【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

56 / 109
運命の悪戯では済まない再会

ガレルに来てすぐ帝国軍が現れ、フェニックス艦隊は余儀無く逃走を強いられた。

 

レスリーは帝国軍が来る前にロザルに戻っていて、良いタイミングだったと安堵した。

 

エズラとケイナンはブリッジャー夫妻を探しに行き、ヘラ達や〈リベレーター〉はロザル星系から離れることになった。私はアソーカを頼り、ずっと願っていたことを成した。シャトルで辺境の惑星へ行き、探していた船を見つける。

 

 

「入らないの?」

「………入る。」

 

 

深呼吸して、私はドア横のパネルを押す。

 

 

「………」

「おい、マジか………」

「大丈夫か………?」

 

 

私がドアを開けた途端、船の中が静まり返った。

 

そう、私は〈ホーガ・フォレスト〉に来たのだ。一度で良いから、店に戻ってもう1つの家族に会いたかったんだ。リックとは、もう何年も会っていない。

 

それと、アソーカに現状を説明する為に、あるものを見せる為に来た。

 

 

「サム!?ここで何をしてる!?」

「何って、家族に会いに来たの。」

「おいアソーカ!なんで止めねぇんだよ!」

「サマンサの願いよ。それに、この店はサマンサのものでしょう?」

「そうじゃなくてな……全く、あんたらは身の程知らずだな。」

 

 

そう言いながらも、リックは飲み物を出してくれる。

 

 

「リック、老けたね。」

「うるせぇ。キファーのあんたがおかしいんだよ。レスリーは元気か?」

「元気だよ。この前叱ったら、文句言いながらもロザルに戻っていったよ。」

「程々にな。レスリーは寂しいだけなんだ。」

「分かってる。」

「それで?ただ戻ってきたんじゃないんだろ?」

 

 

私は、以前リックに預けたホロクロンの残骸を出すように頼んだ。リックに教えられて、私とアソーカはコックピットの隠し棚から、ホロクロンの残骸を取り出す。そしてアズを呼び出し、これもまたアズに持たせていたメモリークリスタルを出させた。

 

 

「それがマスター・ヨーダから預かったという情報?」

「………うん。」

「私に見せていいの?」

「アソーカやケイナン達には知ってもいいものなの。でも、シスに知られたら厄介なことになる。」

「なぜ厄介なの?」

「これが理由。」

 

 

コックピットでシステムを立ち上げ、隠していた仕掛けが姿を現す。その仕掛けは、私とリックにしか開けないものだ。ホロクロンの残骸をフォースで組み立て、残骸の一部は床に嵌める。

 

それから、メモリークリスタルを中心に浮かべて情報を開く。

 

クリスタルが映し出す情報に、アソーカは険しい表情になる。

 

 

「カリは知ってるの?」

「まだ教えてない。カリはサード・ブラザーと関わろうとしてる。もし尋問官に知られたら、ヴェイダーや皇帝に伝わってしまうから……」

 

 

情報を閉じて、私はクリスタルを手に取る。

 

 

「アズ」

「はい、サム様。」

「引き続き持ってて。」

「畏まりました。」

 

 

そう言い、アズは店に戻っていく。

 

 

「サマンサ、サード・ブラザーが誰か知ってるのね?」

「………逃げ回る内に、たまたま知っただけ。」

「だからあのサード・ブラザーに執着されているの?」

「そう。アソーカも知らない方がいい。あいつのターゲットは私だけだから。」

 

 

私とアソーカは店を出て、シャトルへと戻る。

 

しばらくは来られない。店の常連達は寂しがっていたが、帝国がある限り私は店に入れない。また熱りが冷めてから来ないといけない。

 

〈リベレーター〉に戻り、私とアソーカはブリッジへと入る。

 

すると、ブリッジ内の空気がなぜか重かった。

 

 

「どうしたの?」

 

 

私が聞くと、オペレーターの1人が言いにくそうに口を開く。

 

 

「実は……ペレスさんが無断でAウィングに搭乗しまして………」

「今なんて………?」

「何でも、尋問官を探しに行くと聞かなくて………我々はコマンダー・サトーの許可がないと止めたのですが………」

 

 

カリはサード・ブラザーを探しに行ったんだ。最悪な事態だ。サード・ブラザーの憎しみは計り知れない。嫌な予感がする。

 

 

「サマンサ……」

「私が追い掛ける。アソーカは反乱軍にいて。」

「気を付けて。カリを見つけたらすぐ戻るのよ。」

「分かってる、すぐ戻るよ。」

 

 

私はハンガーに走り、シャトルに乗り込む。

 

どうか間に合ってほしい。カリはサード・ブラザーの正体を知るべきじゃない。もし知れば、サード・ブラザーと戦えなくなる。

 

〈リベレーター〉を離れて、私は急いでハイパードライブを起動させる。

 

カリ、絶対にサード・ブラザーを見つけないで。

 

────────

 

一方その頃、サマンサの願い虚しく、カリはサード・ブラザーと対峙してしまっていた。

 

場所はナブー星系の隣の星系にある惑星だった。帝国軍はいなくて、サード・ブラザーが1人でカリを待ち受けていた。カリもサード・ブラザーの思惑通りと知りつつ、1人で来ることを選んだ。

 

 

「やはり来たか。」

「なんでサムを狙うの?力のない人を追い回して楽しい?」

「はぁ?ホーガンから何も聞いてないのか?」

「何のこと?」

「知らないから来たんだよな。」

 

 

サード・ブラザーは赤いライトセーバーを起動させる。

 

 

「俺が憎いんだろ?ホーガンを狙う俺が。負かしてみろよ。」

「言われなくても戦うよ!!」

 

 

カリもライトセーバーを起動させ、思いっきり跳ぶ。ライトセーバーを振り下ろし、サード・ブラザーはそれを容易く防御する。防がれたカリは刃を引き、今度は下から切り上げた。

 

だが動きは読まれていて、カリはサード・ブラザーにフォース・プッシュされる。

 

カリは難なく受け身を取り、そのまま間合いを保つ。

 

 

「そろそろ俺を思い出したか?」

「あんたなんか知らないよ!」

「本当に鈍いな。俺はホーガンとお前を、1日たりとも忘れたことがないんだぞ。」

「私にダーク・サイダーの友達なんかいない!」

「仕方ない。答え合わせだ。」

 

 

サード・ブラザーはライトセーバーを収め、彼はマスクを外した。

 

その素顔に、カリは激しく動揺する。

 

 

「嘘………」

「嘘じゃない。俺は生きている。」

「そんなはずない!!」

「誰から聞いた?ホーガンか?嘘を吐いたのは奴だ。」

「なんで……?」

 

 

カリの頬に、涙が流れる。

 

 

「モダル………!!」

 

 

サード・ブラザー、もといモダル・ケリーは不気味に笑う。

 

生きていた同期のモダルに、カリはその事実を否定する。

 

だが、現実は無慈悲だった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。