サマンサが意識を失った後、カリは痛む身体を無理矢理動かした。
ショート寸前のライトセーバーで、向かってきたモダルのブラスターを壊し、カリはそのまま彼をフォース・プッシュする。波も相まって、モダルはゴザンティ級クルーザーから遠く押し流されていった。カリはサマンサを抱えて海上へと出て、クルーザーを登り右翼にサマンサを寝かせる。
「サム!サム!!」
完全に意識を失っているサマンサは、一向に目を覚さなかった。
カリはまたサマンサを抱き上げ、彼女の乗ってきたシャトルに乗り込む。脚を引き摺りながらコックピットへ行き、ハッチを閉めてシステムを立ち上げた。シャトルは浮上していき、グリー・アンセルムの軌道へと出る。
軽クルーザーは命令がない為攻撃はしてこなかった。
その混乱に乗じて、カリはハイパースペースに入った。
それからすぐに、カリはある人に連絡をする。
「サムを助けて!!」
通信の相手は事態を察して、連絡を切る。
シャトルは何もないセクターに出て、カリは泣きながら迎えを待った。
やがて、一隻の船がハイパースペースから出てきた。その船、〈ホーガ・フォレスト〉はハッチを開け、シャトルを牽引して格納庫に引き寄せた。格納庫に入った後、カリはハッチを開け、船内にアソーカとカーターが駆け込んでくる。
アソーカはサマンサを診て、生きているとカリとカーターに教えた。
カリはカーターに背中を摩られながら、サマンサの無事に安堵する。
「アソーカ、セヴァー・フォースって知ってる……?」
「サマンサが使ったの……?」
「どういうこと……?」
アソーカは言葉を詰まらせる。
言っていいものだろうか。だが、サマンサはカリの前で使い、サード・ブラザーからフォース感応力を永遠に奪った。
考えた末に、アソーカは2人に教えることにした。
「セヴァー・フォースは、今では使われていないジェダイの技よ。貴女が見た通り、暗黒面に堕ちたフォース感応者に対して使うものなの。」
「つまり、サムは尋問官を倒したのか?」
「いいえ、倒したとは言えないわ。フォース感応力を奪うだけだから。」
「………」
「今はとにかく、サマンサを〈リベレーター〉に運びましょう。大丈夫よ、カリ。」
カーターがサマンサを抱えて、個室に連れていき寝台に寝かせる。
〈ホーガ・フォレスト〉はハイパースペースへ入り、反乱組織のいるセクターを目指した。
カリはサマンサの部屋に残ろうとしたが、カーターは怪我をしていると言ってそれを許さなかった。さすがの彼女もカーターの言うことを聞いて、かつての自室でアソーカに手当てされた。
サマンサの看病はカーターがして、カリの手当てを終えたアソーカはコックピットへ戻っていった。
その後、〈リベレーター〉でサマンサは医療ドロイドに診察されるが、一向に目を覚ます様子はなかった。
医療ドロイドに唯一分かることは、サマンサが夢を見ているということだけだった。
────────
目を開くと、私は誰もいないジェダイ聖堂にいた。
どうやら死んだわけじゃないらしい。もし死んでいたら、こんなにはっきり意識はない。恐らく、精神世界のようなものだ。
現実じゃないと分かるのは、ジェダイ聖堂のお陰だ。
だって今のジェダイ聖堂は、
『誰かいますー?』
気配すらない。
私は聖堂の中を歩き回り、最高評議会の間にも行ったけど誰もいなかった。もっと言えば、公文書館の本も真っ白。データバンクも空っぽだった。
正直言って、意味が分からない。
仕方なく聖堂を出ると、もっと驚いた。
コルサントにも、人っ子一人いない。つまり、この銀河には誰もいないということだ。私1人、私だけしかいない。
何も感じないから、虚しさを感じる。
『ずっとこのまま………?』
そんなの嫌だ。
トリーにも会いたいし、レスリーにも会いたい。アソーカやケイナンにも会いたい。カリやリックも、家族だ。
寂しい。
とても寂しい。
『サム』
懐かしい声が、私を呼ぶ。
振り返ると、クワイ=ガン・ジンが立っていた。気が付けば私は聖堂に戻って、最高評議会の間にいた。クワイ=ガンは評議会の椅子に座り、私は唖然となって見つめる。
『私、やっぱり死んだんですか?』
『まだ死んではいない。お前は決断しなければならない。だからここにいる。』
『決断って、何を……?ここは何ですか?なぜ貴方がここに……?』
『この世界が好きなお前には、理由が分かるはずだ。』
クワイ=ガンに言われて、私は考える。
たぶんだけど、クワイ=ガンは私が転生者だと知っていて聞いている。それに、私がクワイ=ガンのことを知っているのも前提だ。
そして、クワイ=ガンがいるということ。
ここは、時間軸も世界も歪んでいる。
『貴方は、死後も自我を保つ修行半ばで亡くなった。それに、まだ旅の途中………マスター・クワイ=ガンと会えたのは、私が昏睡状態で、貴方がまだ旅を終えていないから。』
『正解だ。だが、まだ問いが残っているだろう。』
『私は何を決断するんですか?』
決断する必要があるからここにいる。クワイ=ガンはそう言った。でも、何を決断するのか分からない。
『お前は、ジェダイでもシスでもない。だが、セヴァー・フォースを使った。グレーの存在であるサム、お前は決断しなければならない。ジェダイとしての生き方を受け入れる決断をするんだ。』
『それは………』
『〈ホーガ・フォレスト〉………パトリック・カーターやカリ・ペレス、アズルナ20、娘のレスリー。彼らが大切なのは知っている。彼らも己の運命を選び、決断しているのだ。だが、お前は分岐点で止まったままだ。』
私は、みんなが大事だから戦っている。私なりのやり方で。セヴァー・フォースは、その手段の1つのつもりだった。
私は、あの技を知っていただけ。
マスター・ヨーダから情報を受け取り、家族を守る為に使った。
だけど、私はあの技の重さを分かっていなかった。
フォース感応力を奪うということは、モダルの運命を変えるということ。いや、モダルだけじゃない。あの子によって起きる運命を変えるということだ。
だから私は選ばなければいけない。
私が選ぶのは────────
「いったああああいっ!!」
気が付いたらベッドの上にいて、私は点滴に繋がれていた。
起き上がったら足が毛布に引っ掛かり、ベッドの下に落ちてしまった。
「今度こそ誰かいるっ!?」
私の叫び声に、建物内の人達が慌ただしく動くことになるとは、私自身は知る由もなかった。
呆れ果てるケイナンに怒られたのは、また別の話だ。
時間軸ぐちゃぐちゃすぎるw