何ヶ月も探して、ようやく進展があった。
基地を探すエズラ達とは別で、私はカリを探し続けた。アソーカにも頼らず、私1人で。誰にも頼らない。
進展があったのは、〈ゴースト〉に連絡があったからだった。
連絡を寄越したのは、サード・ブラザー。
通信というわけではなく、一方的なメッセージの送り付けだ。
『サマンサ・ホーガン、お前の大事な妹は弱いな。だが、目的はあくまでお前だ。カリは生かしておいてやった。グリー・アンセルムに来い。ただし、長くは待てないぞ。』
メッセージはそこで終わり、私は拳を握り締める。
サード・ブラザーの伝言を教えてくれたヘラは、心配そうに私を見る。
「サマンサ……」
「……行ってくる。」
「アソーカが戻ってからの方が、」
「待てない。私が行かないと、カリが殺される。」
「ケイナンから聞いたけど、貴女ずっと戦ってないんでしょう?危険よ。」
「私は大丈夫。」
ヘラにお礼を言って、他の人に言わないように頼んだ。
シャトルに戻ってドッキングを解除した後、私はすぐに座標を入力する。ハイパースペースに入った後、私はオートパイロットに切り替える。それから、カイバークリスタルとパーツを取り出した。
そして、私はライトセーバーを作り直す。
戦う気はないけど、カリを助ける為だ。
「できた。」
初心に戻ったような気がする。
ジェダイには戻りたくない。私にジェダイの生き方は向いてないのは分かってる。だから店を始めたんだから。
でも、フォースとの繋がりは消えない。
何度離れようとしても、私を引き戻そうとする。
覚悟を決めなきゃいけない。フォースの導きだけじゃない。危険な橋を渡る覚悟も必要だ。
────────
モダルがメッセージを送った後、カリは気絶から目を覚ました。
カリは拘束され吊るされていることに気付き、手元を見上げる。次いで下を見下ろし、眼下に海があることに動揺した。なぜなら、もし落とされたら片足が使えず溺れ死ぬからだ。
戦いの末、カリはモダルに敗れて、右の脚をライトセーバーで貫かれていた。戦いで体力も少なく、長く泳くことはできない。水中で息も止めなければならず、リブリーザーもない。
カリは傍らに目を向け、モダルを呼ぶ。
「なんで私を殺さなかったの……?」
「ホーガンを呼ぶ為だ。お前の危機なら必ず来る。」
「来るわけない……絶対に来ない!」
「なぜ断言する?」
「サムを突き放したんだよ。フォースの絆も断った。傷付けたのに、来るはずないでしょ。」
カリは、サマンサを突き放したことを後悔していた。助けは望んでいない。しかし、サマンサの心を傷付けたと思って悔いていた。
「分からない奴だな。ホーガンは来る。お前を逃がす為なら、帝国領にも来るさ。」
「帝国領……?」
「ここ、どこだと思う?」
モダルに聞かれて、カリは辺りを見回す。
2人がいるのは、帝国の軽クルーザーが軌道に常駐している海洋惑星だった。その名も、グリー・アンセルム。ノートランの原住惑星だ。
ノートランの元老院議員は銀河帝国の熱烈な支持者な為、グリー・アンセルムは帝国の占領下にある。
そして、2人は海上に浮かぶゴザンティ級クルーザーの背面にいた。カリは背面から伸びるクレーンに吊るされ、モダルは彼女のすぐ近くの淵に立っていた。トルーパーはおらず、外にでているのは2人だけだった。
「このグリー・アンセルムは、ノートランの原住惑星だ。戦いを知らないホーガンに勝ち目はない。水中戦なら、確率はもっと下がるな。」
「モダル、誰から授業を受けたと思ってるの?私にジェダイの技を教えたのはサムだよ。サムを見縊らないで。」
「だが、妹分のお前は俺に負けただろ。」
モダルの言葉に、カリは悔しさに唇を噛む。
「暗黒面に踏み込めば、簡単に生きられるのにな。」
「最低。」
「セオと同じことをほざくか。」
「え……?」
同期の名前に、カリは眉を顰める。
「あいつも、暗黒面に踏み込んだ俺を軽蔑した。暗黒面の何が悪い?ジェダイは力を拒みすぎる。」
「ジェダイは力を求めない。力に固執して暗黒面に頼っても、良い結果は得られない。そう教わったでしょう。」
「暗黒面に踏み込んだから、こうして生きている。聖堂が襲われて、死を悟った俺は暗黒面を選んだ。セオとマイクを拒んでな。」
同期の2人の名前に、カリはサマンサの話を思い出す。サマンサは、モダルが2人を殺したと言った。それを、本人が言ったとも話していた。
真偽を確かめる為、カリは意を決する。
「本当に…マイクとセオを殺したの……?」
「ああ、殺した。」
「なんで……?」
「なんで?そんなの、俺が助かる為に決まってるだろ。じゃなきゃ、俺がヴェイダー卿に殺されていた。」
どこまでも身勝手な元同期に、カリは怒りを覚える。
「暗黒面に踏み込むか?大歓迎だぞ。」
「絶対にっ……しない!」
「そうか、残念だ。」
カリは抵抗しようとするが、カフが電気を帯びて彼女の体力を奪うだけだった。
「まぁ、来ても来なくてもいいけどな。」
「何言ってんの……?」
「俺はヴェイダー卿から、ホーガンとお前のことを一任されている。奴が来なければ、高値で売り飛ばす。お前がトワイレックの価値をよく知ってるだろ?」
「この……人でなし!!」
「黙ってホーガンが来るのを願うんだな。」
モダルはそう言い、カリのライトセーバーをフォースで分解して、海に投げ捨てる。カイバークリスタル共々、海の底へ落ちていき、カリは心が折れそうだった。彼女は、何もできない自分を責め続けた。
やがて、空に雲が覆い始める。
迫り来る嵐に、モダルは笑みを浮かべるのだった。