教えてくれた隊員は仕事に戻り、私はカリが待つ部屋へ向かう。
ノックすると、すぐに返事が返ってきた。
「カリ……」
「………」
「怒ってるよね。」
私がそう言うと、カリは私を見る。
「逆に怒ってないとでも?」
「ごめんね。でも、私が決めたことだから。」
「何を?」
「カリ、私が議長に会うって言っても、一緒に来た?」
ホロニュースの中継は、カリも見たはずだ。議長は共和国を再編して、帝国に変えた。議長は皇帝を名乗り、絶対的支配者になった。
私はその皇帝に会いに行ったんだ。
「どうしてわざわざ会いに行ったの!?危険すぎる!!」
「だから置いていったの。これは私1人の問題だった。カリを巻き込みたくなかったの。それに聖堂に入って、連れていかなくて良かったって思ったよ……」
カリは私が見たものを想像したのか、視線を逸らす。マイク達の遺体は見せたくない。私も、子供達が殺された光景を見たくなかったのだから。
「サム、気遣ってくれて嬉しいけど、もう危険な真似はしないで。私にはサムとリック、アズしかいない。家族なんだよ。」
「分かってる。もうあんなことはしない。待っててくれてありがとう。」
カリは私の目を見つめた後、抱き締めてくる。表情が見えないけど、腰に回された手が震えている。不安にさせていたと、少し後悔した。
そこで船が小さく揺れて、どこかに着陸したのを感じた。
着いたのはポリス・マサで、どのハイパースペース・レーンからも離れていて、隠れるには最適な場所だ。外縁部の、しかも小惑星帯にあるから、わざわざ探されたりしない。
隊員によれば、マスター・ヨーダとオーガナ議員はポリス・マサの施設内に入ったようだった。
カリとは和解できたけど、まだ話さないといけないことがある。
「カリ、聞いてほしいことがあるの。」
「何?」
「議長……皇帝に機密の中身を話した。」
「えっ!?」
「でも、話したのは表面的な部分だけ。もっと危険な話はしてないけど、中身を明かしても、私への敵意は変わらなかった。」
言いたいことを察したようで、カリの表情が翳る。
「私も帝国の危険人物リストに入るかもしれない。本当に、私とは行動しない方がいい。私と関係のあるあんたも、リストに入ると思う。私といて危険を招くよりは、一緒にいない方がいい。」
「サム………」
「私達は家族だよ。強い絆がある。それが私とあんたの強みだよ。」
「うん。分かってる。」
カリの隣に座り、落ち着いた後の私の予定を話した。
まず、身を隠す前に一度店に戻らなきゃ。
リックは〈ホーガ・フォレスト〉の全てを知らない。もしもの場合と、全幅の信頼を置くリックの為に、教えなければならないことがある。アズも、ツールの1つだ。アズと私のセットで成り立つものもある。
全てをリックに託そう。
「営業続けられるのかな……?」
「大丈夫だと思う。皇帝が警戒してるのは私だから。店はただの箱だと思ってるだろうし。」
その時、誰かがノックしてきた。
カリがドアを開けると、アンティリーズ船長だった。
「失礼します。マスター・ケノービが戻られました。」
「アミダラ議員は?」
「ご一緒です。」
私はその言葉を聞いて、一目散に医務室へ走った。
「サム!!」
カリも私の後を追い、走ってくる。
隊員達の視線には目もくれず、私はひたすら走った。
医務室の前に辿り着くと、既にオーガナ議員やマスター達がいた。医療ドロイドがパドメを診ていて、私に気付いた彼女はドロイドに何かを言っていた。そして、医療ドロイドが私達のところへ来る。
「サマンサ様、アミダラ議員が呼んでおられます。」
「私……?」
「サム、行くんだ。」
「………うん。」
オビ=ワンに促されて、ドロイドの横を通って中へ入る。
アナキンのことは、まだオビ=ワンに聞いていない。殺したかどうかも、私は知らない。でも、アナキンが生きていることは分かる。生きているけど、今は憎悪の塊だ。
パドメに何て言えばいいのか分からない。
「パドメ……」
「ここにいて……」
「私、何の役にも立たないよ。」
「お願いよ……」
私はパドメの手を取る。安心してもらえるように、と。でも、それが私を打ちのめした。
パドメの身体は、すごく冷たい。
何より、パドメはフォースが弱くなっている。
「サマンサ……?」
「ちょっとドロイドと話してくる。すぐ戻るよ。」
パドメに背を向け、医務室から出る。
涙目になっている私に、オビ=ワンは優しく声をかけてくる。
「サム……」
議員やオビ=ワン達は、ドロイドから話を聞いたようだった。つまり、パドメは死ぬ。分かっていたことだけど、目の前でパドメの死を見るのは辛い。
「サマンサ、議員の近くへ行くのじゃ。」
「はい……」
本来の筋書きなら、オビ=ワンが付き添うはずだ。だけど、パドメと友情を築いたから、その役目は私に回ってきてしまった。必然的に、最期の瞬間に居合わせることになる。
再び医務室に入り、私は診台の横に立つ。
医療ドロイドが陣痛促進剤を打ち、パドメの分娩が始まった。
パドメの苦痛を感じる。出産の苦痛だけじゃない。アナキンの変わり果てた姿を見たことも、苦痛の要因だ。
今の私にできることは、何もない。
サムの子供は……?
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父親(次章で登場)と一緒にいる。
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カリと一緒にいる。
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カーターと店にいる。
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その他(活動報告や感想へ)