【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

45 / 109
死という静寂

コルサントに着いてすぐ、議長オフィスから通信が入った。映ったのはマス・アミダで、特別議会が開かれるからオーガナ議員に出てほしいというものだった。議員が参加する旨を伝えると、待っていると言われて通信が切られた。

 

通信が終わって、オーガナ議員が考えた答えは、“罠”だった。

 

だけど、映画でも目の前でもオビ=ワンが言う通り、罠じゃない。議長1人で何千という惑星は掌握できない。まず、元老院の力が必要だ。

 

その為の特別議会だ。

 

 

「特別議会が開かれるなら、その混乱に乗じてジェダイ聖堂に忍び込めまいかのぅ?」

 

 

警備も薄くなると、マスター・ヨーダは付け足す。

 

 

「オーガナ議員、お願いがあります。」

「何だね?」

「ライトセーバーのメンテナンスがしたいので、工具を貸していただけますか?」

 

 

私の言葉に、オビ=ワンは驚く。来てくれと言われて、私は嫌々行くようなものだった。でも、今は気持ちを切り替えるべきだ。

 

サマンサ・ホーガンではなく、ジェダイの友として。

 

 

「サマンサ、良いのか?」

「はい、マスター。」

「議員、サムに貸していただけますか?」

「もちろんだとも。」

 

 

議員の指示を受けた隊員に案内され、制御室近くの部屋に入る。目当ての工具を手に取り、私はヒルトのメンテナンスをする。ライトセーバーは現役の頃のように起動して、刃は緑に染まった。

 

そこで、隊員が何か連絡を受けていた。

 

 

「ええ…はい、了解です。」

「どうしたの?」

「行政区に着きました。貴女はマスター・ジェダイと格納庫へ。ご案内します。」

 

 

隊員に連れられ、私は格納庫に入る。

 

 

「お待たせ。」

「マスター・ジェダイ、議員は既に元老院へ向かわれました。武運を祈ります。」

「ありがとうキャプテン 、フォースと共にあらんことを。」

 

 

オビ=ワンは彼にそう言って、隊員はコックピットへ戻っていった。

 

 

「さて、行くか。」

「サマンサ、用意は良いか?」

「はい、いつでも行けます。」

 

 

3人で格納庫を出て、人目を避けて聖堂を目指す。まずガンシップの間を抜け、私とオビ=ワンの2人と、マスター・ヨーダの二手に分かれた。出方を考えながら、私は腰のライトセーバーに手を添える。

 

突入方法を考えていると、オビ=ワンが私の肩を叩いた。

 

 

「サム、馬鹿な真似はするんじゃないぞ。」

「そんなことしないよ。ちょっと囮になるだけじゃん。」

「それが馬鹿な真似と言うんだ。何を考えている?無謀すぎる。」

「私ジェダイじゃないし、交渉の余地はあるでしょ?」

「お前1人にそんなことさせるわけないだろ。」

「あ…!」

 

 

止める間もなく、オビ=ワンは出て行ってしまう。それと同時に、マスター・ヨーダも出てくる。マスターとオビ=ワンはクローンを相手に怯むことなく、次々に倒していく。

 

私も出て行き、2人に加勢する。

 

数が少なくなり、私達はクローン・トルーパーを巻いて聖堂に侵入した。

 

聖堂の中は、とても静かだった。

 

私が知るような、かつての静かな聖堂じゃない。本当に、何もない。静寂というより、沈黙だ。

 

奥に進んでいくにつれて、ジェダイの遺体が増えていく。

 

 

「っ!」

 

 

遺体の中によく知る顔を見つけて、私はその亡骸の脇に屈み込む。

 

 

「この子は……」

「マイクだよ。隣の子はセオドア。カリと同じクランの子。」

 

 

カリを連れてこなくて良かった。

 

この光景は見ない方がいい。聖堂への潜入のことだけじゃない。マイク達の遺体を直に見れば、カリの心は病んでしまう。

 

遺体を火葬してあげられないのは心苦しい。

 

 

「っ!」

 

 

そこで、あることに気が付いた。でも、気のせいだ。最悪なことを考えてはいけない。

 

 

「サマンサ、どうした?」

「いえ、何でもありません。」

 

 

オビ=ワンがメッセージを変え終わり、マスター・ヨーダは背を向ける。

 

でも、それをオビ=ワンが引き留めた。

 

 

「お待ちください。まだ、確かめることがあります。」

 

 

オビ=ワンは警備記録を開こうとする。

 

マスター・ヨーダは見ない方がいいと忠告するも、彼はシステムを立ち上げてホロ映像を流す。

 

 

「こんな馬鹿な……こんなことがっ……」

 

 

無惨な映像の後に、アナキンが“ダース・シディアス”に跪く映像が流れた。シディアスがアナキンを“弟子”と呼んでいるということは、アナキンが暗黒面に堕ちたということ。オビ=ワンはそれを見て、絶句していた。

 

彼は耐え切れず、警備記録を閉じる。

 

 

「シスを倒すのじゃ。何としてもな。」

「皇帝は、私がやります。アナキンは殺せません。」

「このシディアス卿、お前では無理じゃ。強すぎる。」

「アナキンは弟、殺せません!」

「オビ=ワン………」

 

 

あることを、言いかけてやめた。

 

今ここで、全てを話しても変わらない。

 

 

「サム……?」

「………やっぱいい。」

「オビ=ワン、お前はスカイウォーカーを止めるのだ。サマンサはわしと一緒に。お前の靄も晴れるはず。」

 

 

私達が離れようとすると、オビ=ワンが私の腕を掴んでくる。

 

 

「お前もアナキンを殺せと言いたかったのか?」

「あんたはアナキンに勝てても殺せないでしょ。」

「サム……!」

「怒ればいい。私に反論する資格はないから。ジェダイの使命から逃げた私に、アナキンを止める力はないんだから。」

 

 

そう言って、私は先に保安センターを出て行く。

 

オビ=ワンが合流する前に、マスター・ヨーダに言われたことがある。

 

それは、シディアスが私を危険視していること。私はジェダイでも、軍人でもない。そんな私を、なぜ危険視するのか不思議でならない。

 

店を続ける為にも、その疑問を晴らしたい。

 

さぁ、謎を解こう。

 

 

サムの子供は……?

  • 父親(次章で登場)と一緒にいる。
  • カリと一緒にいる。
  • カーターと店にいる。
  • その他(活動報告や感想へ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。