【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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私のプライバシーはどこですか?

翌朝、私はカリの慌ただしい声で起こされた。

 

 

「サム!大変だよ!」

 

 

髪もボサボサ、寝ぼけ目の私は、カリの声にドアを開ける。

 

そこにはカリだけじゃなくて、どっかで見たような、高そうな服を着た年配の男がいた。その男はカリをそっちのけにして、前に出てくる。

 

 

「サマンサ・ホーガン、私は議長の遣いで来ました。議長が貴女に大切な話があるそうです。」

「話の要件は?」

「私はただ呼んでくるようにとしか……」

 

 

嫌な予感がする。

 

なんで一度も関わりのなかった議長が、ジェダイでもない、それもただの一般人に接触してくるんだろう。

 

今更感しかない。

 

 

「分かった。行くよ。」

「サム!?」

「大丈夫だよ、カリ。店はいつも通り開けて。」

「分かったよ……」

 

 

身支度をした後、私は男の後に付いていく。

 

店を出て、私達はまず行政区へと向かった。

 

行政区に入るにつれて、人々の服装は質の良いものになっていく。どう見ても、一般人の服じゃない。そこかしこにいるのは、元老院の関係者ばかりだ。

 

元老院ビルに着き、私は初めて足を踏み入れる。

 

コルサント・ガードに通されて、私と男はエレベーターに乗り込んだ。

 

 

「本当に要件を聞いてない?」

「はい、聞いておりません。何か後ろ暗いことでも?」

「ないから疑問なの。」

 

 

議長直々に呼び出されるなんて、異例中の異例だ。恐らく、ジェダイ評議会も知らないだろう。私は一般人だから、ジェダイ評議会を通す必要もないけど。

 

音が鳴り、エレベーターのドアが開いて、私達は議長オフィスの階で降りる。

 

 

「どうしたの?」

 

 

私だけ行かせようとする男に、なぜ来ないのか問う。

 

 

「私はただの案内役です。どうぞ中へ。人払いはできています。」

 

 

人払い、ねぇ。

 

これもまた異例だ。単なる客扱いとは思えない。ますます不安になってきた。

 

 

「失礼します。」

 

 

中に入ると、パルパティーン議長が立ち上がる。

 

 

「よく来てくれた。」

「話とは何でしょうか?」

「大したことではない。君の評判を聞いて、是非話してみたいと思ったのだ。」

 

 

評判といえる評判はない。私の評判というより、店の評判だ。あえて言ったのか分からないけど、この人を侮ってはいけない。

 

 

「アナキンからも、君は良い人間だと聞いている。」

「買い被りすぎです。私は好きなように生きているだけです。」

「それは素晴らしいことだ。だが、1つ疑問が残る。」

「何ですか?」

「ジェダイをやめたのに、ジェダイと関わる理由は何だね?」

 

 

これは………

 

返答次第では、私も粛清の対象になり得る。でも、私も好きで関わってきたわけじゃない。ジェダイが私に構ってきただけだ。

 

 

「私から接触しているわけではありません。」

「拒むこともできただろう?更に言えば、君はジェダイとしての勘を取り戻している。なぜジェダイ・オーダーを拒まなかった?」

「無視して店に来られても困りますから。」

「そうか……」

「話は以上ですか?」

 

 

私の質問に、議長は考え込む。まだ納得できないことがあるようだ。これ以上話すことはないのに。

 

 

「もう1つ知りたいことがある。アナキンによれば、君はジェダイ・アーカイブに入れるそうだな。一般人である君が、なぜジェダイの機密に入れるんだね?」

 

 

アナキン、議長と仲が良いのは構わないけど、情報を与えすぎだ。アーカイブでのことを話すなんて、想定外だ。この調子だと、マスター・ヨーダといたことも知っているだろう。

 

 

「私のマスターが評議会メンバーだからです。特に深い理由はありません。」

「本当か?」

「アナキンがアーカイブに入れないのは、評議会の信用がないからです。彼に嫉妬されているなら、見当違いですよ。アナキンは、貴方やアミダラ議員と距離が近い。評議会も不安なんですよ。」

 

 

議長の表情は変わらない。私の言葉を信じていないようだ。当然と言えば当然だ。私は嘘を吐いているのだから。

 

いくら議長がフォース感応力を隠しても、相手の感情を読むことはできる。私が嫌悪感を抱いて偽った感情なんてお見通しだろう。それでも、私は本当のことを教える気はない。

 

評議会が本当に信用してないのは議長だ、と。

 

 

「私が機密を持っていると思ったんですか?それも勘違いです。マスター・ヨーダは、私のことも信用していません。」

「随分と自分を過小評価しているが、それこそ君の勘違いだ。元老院でも君の評価は高く、マスター・ヨーダは密かに君を信頼している。違うかね?」

「大間違いです。」

「アナキンの言う通り、君は自分のことに疎いようだ。」

「はい?」

 

 

私のことは自分がよく分かってる。アナキンでも、マスター・ヨーダでもない。この私のことは、私にしか分からない。

 

だから、疎いとは思っていない。

 

議長の、暗黒卿の目は節穴だ。

 

 

「貴方こそ、私を過大評価しすぎです。もう戻ってよろしいですか?店を任せっきりにしてきているので。」

「ああ、構わんよ。呼び出してしまって申し訳なかった。幸運を祈るよ。」

「………失礼します。」

 

 

最後は不快な顔をしないように、精一杯努めて退出した。

 

機密を持っていると思うのかと聞いた時、議長の目は一瞬期待に輝いた気がした。あえて口にしたのは、議長の狙いに確信を持ちたかったからだ。予想通り、議長は機密を知りたがっている。

 

事ある毎に、今後も探りを入れてくるだろう。戦争の終わりも近く、ジェダイの滅亡も目前。あらゆる者が、行動に入る頃だ。

 

議長は今、使えそうな人材を選んでいる。

 

でも、私は駒になってあげる気はない。

 

そろそろ、帝国時代に店を存続させる策を考えなきゃ。

 

 

サムの子供は……?

  • 父親(次章で登場)と一緒にいる。
  • カリと一緒にいる。
  • カーターと店にいる。
  • その他(活動報告や感想へ)
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