て行く。

 

私には私のやり方がある。将来、帝国が営業許可を取り下げたら、世間からブーイングされるだろう。私の店は、あらゆる人達から支持を受けているのだから。

 

店を乗っ取るなんて、以ての外だ。

 

そんなこと、私が許さない。

 

乗っ取られるくらいなら、臨時休業させてやる。

 

 

サムの子供は……?

  • 父親(次章で登場)と一緒にいる。
  • カリと一緒にいる。
  • カーターと店にいる。
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