【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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心の距離

カリの下へ追い付いた時には、何もかもが遅かった。

 

サード・ブラザーは正体を明かし、カリの心は悲鳴をあげている。

 

 

「カリ!!!」

 

 

私が呼んでも、カリは振り向かない。

 

 

「随分遅かったな。今のお前と戦ってもつまらないだろう。またな、カリ。」

「モダル!!」

「ホーガン、後悔するといい。」

 

 

サード・ブラザーは背を向け、TIEアドバイストに乗って去っていく。

 

サード・ブラザーは最初から戦う気はなかったんだ。狙いはカリじゃなく、あくまでも私。カリの心を混乱させ、私から離す気だ。

 

 

「カリ」

 

 

また声をかけるけど、カリは私を無視する。

 

 

「カリ、ここを離れないと、」

「私に嘘を吐いたの……?」

「お願い、聞いて。」

「なんで嘘を吐いたの?みんな死んだって、サムは言ったよね?」

 

 

振り向いたカリの目は、私への失望に満ちていた。

 

確かに死んだと言った。でも、私はジェダイ聖堂で違和感を無視した。モダルの遺体がなかったのに、何かがおかしいと思ったのに、なかったことにして気付かないふりをした。

 

 

「まだ隠してることない?お願いだから言ってよ。」

「………マイク達を殺したのは………ヴェイダーやクローンじゃない。」

「え……?」

「逃げようとしたマイク達を、モダルが殺した。」

 

 

最初にジェダイの使命から逃げた私を恨み、モダルは聖堂の危機で逃げようとした同期を私と重ねた。それがきっかけでヴェイダーの目に留まり、尋問官になったんだ。その後も、モダルは私を恨み続けた。

 

モダルは、私に置いていかれたと思っている。私がモダルやマイク達を連れていかなかったから、悲惨な運命を迎えた、と。

 

でも、ジェダイ・オーダーを去るのは自分の意思で決めることだ。

 

カリも、自分の意思でジェダイをやめたんだ。

 

 

「ジェダイ・オーダーを去った私を恨んでる。モダルは逃げるマイク達を、私と重ねたの。」

「でも…!それはサムの見解でしょ!?」

「本人がそう言ったんだよ。」

「っ……」

「カリ!!」

 

 

カリは私の制止を聞かず、Aウィングに乗り込む。急いで窓を叩くけど、カリは一向に降りてこない。止むを得ず舵をフォースで抑えると、ようやく私に口を開いた。

 

 

「離してよ!!」

「危険なことはしないで!」

「サムが言えること!?家族だと思ってたのに!サムはずっと私に隠し事をしてたんだよ!?それで危険な真似はするなって、いつまでも私を子供扱いしないでよ!!」

 

 

カリは強引に舵を押して、行ってしまった。

 

私はその場に座り込み、拳を握り締める。

 

カリには知ってほしくなかった。あの子を思ってのことだった。こんなことになるなら、私が逃げずにモダルと戦えば良かったんだ。

 

後悔先に立たずとは、このことだ。

 

私にできることは、1つしかない。

 

 

「カリ………」

 

 

シャトルに乗り込み、エンジンを立ち上げる。

 

私ができるのは、一刻も早くモダルを見つけること。カリより先に見つけて、モダルを拘束できれば、あの子を助けられる。今の心理状態で、カリはモダルと戦えない。だから、私が先に接触するしかない。

 

これは、カリを受け入れた私の責任でもある。

 

〈リベレーター〉に戻ってすぐ、私はフェニックス艦隊から離れて別行動をした。

 

私がいるせいで、反乱組織に迷惑はかけられない。

 

そんな中、カリを探し始めて3日後に知らない周波数から通信を受けた。

 

無視をしていたけど、通信機は何度も受信を知らせた。相手が誰であろうと、出るつもりはない。今はカリが最優先なのだから。

 

 

「しつこいな……」

 

 

通信機を壊そうと、まず受信音を切ろうとする。

 

ところが、隣の接続ボタンに触れてしまい、通信が繋がってしまった。

 

 

『ちゃんと生きてるか?』

 

 

ホログラムに映った人物に、私は思わず睨む。

 

 

「ヴォス、死にたいの?」

『死ぬ気は更々ねぇよ。何イライラしてんだ?』

「誰のせいだと思ってんの?」

 

 

映った人物、クインラン・ヴォスを睨み付ける。

 

ヴォスと会ったのは、オーダー66が発令される前のホロ通信越しが最後だ。

 

 

「なんで私の連絡先知ってるわけ?」

『カーターに聞いたんだ。それよりも、何があった?お前の妹分がえらくご立腹だぞ。』

「カリに会ったの!?」

『連絡寄越してきたのはあいつだ。』

「待って、ずっと繋がってたの?」

『おう、何度も助けてやったからな。そんなことより、カリに何したんだ?』

 

 

仕方なく、ヴォスにサード・ブラザーの話をする。ヴォスはどこか納得したように、カリと話したことを教えてくれた。その内容に、私も腑に落ちた。

 

 

「フォースの絆を断つ方法を教えたってわけ?」

『ああ。お前の話を聞くと、ケリーとお前両方から感知されないようにする為みたいだな。』

「カリを見つけられない理由が分かったよ。」

『フォースに頼らず、カリのことを考えて探せ。お前らは家族だろ。カリを信じろ。』

 

 

私はカリを信じてる。

 

それでもまだ、ヴォスは私がカリを信じていないと見ている。

 

 

「私はあの子を信じてるよ。」

『そうか?ならなぜ、カリは離れていった?お前がちゃんと信じてないからだろ。カリを子供扱いしてねぇか?あいつも大人だ。昔付いてきた子供じゃなく、1人の人として向き合え。』

「………」

『なんだよ?』

「ヴォスが真剣すぎて怖い。」

『真面目に聞け。』

「聞いてる。」

 

 

ヴォスの言葉はひどく胸に刺さった。

 

カリを突き放していたのは、私の方だ。カリは成長したのに、昔と同じ接し方をしてしまった。守るべき存在だと。

 

カリは自分の身を守れる。

 

分かっていたけど、私はそれが見えなくなっていた。

 

 

「ヴォス、行き先は聞いてる?」

『………オンダロンだ。』

「教えてくれてありがとう。」

 

 

気を付けろ、とヴォスは声をかけてくる。

 

通信を切り、私はオンダロンの座標を入れる。

 

これは、私だけの問題じゃない。私とカリ、それからモダルの3人の問題だ。カリだけじゃダメだ。モダルも止めないといけない。

 

カリの為に、できることをしよう。

 

例えそれが、危ない橋だとしても………

 

 






クインランかっこいいよねw
型破りだけど、かっこいいよねw
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