【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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ジェダイは職業じゃない-Replay-

引き続きオルデランの軌道上で営業していたら、突然激しい頭痛が襲った。

 

たくさんの悲鳴に、死の苦痛、心が引き裂かれるような絶望感、膨大な波が押し寄せてくる。でも頭痛に蹲っている場合じゃない。私も安全な状況ではない。

 

何が起きているのか、考えなくても分かった。

 

銀河中のジェダイが殺されている。子供のジェダイも、パダワンも。例外はない。

 

そう、私も殺される。

 

私もジェダイだ。ジェダイは職業じゃなく、やめることはできない。ジェダイはなるものではなく、生きる道そのものだ。

 

ジェダイだった過去は変えられない。

 

元とはいえ、ジェダイだった私も殺される。

 

 

「サム様!!」

 

 

相棒が、冷たい水を飲ませてくれる。でも、頭痛と身体の震えは止まらない。いくらジェダイをやめたと言っても、フォース感応力がなくなったわけじゃない。

 

 

「大丈夫ですか!?」

「胸が痛い……!」

「えっ!?」

「命が消えていく……」

 

 

1つ、また1つと、ジェダイの命が消えていく。殺しているのは、クローン・トルーパーだ。オルデランの軌道にいるジェダイも、クローン・トルーパーに殺された。

 

 

「アズ……すぐに逃げて………」

「サム様!サム様!!」

 

 

頭が痛すぎて、相棒の声が遠くなって意識を失ってしまった。

 

気が付くと白い空間にいて、マスターが私を抱き締めていた。

 

目の前のマスターを見て、私は思わず安堵する。こうして繋がったということは、マスターは無事だ。クローン・トルーパーの裏切りから、生き残れたんだ。

 

マスターに限って、死ぬはずがない。

 

そうだ、マスターは強い。

 

 

『サム………』

『マスター……?』

 

 

様子がおかしい。

 

マスターのフォースが感じられない。目の前にいるのに、遠くにいるみたいだ。いや、もっと遠くにいる。

 

嫌だ、信じない。

 

 

『何もできなくてごめんなさい。』

『マスター、どこにいるんですか……?』

 

 

精神世界なのに、涙が出てくる。

 

オーダーから抜けても、マスターは私の師だ。師弟の絆は忘れていない。心が張り裂けそうだ。

 

 

『生きていると言ってください……!』

『さよなら、サム。』

 

 

マスターは背を向けて、去っていってしまう。引き止めたくても、マスターには追い付けなかった。どんなに走っても、距離は縮まらない。寧ろ距離は開くばかりだった。

 

 

『嫌です!マスター!!』

 

 

信じられない。マスターも殺されたなんて、絶対に信じない。私が戦争から離脱したのは間違いだった。

 

でも、戦争に加わるなんて間違ってる。

 

どうすれば良かったの?

 

私には、もう何も残っていない。

 

誰か助けて………!!

 

 

「マスター!!!」

「サム!大丈夫!?」

「カリ………?」

 

 

飛び起きて、気が付いたら涙が流れていた。

 

私の寝台脇にはリックとカリ、アズがいた。カリは何があったのか分かっていて、私と同じように暗い表情だった。リックは何も分からず、私とカリを心配そうに見ていた。

 

 

「今どこ……?」

「まだオルデランだよ。地上だけど。」

「看板隠した?」

「ああ。」

「共和国の問い合わせは、」

「サム様とカリ様はいないことになっております。」

 

 

アズの答えを聞き、私はカリを抱き締める。

 

カリまで失いたくない。すぐに隠れないといけない。私には、シスと戦う力がないんだ。

 

 

「おい、何があったんだ?」

 

 

リックは訳が分からず、私とカリに問う。アズとリックは、私の指示に従って身を潜めただけ。2人はまだ理由を知らない。

 

私はカリから離れ、リックに分かることだけ教える。

 

 

「“仲間”の悲鳴が聴こえたの。」

「悲鳴って……」

「死の苦しみ。サムと私は、銀河中で殺されるジェダイの悲鳴を聴いたの。」

「何が起きた……?」

「最高議長が、ジェダイを殺せっていう命令を降した。」

 

 

その言葉に、アズは私の顔を見る。アズでさえ、動揺している。リックは、それ以上に絶句している。

 

 

「マスターも死んだ。」

 

 

寝台の上で、顔を膝に埋める。

 

ついに、ジェダイの粛清が目の前に来てしまった。アナキンも暗黒面に堕ちた。ジェダイをやめた私には、何もできない。

 

 

「なぁサム、これからどうする?」

「どうするって……」

「ジェダイはみんな殺されたんだろ?なら、あんたとカリはすぐに逃げるべきだ。殺されるぞ。」

 

 

そんなことは分かってる。粛清を避ける為にジェダイをやめたけど、きっと無駄な足掻きだ。私達は一般人だけど、パルパティーン議長は私とカリを危険因子と判断するだろう。

 

 

「サム様、お店はお任せを。」

「アズ……」

「リック様もいらっしゃいますし、今はサム様とカリ様の身の安全が優先です。」

「ああ、任せろ。客には俺から説明しておくから。みんなあんたの味方だぞ。」

「ありがとう……」

 

 

私はカリを連れて、街に紛れ込む。人を隠すなら、人の中へ。都市に入れば、見つかりにくいだろう。

 

これからどうしよう。

 

もうコルサントには行けない。店は完全にマークされるはずだ。私の店なのに、私は入れない。

 

アナキンはシスとして私を追ってくるだろう。最後に会話した時、アナキンは議長の手先だった。議長が私に敵意があれば、彼も必然と敵意を向ける。

 

現役じゃない私は、逃げなければ死ぬ。

 

19年、私は無力に生きるしかない。

 

 

サムの子供は……?

  • 父親(次章で登場)と一緒にいる。
  • カリと一緒にいる。
  • カーターと店にいる。
  • その他(活動報告や感想へ)
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