シーロスに着き、私はウォルフとグレガーに簡単な挨拶をした。
2人とは面識がなく、これが初対面だ。
「もっと良い状況で会いたかったな。」
「ああ。」
「でも会えて良かった。あ、うちの娘のレスリー。」
「こんにちは!」
「素直で可愛らしい子だな!」
その嫌な声に、私は眉間を寄せる。
その反応にヘラ達は疑問符を浮かべるけど、レスリーは真っ先に声の主を言い当てた。
「ホンドーだ!!」
「こらこらお嬢ちゃん、目上にそんな口利くもんじゃないぞ。」
「でも、ママの店を出禁になったんでしょ?」
ホンドーは娘に言い返せず、口を噤む。
「それで、一体何の任務だ?司令部からは何も聞いてないぞ。」
「ああ、そうだ。これは反乱司令部からの任務じゃない。」
ウォルフの問いに、レックスが答える。
そう、これは任務じゃない。これから始めるロザル攻撃作戦は、エズラの為のものだ。彼の故郷を取り戻す、それがエズラの悲願だ。
ホンドー達が〈ゴースト〉に乗り、私もレスリーと一緒に乗り込んだ。
シーロスを離れ、ハイパースペースへ突入すると、レスリーが不思議そうに疑問を口にした。
「なんでホンドーなの?」
「帝国の封鎖をすり抜ける方法を知ってるからよ。」
「この密輸業者が?」
「だから…俺は海賊だ!!」
レスリーの“密輸業者”という言葉に、ホンドーは不服そうに反論する。
さっきもケツーにも密輸業者って言われてて、本当に不満そうだったな。
「でもやってることは同じじゃん?」
「密輸業者には夢がないだろ!」
「必要?」
「店をやるあんたがそれを言うか……?」
カラスが何か言ってるけど、知らない聞こえない。
「そういえば、カラスとちゃんと話すのは初めてだよね。」
「そうだな。」
「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」
「構わんが…シンドゥーラ将軍。」
「いいわ。私達は席を外すわね。」
「……俺もか!?」
「そうよ。ほら、こっち!!」
ホンドーが引き摺られるように連れていかれて、私とカラスはコックピットで2人になる。
実は、カラスが帝国から離反したら話したいことがあったんだ。
「話とはなんだ?」
「あんたさ、帝国保安部にいたでしょ?〈ホーガ・フォレスト〉がどれだけ危険視されていたのか教えてほしいの。」
「あの船のことか。」
帝国の観点を聞くには、保安部にいたカラスに聞くのが一番だ。
今の第一は打倒帝国だけど、前提としては店をやる為だ。私は楽しく店をやる為の努力は惜しまない。その為には、帝国の考えと動きを知る必要がある。
「正直に言おう。帝国が危険視しているのはあの船ではない。問題はあんただ。」
「ん?私?」
「正確にはあんたと船のセットだ。あんたはあの“店”で、客の素性を問わない。故に、人が集まりやすい。もしあんたが常連に声をかければ、看過できない勢力となる。中には傭兵もいるからな。」
「でも、私はそんなことしないよ?」
「そうだ。“サマンサ・ホーガン”という人間を知り、今は否定できるが、帝国は警戒しているんだ。」
否定したいけど、カラスの言うことも一理ある。
帝国は私という人間を知らない。情報だけで見ている。特に、ターキンや皇帝は中身なんか見ようとしない。だから、影響力を危惧しているんだ。
そんなものないのに。
「どうしたら店への警戒を解ける?」
「客足を遠退かせるしかないだろうな。」
「それはやだ。つまんないじゃん。」
「なら帝国贔屓にすればいい。」
「それだと一部の帝国軍人が調子に乗るでしょ。」
「……前科があるしな。」
「………」
私は、思わず頭を抱えてしまう。
だが、カラスがある提案をする。
「1つだけ、解決策がある。」
「どうするの?」
「それは───────」
提案とは、帝国視点の妥協案だった。
帝国側が警戒する大きな理由の1つが、移動できるからだった。私は偏りのないように、移動しながら営業する店を考えた。その方が客層も広いし、出会いも多い。育ちと生活の都合上、私にとって新しい出会いは大切なものだ。
それをやめるなんて、考えたことがなかった。
つまりカラスの提案は、他の店のように店舗を置くというものだった。
だが、それは私が落ち着けたらの話だ。
「私が落ち着けると思う?」
「思わんな。だからこそ、腰を据えるべきだ。」
「………」
「睨むな!だが、こうする他ない。皇帝はどう考えているか分からないが、ユラーレン大佐やスローン大提督の目は厳しいぞ。」
仮に腰を据えて営業しても、それは監視されながらの営業になる。規制もかけられ、店は帝国お抱えの料亭になってしまう。それだけは絶対に避けたい。
「私1人で決断はしたくない。この戦いが終わったら、カリとリック、アズにも意見を聞いてから決めることにする。」
「そうか。できれば提案したくなかった。以前は私も通っていたんだ。」
「来なくなったのは、二重スパイになったから?」
「複雑なんだ。だが、〈ホーガ・フォレスト〉が変わらず営業できることを願っている。」
「ありがとう。」
カラスはコックピットから出て行き、私は窓から外を呆然と眺める。
〈ホーガ・フォレスト〉には昔タンバーを初めとした分離派の者達も来店していて、今の時代じゃあのカラスや、帝国の将校もプライベートで来ていた。カラスの言うように、私の店に店員とスタッフという隔てしかない。客もその環境を気に入って店に来てくれている。
その信頼に応えるのが、私の役目だ。今まで続けられたのは、全て客のお陰なんだ。だから、できる限りのことをしよう。
〈ホーガ・フォレスト〉を守る為に。
かなりの茶番w
次回から反乱者たちフィナーレ編に突入します!
そういえば、紙タバコやめて加熱式タバコに変えましたw
いやぁ、グローハイパーイイネ!!←