オビ=ワンの相談から日が経ち、ヴォスも戦地へ向かい、私はいつも通り店を開けた。
同じ頃、マスター・ヨーダがキャッシークへと向かった。ウーキーが苦戦を強いられているらしい。クローン軍とウーキーの戦力合わせて、連合軍と戦うんだ。
それから今日、私は店を閉めた後にカーターと向き合って座っていた。
そして、今度はカリが議長に呼ばれていて、今は歓楽街のオペラ・ハウスにいる。
どうやら私の持つ秘密を知りたいようだけど、カリに聞いても無駄だ。あの子は何も知らない。秘密だから、アズも知らない。
正面に座るカーターに、バラバラに分解したホロクロンの残骸を渡す。
「何だこれ?」
「ジェダイ・ホロクロンの残骸。」
「おい……カリに貴重なものだって聞いたぞ。」
「ジェダイ・ホロクロンが貴重なんじゃなくて、中の情報が貴重なの。」
星図の入ったメモリークリスタルを入れて、目の前でホロクロンを組み立てて見せる。
「つまり、あんたは貴重な情報を持ってるってことだな?」
「他言無用だからね。それで、カーターにこの残骸を預けたいの。」
またホロクロンを分解して、カーターの前に置く。
「組み立て方はフォース感応者にしか分からない。それに、肝心のクリスタルは既に別のところにある。この残骸はホロクロンの一部で、私が作り直したパーツがないと情報を開けないようにしてある。」
「なんでわざわざそんなことをした?」
「中の情報は、未来の敵にとって消し去りたい知識なの。」
「未来?分離派の奴らか?」
私は無言で首を振る。
敵と言っても、一概に帝国軍とは言えない。この情報はマスター・ヨーダと、受け取った私しか知らない。なぜ評議会じゃないのかと疑問だけど、戦争の終わりとジェダイの滅亡を予期しているマスターに言ったところで聞くだけ野暮だ。
でも、カーターはまだ知らなくていい。
ジェダイじゃないカーターは、何も備える必要はない。
「私には、未来がないの。」
「何だと……?」
「先を予見できない。もし私に何かあったら、」
「やめろよ!なんで今から諦めてんだよ!」
「無理なものは無理なの!あんたが何したってフォースが分からないように、私が何したってフォースの運命からは逃げられないんだよ!」
私の言い返した言葉に、カーターは突然殴ってくる。
私レディーなんだけど!?
「クビにされたいの!?」
「職権濫用するな!って…違う!そうじゃねぇだろ!何の為の予見だよ!ジェダイなら備えろよ!」
「だからジェダイじゃないって言ってんじゃん!」
「はぁ……」
「なんで溜め息吐くの!?」
カーターは私を無視して、ホロクロンの残骸を掴み、カウンター横に歩いていく。
そこにあるのは、ゴミ箱だ。
「えっ……」
カーターはパッと手を放し、ホロクロンの残骸を落とす。私は慌ててテレキネシスで捕まえて、残骸を回収する。それを引き寄せ、さっきと同じようにテーブルに置いた。
「何捨てようとしてんの!?」
「秘密を守りたいならこうするのが一番だろ。」
「違う!これは後世に残す為の情報で、」
「だったらあんたも生き残れよ。俺は諦めてる奴の話は聞かないからな。」
カーターは、どうしてこんなに前向きなんだろう。性格と行動に問題はあるけど、人としてはできた人間だ。私なんかとは大違いだ。
「分かった。善処する。」
「なら良い。」
「でも、殴ったこと忘れてないからね。」
「悪かったよ……」
「え?聴こえない!」
「わざとだろ!?」
カーターには中の情報を伏せ、ホロクロンの残骸を預かってもらった。
いつか来る、ジェダイの滅亡に備えて。
ホロクロンの説明をした後、私はカーターに手伝ってもらいながら船を追加改造した。特にコックピット。床下の配線と基盤を作り替え、来るべき日に備えた。
仮に私がいなくても、保険として情報を見れるように。
ただし、情報のメモリークリスタルは必要不可欠だけど。
「そろそろカリが帰るね。」
「カリは中身を知ってるのか?」
「知らない。ていうか、まだ知らない方がいい。」
走ってくるカリを出迎えながら、私はカーターに静かに返す。
カリが聞いた話によれば、クローン軍の偵察部隊がウータパウでグリーヴァスを見つけたらしい。
つまり、終戦は目の前だ。
終わりの時が、刻一刻と近付く。
────────
一方その頃、アナキンとパルパティーン議長はオペラ・ハウスで話をしていた。
それは、アナキンがダース・プレイガスの物語を聞いた後のことだった。
「サマンサ・ホーガンは恐らく、マスター・ヨーダから機密を受け取っているだろう。助手のカリ・ペレスは知らぬようだが……」
「なぜサマンサは信用されて、僕は信用されないんだ…!」
アナキンは、ジェダイではないサマンサが信用され、明らかに彼女を妬んでいた。自分はジェダイとして信用に足る、と。ヨーダはジェダイのアナキンより、民間人のサマンサを選んだのだと失望していた。
「次の議会で君をウータパウに派遣しなければ、評議会は間違いを犯すことになるだろう。」
「評議会が正しい選択をすることを……願います……」
「ホーガンはマスター・ヨーダが信用する程の秘密があると、私は考えている。」
「まさか、サマンサが暗黒面に………?」
「そうではない。何かが、おかしいのだ……」
議長は考え込む。以前彼はサマンサと話したが、納得していなかった。彼女が嘘を吐いたことで、パルパティーン議長は更に不信感を抱いたのだった。
「サマンサを問い詰めますか?」
「いや……時が来れば、あの者自ら明かすことになるだろう。」
パルパティーン議長はそう言い、しばらく様子を見るとアナキンに告げる。
サマンサの知らないところで、事態は容赦なく進んでいる。
それは病のように、侵食していくのだった。
サムの子供は……?
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父親(次章で登場)と一緒にいる。
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カリと一緒にいる。
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カーターと店にいる。
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その他(活動報告や感想へ)