それからしばらくして、オビ=ワンから相談があると呼び出された。
でも私は店があるし、ずっとカーターやカリに任せきりにはできない。アズもいるとはいえ、〈ホーガ・フォレスト〉の店主は私だ。お客様にも申し訳が立たない。
だから妥協案として、オビ=ワンの相談は聞くけど、閉店後に来てもらうことにした。
幸いにも、私達はまだコルサントにいる。
だって、売上も良いしね。さすがは首都惑星だ。知名度も上げたいし、もう少し停泊することにした。
店を閉めた後、オビ=ワンが時間通りに来た。
「いらっしゃいませ、ケノービ様。」
「やぁアズ。調子良さそうだな。」
「はい、お陰様で。売上は上々です。」
「………」
アズ、オビ=ワンの調子というのはあんたのことだよ。売上って言われて、ドン引きしてるからね。給仕ドロイドだから仕方ないけど。
「オビ=ワン、適当に座ってて。着替えてくる。」
「ああ、分かった。」
オビ=ワンの相手をアズに任せて、私は部屋で普段着に着替える。どこから見ても民間人のような格好で、私は部屋を出た。
私の格好を見たオビ=ワンは、珍しいものを見るかのように視線を向けてくる。
「何?」
「いや、何でもない。ペレス達はどうした?」
「出掛けてる。いつも任せきりにしてるから、遊びに行ってるよ。」
「カーターという男が保護者役だろう?いいのか?ペレスが悪い遊びを覚えてしまうぞ。」
「大丈夫だよ。2人共ちゃんと分別ができるから。それで、相談って何?」
ブルーミルクを飲みながら、要件を問う。
オビ=ワンが相談をしてくること自体が珍しい。彼は経験豊富なジェダイ・マスターなんだから。そのオビ=ワンが外野の私に相談なんて、もっと珍しいことだ。
反対側に座るオビ=ワンは、深い溜め息を吐く。
「予言を覚えているか?」
「覚えてるよ。“選ばれし者がフォースにバランスをもたらす”ってやつでしょ?」
「その通りだ。」
沈黙が続き、私は目を伏せる。
クワイ=ガンは、アナキンが選ばれし者だと信じていた。本当にそうなんだけど、オビ=ワンはそんなこと関係なくアナキンを育て上げた。変に責任感を覚えさせるよりは良い。
ただ、評議会は違った。
予言では“フォースにバランスをもたらす”とあるけど、評議会はシスを滅ぼすという解釈に捻じ曲げている。
ダース・シディアスが議長になった時点で、既にジェダイの粛清は決まってたんだ。
「アナキンが、評議会に加わった。」
「良かったじゃん。」
「良くはない。アナキンは、自分を客観的に見れていない。故に傲慢さが見え隠れし、評議会に疑問を抱いている。」
「私も評議会に疑問があるけど?」
「お前とは状況が違う。サム、真面目に聞け。」
「聞いてるよ。」
相談に乗れと言うから、話は聞いている。意見をしないとは言ってない。それでは相談の意味がない。
「相談に来たんでしょ?だったら私の意見も聞いたら?」
「………」
「そういうところがアナキンに不満を抱かせるんだよ。人のこと言えないけどさ。」
「何……?」
オビ=ワンは私を見る。
アナキンは、私のことも疑念に感じているだろう。アーカイブで、マスター・ヨーダと話していた、2人だけの話。その事実が、疑念を生んだんだ。
「マスター・ヨーダと個人的な話をする為に、アーカイブに入ったの。」
初めて知った話に、オビ=ワンは頭を抱える。
「サム………」
「オビ=ワンまでやめてよ。本当に大した話じゃないから。それで、出てきたところでアナキンに遭遇したの。」
「評議会も知らないんだな。」
「そういうこと。評議会を信じられないのは私も同じ。マスター・ヨーダでさえ、その表情は険しい。それなのに、アナキンにも信じろなんて言えるわけない。」
オビ=ワンの表情を見て、何が相談したかったのか分かってしまった。
どうしたらアナキンにジェダイを信じてもらえるか、それを相談したかったんだろう。でも、アナキンは既にパルパティーン議長に取り込まれている。もう暗黒面の目の前だ。
ジェダイが闇に呑まれるのも、時間の問題だ。
「私はどうすればいい…?」
「私の意見は、オビ=ワン1人行動しても変わらない。」
「アナキンを放っておけと聞こえるぞ。」
「そんなこと一言も言ってない。まず、アナキンの状況を理解して。」
「状況?何の状況だ?」
「全部。」
「適当に言ってないか?」
「聞こえなかった?全部!ぜ、ん、ぶ!!」
私の怒鳴り声に、彼は耳を塞ぐ。聞こえてるなら聞き返すなよ。私は真面目に言ってるんだから。
「適当じゃないから。」
「分かりにくいアドバイスに感謝するよ。」
「ジェダイのアドバイスの方が分かりにくいっての………」
「何か言ったか?」
「別にー?」
ジェダイの説明は抽象的すぎる。試しはなくやれって、説明も何もなしにできるわけねーだろ。新人をいきなり現場に出すブラック企業か何かかな。
「そろそろカリ達が戻るから、帰ってくれる?」
「分かったよ。コルサントにはまだいるのか?」
「どうかなぁ。売上が下がり始めたら考える。」
「相変わらずだな。」
「店第一だからね。」
オビ=ワンは席を立ち、真っ直ぐ出口へ向かう。
「次は客として来てよ。」
「ジェダイはお断りか?」
「そうだよ。」
「お前も元ジェダイだろ。」
「じゃあ現役ジェダイに変える。」
貼り紙はない。御触れも何もないけど、私の店だから私がルールだ。私がダメだと言えばダメだ。
「あ、出禁リスト見る?」
リストの中にホンドーの名前があって、オビ=ワンは苦笑していた。
オビ=ワンは店を出て行き、私は部屋へと戻った。
部屋の引き出しからジェダイ・ホロクロンを取り出して、フォースを使って情報を開く。
いい加減、これをどうにかしなきゃいけない。戦争は間も無く終わる。戦争が終わって帝国ができれば、店を調べられるはずだ。
その前に、このホロクロンを処分しなきゃ。
本当に、ジェダイだったことが悔やまれる。
サムの子供は……?
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父親(次章で登場)と一緒にいる。
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カリと一緒にいる。
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カーターと店にいる。
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