当然といえば当然、惑星オルデランの軌道には軽クルーザーがいた。
だけど、オーガナ議員の協力の下、議員の遣いの者が来てくれた。
議員の遣いのシャトルは〈ファントム〉とドッキングして、私が1人で上のシャトルへ上がる。
「アンティリーズ船長!!」
「お久しぶりです。元気そうですね。」
「ありがとう。遣いって、アンティリーズ船長のこと?」
「はい。議員と、マスター・ケノービからお預かりしてます。」
アンティリーズ船長が手渡したのは、私が議員に預けたカイバークリスタルと、オビ=ワンが議員に託したライトセーバーのパーツ達だ。
最初はクリスタルだけ取りに行くつもりだったけど、オーガナ議員は何年か前にオビ=ワンに会ったらしい。その時にパーツを受け取っていたと、船長から聞いた。
「ありがとう、アンティリーズ船長。気を付けて帰ってね。」
「はい。貴女もお気を付けて。」
〈ファントム〉に戻り、ドッキングを解除して、私達はフェニックス艦隊のいるガレルを目指す。
私は疲れすぎて、1人隅で眠りに落ちてしまった。
気が付くと、保護したアイソリアン達とエズラ、サビーヌも眠っていた。カリもレスリーを抱き抱えて眠っている。起きているのは、操縦するケイナンとアソーカだけだった。
「あら、起きたのね。」
「大丈夫か?」
「私は平気。操縦代わるから、ケイナンも休みなよ。」
「俺はいい。それに、あと少しで着くしな。」
かなり寝ていたようで、ハイパースペースから出るとガレルだった。
〈ファントム〉は〈リベレーター〉のあるドッグに降りて、私もカリ達の後に続いて船を降りた。
子供とアイソリアンは反乱組織が保護することになったようで、エズラが率先して向かい、それにレスリーやサビーヌが付いていった。船を降りて早々、カリが急ぎで話があると言う。
私とカリは、ドッグの隅で向き合う。
「サムを追ってる尋問官、あれは誰なの?」
やっぱり聞かれると思った。
あの尋問官の性格上、素性を自分から明かすことはないだろう。寧ろ、カリが自ら事実を知って苦しむことを望んでいる。
否、あの尋問官はこの状況を楽しんでいる。
「あの尋問官の狙いは私。だから気にしなくていい。いずれは決着をつけなきゃいけなかったし。」
「でも、」
「あんたは関わらない方がいいの。」
「話を聞いてよ!」
「………」
「気にしなくていいって……サムが危険なのに……黙ってられるわけないじゃん!」
カリの表情に、思わず目を逸らす。
強引に突き放しでもしないと、カリは私を守ろうとする。
この子は私と違って、帝国と戦う為に訓練を続けた。対する私は、逃げてきただけ。それはカリも知っている。
戦えない私だから、カリは守ろうとするんだ。
「この件はもう触れないで。私が何とかするから。」
「サム!!」
カリを置いて、私は〈リベレーター〉へと戻る。
いつかはバレることは分かってる。でも悪い状況になると分かっているのに、カリに話すことはできない。最悪、カリは死ぬかもしれない。
私のせいでカリを失いたくない。
アソーカに声をかけ、私は彼女の案内でコマンダー・サトーに挨拶した。
アニメでよく観たけど、実際はどういう人か分からない。確かなのは、反乱組織で重要な人物だということ。帝国にも注視されるような、すごい人だ。
「コマンダー・タノから聞いているだろうが、協力してもらえまいか?」
コマンダー・サトー本人から、改めて協力を要請される。
だけど、私の答えは変わらない。
「ジェダイとして手を貸すことはできません。私はあくまでも民間人です。それでも良ければ……」
「ああ、構わない。よろしく頼む。」
私が反乱組織に加わって、店にどんな影響が出るのか分からない。反乱組織に入って帝国と戦うか、熱りが冷めるまで身を潜めるか。どっちが近道なんだろう。
どちらにしても、まだ店には戻れない。
「ママ!」
「レスリー、どうしたの?」
〈リベレーター〉から降りると、レスリーが私の手を引いてくる。
「え、何?」
「早く早く!」
レスリーに引っ張られ、私は近くにいたシャトルに連れて行かれる。
そして、私は固まった。
「よぉ、サム。」
「レスリー?」
「パパに会いたかったでしょ?」
「わざわざ呼んだわけ?」
「こうでもしないと、ママは永遠にロザル行かないじゃん。」
そう、目の前にいるのはレスリーの父親で、私の旦那、シカトロ・ヴィザーゴだ。
レスリーがわざわざ呼んだらしい。
「喧嘩別れのまま、二度と会えないのは俺も嫌だからな。」
「トリー、私に死ぬ気はないから。」
“トリー”
それは、愛称だ。“シカトロ”という名前の後ろ部分を使い、私が勝手に愛称にした。本人は嫌がるけど、変える気はない。
「死ぬ気なんか関係ねぇ。お前達ジェダイはすぐ危険に飛び込むんだ。俺やレスリーの気持ちも考えろ。」
「私ジェダイじゃないってば。」
「俺からすれば似たようなもんだ。」
その言葉に口を噤むと、彼は謝ってくる。
「為人を決めるのは、他者だ。周りが俺を犯罪王と見るように、お前はジェダイだ。」
「怒るよ?」
「悪かったよ……だが、会えて良かった。」
「心配かけてごめん……落ち着いたらちゃんと会いに行くよ。」
「仲直りした?」
「うん、したよ。ありがとう、レスリー。」
レスリーは嬉しそうに〈リベレーター〉に戻っていく。
「約束だからな、サム。」
「分かってる。」
そう返すと、彼は私の髪にキスをして踵を返す。
「そうだ、サム。レスリーを叱っておいてくれ。」
「なんで?」
「俺を“一本角”って言いやがるんだ。」
「間違ってないでしょ?」
「お前のせいか!」
注意はしておくと約束して、旦那であるシカトロ・ヴィザーゴは去っていった。
前の世界で、デヴァロニアンの角を切るのは指詰めと同義なの?とか、SNSで言われてたな。確かに粗相をしたデヴァロニアンは角を切ってる。本当はどうなのか、私も知りたい。
私は角がないから、そこのところ気になる。
さて、レスリーに注意してこよう。