【完結】退職(無断)したので、飲食店やります。   作:夭嘉

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ファミリー集合前夜

アトロンから撤退した後、私達は帝国軍のいないセクターで身を潜めていた。

 

そして、私はフェニックス艦隊の面々に潜入の理由を明かした。

 

 

「つまり、あんたは情報を探る為に潜入したってことか?」

「そう。」

「サード・ブラザーは敵だろ?なんで追うんだ?」

「モダルに関しては、私があの子をただの人にしたから。」

 

 

私が潜入した主な理由は、モダルの情報と、機密情報を探す為だ。カラスの手助けもする為でもあったけど、どうせなら帝国の情報も盗もうと考えた。計画は上手くいって、カラスは脱出できたし、何とかモダルの所在も知ることができた。

 

ただ、モダルの件に関しては芳しくない。

 

モダルはヴェイダーに用済みとされ、私がフォース感応力を奪ったせいで研究所送りにされている。もしセヴァー・フォースの仕組みを知られたら、後々大変なことになる。ダークサイダーがジェダイを無力化する術を知ったら、銀河に未来はない。

 

全部私の責任だ。

 

そのことを、私は後悔の念と共に説明した。

 

 

「まさか助ける気?サマンサ、冗談だろ?」

 

 

エズラの言葉に、私は口を噤む。

 

助けたいというのが本音だ。だけど、今はもうモダルが生きているのを感じない。潜入時は生きていたけど、今は死んでいる。何も感じないんだ。

 

 

「できれば助けたかったけど………もう助けられない。」

「え…?」

「帝国に“処分”された。実験に耐えられなかったって、スローンの船で情報を見つけた。」

 

 

敵だったとはいえ、元教え子だ。何もしてあげられなかったのが苛まれる。カリは自業自得と言うだろうけど、胸にしこりが残る終わり方はつらい。

 

 

「セヴァー・フォースの仕組みを知られることはなかったみたいだけど………少し…疲れたよ。」

「大丈夫?」

「まぁ、うん。ありがとう、エズラ。」

 

 

あと一番知りたかった情報は、〈ホーガ・フォレスト〉の所在だ。

 

だって私の船だし!!

 

 

「それから、私はこれから別行動をさせてもらうから。」

「何だと……?」

「司令部が何て言うか……」

 

 

ヘラは司令部の心配をする。一応、私も反乱組織の1人だ。司令部に従う必要がある。

 

でも、帝国のように絶対服従なわけじゃない。

 

 

「司令部というか、モスマ議員にはもう許可を得てる。リックとアズを連れて行ってくるよ。」

「それはもしや………」

 

 

隊員の1人が、私の意図に気付いたようだ。

 

 

「メンバーで分かると思うけど、リック達を連れて〈ホーガ・フォレスト〉を取り返すつもり。」

「分かったわ。こっちは任せて。」

「ホーガン、帝国はあんたが船を取り返しに行くと分かっているだろう。気を付けろ。」

 

 

カラスにそう忠告され、私は頷く。

 

帝国が私を待っているのは、承知の上だ。だけど、非合法に奪われたんだ。絶対に取り返す。

 

ブリーフィング擬きが終わってブリッジから出た後、私はリックに声をかけた。

 

 

「リック、明日出発するよ。」

「カリも来るのか?」

「カリはヤヴィンで忙しいから、別の人を呼んだ。」

 

 

コルベットの一室に入り、私の分とリックの分のブルーミルクをグラスに注ぐ。

 

 

「誰を呼んだんだ?」

「ホンドー」

 

 

その名前に、リックが盛大に吹いて咽せる。

 

 

「本気じゃないよな!?」

「本気だよ。帝国の貨物を追うにはホンドーが必要だし。」

「出禁にした奴だろ!!」

「うん、出禁は解かないよ。」

 

 

意味が分からないという顔をされる。

 

簡単に言うと、ホンドーに手を借りるけど、交換条件として出禁は解く気はない。強いて言えば、何も与える気はない。

 

これに味を占めて、後々出禁解除を求められても困るしね。

 

そう説明すると、リックは心配そうな表情を見せる。

 

 

「奴は信用できないぞ……」

「私も信用してないよ。でも、腕は確かでしょ?それにホンドーには誇りがあるから、話をすれば分かってくれるよ。」

「どうなっても知らないからな。」

 

 

そう言いつつも、リックは了承してくれた。

 

そして翌日、私とアズ、リックはシャトルに乗りホンドーを迎えに行った。

 

リックは渋い顔をしていたが、〈ホーガ・フォレスト〉を取り戻すのは家族の為だ。“家”を取り戻したい。私達の拠り所なのだから。

 

 

「おう、元気だったか?」

 

 

馴れ馴れしいホンドーに、リックは嫌そうな顔をする。

 

 

「リック、失礼だよ。」

「あのなぁ、ホンドーは裏社会でも嫌われてんだぞ。」

「失敬な!俺は海賊だぞ!好きも嫌いもあるか!」

「私の前で揉めるのはやめてくれる?個人の因縁があるなら終わってからやって。」

 

 

そう制して、リックをコックピットに向かわせる。

 

 

「リッキーは相変わらず俺が嫌いみてぇだ。」

「子供扱いするからだよ。リッキーって……そうじゃなくて普通に“パトリック”って呼んであげなよ。あと、リックを煽るのはやめて。じゃないと庇えない。」

「はいはい、覚えとくよ。」

 

 

ホンドーが合流し、私達は〈ホーガ・フォレスト〉を乗せた貨物船の追跡を始めた。

 

今はリックがあの船の持ち主だ。帝国にはちゃんと営業許可も取っていた。リックは何もしてないし、理不尽にも程がある。モダルが勝手に没収したとしても、帝国の上層部は黙認している。

 

これは敵意と見做してもいいよね。

 

絶対に取り返してやる。

 

 

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