それは、カリ達と合流する少し前のことだった。
タコーボに逃げ込んだ私は、尋問官が追ってきたのを感じた。脱出経路を探す最中、尋問官が1人じゃないことに気付いた。私を追う尋問官を含め、3人いる。
もう2人の方のフォースを探ると、微かに小さな光を感じた。まだ幼い、フォース感応力を持つ赤ん坊だ。タコーボと赤ん坊、尋問官、その3つで、私は15年間忘れていたことを思い出す。
もうそんな時期か。
そろそろ覚悟を決めないと。
「町を探せ!」
トルーパーは何かの命令を受け、散り散りになっていく。その隙を狙い、私はサード・ブラザーのTIEアドバンストに忍び込んだ。パネルを操作すれば、私の動きは帝国側に筒抜けになる。
でも、向こうの動きを知る必要がある。
「やっぱりか。」
情報を探したら、尋問官はやはり3人来ていた。もう2人はフォース感応力のある子供の誘拐が任務で、サード・ブラザーは私の連行が任務だ。私がタコーボを離れれば、サード・ブラザーも私を追って離れるはずだ。
エズラ達の負担も減る。
「………」
TIEアドバンストから出て、私はドッグから離れる。
一刻も早く逃げなきゃ。
「サマンサ!!」
ドッグから少し離れた住宅街で、懐かしい声に呼び止められた。
振り返ると、アソーカがいた。
「アソーカ、私に構ってる場合じゃないよ。」
「分かってるわ。でも、貴女の力も必要よ。これは、フォースの導きだと思うわ。」
「フォースの導きだと感じるのは分かるけど、私はまだ合流できない。」
「サード・ブラザーのこと?何を懸念してるの?」
その時、フォースの衝突を感じた。
カリとサード・ブラザーが戦っている。傍には娘のレスリーもいる。子供を抱えて戦うなんて無茶だ。
「まだ間に合うわ。一緒に来て。」
「分かった。」
アソーカと一緒に、私はカリ達の下へ走った。途中で現れたパロット・ドロイドは私が壊した。サード・ブラザーは、私の方から向かっていると気付いているはずだ。
だけど、カリは賢い。
カリは別ルートを進んでいる。
「アソーカ!こっち!」
「っ!!分かったわ!」
私が見つけるより早く、アソーカがカリ達を発見して、フォースを使い先に向かった。
さすが現役のフォースの使い手だ。
「見て。」
「久しぶり、カリ。」
「ママ!!」
追い付くと、真っ先にレスリーが抱き付いてくる。娘を抱き締めていると、サード・ブラザーが離れていくのを感じた。アソーカ達に合流したから、不利だと思ったらしい。
「アソーカ、先にエズラ達のところへ行って。こっちは大丈夫。」
「サマンサ……」
「大丈夫。私がサムを守るから。」
「頼もしいわ。」
「アソーカ!私は!?」
「貴女もよ、レスリー。」
アソーカはレスリーの頭を撫でた後、エズラ達の援護へ向かう。
私達も遠回りしながら、〈ファントム〉を目指す。
「あの………サム?」
「何?」
「怒ってない?」
「何が?」
「だって、前にサムは……」
そう、前回私は言い過ぎた。カリに、私達には無関係だと突き放した。反乱ネットワークに加わりたければ、好きにすればいい、と。
反乱組織に加われば、ジェダイをやめた意味がないのだから。
「あの時は言い過ぎてごめん。」
「分かってるよ。サムの気持ちは知ってる。でも、突き放さないでほしかった。」
「ごめんね、カリ。」
ドッグに辿り着き、レスリーはエズラを見つけて駆け寄っていく。
なんかカリより懐いてない?
「早く乗って!」
エズラに急かされ、私達は〈ファントム〉に乗り込む。
こんな時に言うのも違うけど、船内はすごく狭い。
「いた!アソーカはあそこだ!」
ドッグの外側で、アソーカは2人の尋問官と戦っていた。その戦いを見て、やっぱりアソーカは強いと思った。だって、彼女はクローン戦争の猛者だから。
尋問官はコテンパンにやられたものの、帝国の兵員輸送機が次々と現れた。
アソーカはジャンプしてきてハッチに捕まり、〈ファントム〉に滑り込む。
〈ファントム〉はすぐに脱出して、ハイパースペースに突入する。
「ママ!エズラだよ!それからサビーヌにチョッパー!」
「知ってるよ。」
「知っている?」
「ロザルの放送を聞いたし、ホロニュースも見たから。」
まぁ、嘘だけどね。本当はアニメを観てたから知ってるだけ。みんなは登場人物だけど、実際はどんな人間かは知らない。
「それで?なんでわざわざ私を探しに来たの?」
「貴女を追っていた尋問官の任務が気になったのよ。サマンサの情報を、反乱組織で使えないかしら?」
アソーカの言いたいことが分かった。私がマスター・ヨーダから預かった、ジェダイの機密を知りたがっている。それがあれば、シスに対抗できる、と。
「カリ?」
「ツタミニスより強い技があるんでしょ?だったら、暗黒卿や尋問官に、」
「ダメ。教えられない。」
「なんでだよ!?」
「エズラ、仮にツタミニスを教えたとしてもそんな難しい技、誰にも扱えない。」
幻影だって簡単に言うけど、ツタミニス以上に危険だ。下手すれば死ぬこともある。あの情報で学んで扱えるとしたらマスター・ヨーダか、スカイウォーカー家の誰かくらいだ。例外を言えば、未来で登場する皇帝の孫のレイくらい。
私だって、難しすぎる。
「サム、お願い。」
「使えるならとっくに使ってる。それから、ちょっと寄ってほしいところがあるんだけど……」
操縦するケイナンに頼み、私はとある人に連絡してもらい、座標を教える。
その座標は、惑星オルデランだ。
預けたものを取りに行かなきゃ。