時が経ち、カリはレスリーと共にサマンサを探し続けた。あれから半年が経ったが、手掛かりすら見つからなかった。事情を知ったカーターも協力して、カリに聞いた噂を教えた。だが、サマンサが見つかることはなかった。
そんなある日、進展があった。
アソーカはムスタファー発の帝国の通信を傍受していて、その中から2つの情報を得た。
1つは尋問官に対する命令で、何かを獲得せよというもの。座標が2つあり、片方はエズラとケイナン、ゼブに向かわせ、もう一方はアソーカ自身が向かうことになった。
そしてもう1つが、サマンサに関するものだった。
アソーカはカリに連絡をして、ガレルに呼び出していた。
「ママが見つかったの!?」
半年間カリにくっついているレスリーが、アソーカの答えに期待する。
だが、そう甘くはなかった。
「いいえ。レスリー、ちょっと外してくれる?」
「えー」
「難しい話だから、後からカリが説明するわ。」
「はぁい。」
レスリーは大人しく引き下がり、シャトルのコックピット内はカリとアソーカの2人だけになる。
「帝国の通信だけど、片方は何かを獲得せよというものだったわ。でももう1つの情報は、深刻よ。」
「何かあったの?」
「エズラ達が向かうのはタコーボだけど、サマンサはその隣の惑星で尋問官と対峙したそうよ。」
「どういうこと?」
「何か嫌な予感がするわ。解読した座標はタコーボだったから、サマンサはもしかしたらタコーボに逃げ込んだのかも。早くサマンサを見つけるべきよ。」
手が届きそうだと、カリは思った。
その情報を頼りに、カリはレスリーを連れて〈ファントム〉に同乗した。
〈ファントム〉の中では、レスリーがいることで賑やかな雰囲気になっていた。
「ぶはははっ!ケイナンがお兄さんだと?冗談はよせよ!どう見てもおじさんだろ!」
ゼブはレスリーの話に爆笑する。
〈ファントム〉がハイパースペースに入り、ケイナンは頭を抱える。もう少しの辛抱だと、ゼブとレスリーのテンションに我慢した。彼はレスリーを見て、ヴィザーゴを思い出す。
そういえば、ヴィザーゴも揶揄ってくるような奴だった、と。
「ケイナン、一目でママに気付いてもらえるかな?」
「やめなよ、レスリー。ケイナンだってママが分からないかもしれないんだよ?」
「カリ、俺は数回しか会ったことないんだぞ。」
「でもサムは姉弟子でしょ?」
「………」
「同窓会みたい♪」
「楽しくないね!!」
ケイナンは不貞腐れる。
そこで、ケイナンは仕返しだと言わんばかりにカリの同期について問う。
「あんたの同期はどうだったんだ?」
「私?仲良しグループだったよ。」
カリは既に殉職していると教え、今でも同期を思い出すと言う。
「2人がシスに殺されて、他のみんなもジェダイの粛清で殺されたけどね。」
「カリお姉ちゃん、寂しい?」
「寂しくないよ。レスリーもいるし、ケイナン達もいるから。」
やがて、ハイパースペースを抜け、〈ファントム〉はタコーボの軌道へと飛び出した。
ハンマー・タウンに降り、ケイナン達とカリ達はそれぞれ目的のものを探しに向かった。
混沌の時が迫っているとも知らずに………
────────
遡ること半月前。
タコーボの隣の惑星にて、真夜中に激しい争いが繰り広げられていた。
「っ……」
1人の女性を、赤いライトセーバーを握る尋問官が追い回していた。
「俺の素性を知って逃げられると思うなよ!!」
闇夜に向けて、尋問官は声を張り上げる。
尋問官の声に、女性はブラスターを撃つ。だが、それは1つも当たらず、回転する赤いライトセーバーに弾かれてしまう。彼女は唇を噛み、隠れていた屋上から移動する。
女性は屋根や屋上を跳び走り、ひたすら逃げた。
その途中、パロット・ドロイドの1体が現れ、彼女の行手を塞ぐ。
女性は考える間も無く、ブラスターでパロット・ドロイドを破壊する。
「かかったな。」
パロット・ドロイドを破壊したことで、尋問官は彼女の位置を特定する。女性は居場所が知られて、尋問官の闇の一太刀を受けてしまった。彼女は切られた肩を押さえて、大通りが見下ろせる屋根で立ち止まる。
「大人しく連行されるんだな。隠れたところで、すぐに見つけ出すだけだ。」
「私を捕まえたところで、何も変わらないよ。」
「変わるさ。カリ・ペレスやケイナン・ジャラスの士気が落ちる。そうなれば、殺すのが容易くなる。」
「あんたジェダイだったのに、何も分かってない。私を捕まえて士気が落ちる?あり得ないね。」
「本当に断言できるか?サマンサ・ホーガン。」
女性、サマンサは尋問官に是と言う。
彼女はカリをよく知っていて、間接的ではあるがケイナンのことも知っている。だからこそ、尋問官の期待を否定した。そして、尋問官の素性を知っているからこそ、彼の望みは叶わないと断言した。
「マスクを外しなよ。」
「………」
「マスクは無意味って知ってるでしょ?」
サマンサの言葉に、尋問官はマスクを外す。
「これで満足か?」
「私を心から憎んでるんだね。」
「そうだ。お前が憎い。」
「可哀想な人。」
「おい!!」
サマンサは背を向け、大通りを見下ろす。
「私を追うなら、覚悟した方がいい。」
「何だと……?」
「これ以上私を追い回すなら、何もかも失うことになるよ。」
「待て!!!」
サマンサは大通りへ飛び降り、闇夜に消えていく。
尋問官は追いかけて大通りを見下ろすが、サマンサを視認することはできなかった。大通りは高速レーンで、もしスピーダーに落ちていたとしても既に彼方だ。彼は上りと下りを見るが何も分からず、引き返すしかなかった。
その翌日、尋問官のムスタファー間でのやりとりがアソーカに傍受された。
事態は、誰も知らないところで進んでいるのだった。