ベスピンに着き、ヴェイダーと私を筆頭に帝国のシャトルに乗り込んだ。
映画の筋書きなら帝国が先にクラウド・シティに降り立っているけど、今回は違う。私が商談をしたから、時間がズレている。だけど、それは大きな問題じゃない。
ヴェイダーの本星は“子供達”だ。
2人はまだ来てない。
「ここで待つつもり?」
「来たくなければシャトルで待っていろ。後から来ても構わんが、邪魔はするな。」
「分かったよ。」
「お前が動いても止めるなと指示を出しておく。感謝しろ。」
クラウド・シティの発着所に着陸して、ヴェイダーと部隊は降りていく。
レスリーとルークのことは、マスターとオビ=ワンが止めようとするはずだ。ヴェイダーはクラウド・シティの執政官を脅して、最終的に支配下に置くだろう。筋書きは大して変わらず、2人は自ら罠に飛び込んでくる。
今回は、どう足掻こうと何かを置いていかなければならない。
ただ、次の準備はできる。
「っ!!」
「おい、どうした?」
「何でもない……」
ソロの苦痛が伝わってくる。ルーク達を誘き出す為の拷問だ。頭が痛くなる程に苦しい。
手を出してはダメだ。ここで手を出せば全て台無しになる。
ベンチで蹲っていたが、しばらくするとソロの拷問が終わったようだった。
「トルーパー、ヴェイダーのところへ行く。通信機貸して。」
「だが、」
「ヴェイダーは止めるなって言ったでしょう?」
「………分かった。行け。」
誰にも構うことなく、私はシャトルを降りた。
真っ直ぐ行くつもりは微塵もない。
誰もいないのを確認して、フォースを使ってある男を探した。帝国将校でも、ソロでもない。それはこのクラウド・シティの執政官だ。
彼は仕方なくヴェイダーに従っているだけ。
話は通じるはずだ。
「ランドーニス・バルサザール・カルリジアン」
「何者だ?」
カルリジアンを見つけ、即座に捕まえて人気のない通路に引き摺り込んだ。
彼は突然のことに、私にブラスター・ピストルを向ける。
「私はサマンサ・ホーガン。あんたに話がある。」
「“あの店”のオーナーか。何の用だ?」
「帝国が来て悩ましいのは分かる。でも聞いてほしい。」
「あんたが連れてきたのか?」
「違う。その逆。」
言った意味が通じたようで、彼は銃口を下げてくれた。
「何が起きている?」
「私は今身動きが取れない。だから伝言を頼みたい。」
「待ってくれ。あんたは敵なのか?」
「どちらでもない。ただ、被害は最小限にしたいの。今足掻いても何も変えられない。だから代わりに動いてほしい。」
「………何をすればいい?」
私はカルリジアンに伝言を託し、レイア達を任せた。トルーパーだらけのこの場所から逃がせるのは、カルリジアンしかいない。私が助け出したかったけど、私が動けば皇帝との約束が反故になってしまう。
私ももどかしいけど、帝国の動きも封じられるなら我慢するしかない。
ヴェイダーの下へ向かう為に、私は歩き続ける。
そうこうしている内に、ルークとレスリーがクラウド・シティに到着した。
やっぱりオビ=ワンとカリには止められなかったようだ。
────────
同時刻、監房へ来たカルリジアンにレイアは怒っていた。
人払いでトルーパーは外に押し出され、カルリジアンはサマンサに言われた通りのことをする。
「彼を犠牲にするですって!?」
「誤解だ!あいつはカーボン冷凍されるだけだ!それにハン・ソロ1人渡しても、後々どうにかできる。」
「随分嘗めた真似をするじゃねぇか。」
「勘違いするな。これはホーガンの指示だ。」
「サマンサがここに!?」
「彼女は何をしているのですか!?」
カルリジアンは自分も詳しく知らないこと、身動きが取れない状態だと言われたことを話した。
しかしハンはともかく、レイアは納得できなかった。
「そんなこと、聞きたくないわ。」
「ああ、分かっている。ホーガンも言っていた。だが、納得しなくていいと言われた。時間がない。伝言だけ伝えるぞ。」
「なんて言われたんだ?」
「“信じろ”と。」
「それだけですか?」
「………ああ。」
やはり理解はできなかったが、何かを企んでいることはレイア達に伝わった。チューバッカは呆れたと言わんばかりに声を上げる。ハンはそれに同意した。
「全く!あの人は!」
「おい!出ろ!」
そこへトルーパーが現れ、カルリジアンを押し退けてレイア達を立たせる。
ハンを筆頭に連行され、彼らは装置の前へ連れてこられた。やがて、ヴェイダーがボバ・フェットを伴って現れ、更にその後ろにサマンサが現れた。その姿にレイアは怒りを抑えるのをやめる。
「貴女!よくも見捨てたわね!」
「………伝言伝わってないの?」
「伝言は聞きました!でも貴女の意図が分からないわ!」
「伝言だと?」
ヴェイダーが訝しげにサマンサを見る。同時に、殺気を滲み出していた。対するサマンサは悪びれもなく言葉を返す。
「別に?意思表明しただけ。悪い?」
「………作業に入れ。」
サマンサの言葉に呆れるが、ヴェイダーは始めるようにと命令する。
その瞬間、チューバッカが暴れ出した。
「チューイ!馬鹿な真似をするな!やめろ!おい聞けって!やめろ!!」
ハンの言葉で、チューバッカは大人しくなった。
「いいか、レイアを守れ。」
次に、ハンはサマンサを見る。
「レイアに何かあったら許さないからな。」
「………ごめん。」
そして装置に入れられる前に、ハンはレイアを引き寄せ、キスをする。
「愛してる。」
「知ってるさ。」
ハンは引き戻され、装置が起動する。
装置が止まると、カーボン冷凍されたハンが露わになった。
「生きてます!」
その言葉に、レイア達だけでなく、サマンサも安堵する。
カーボン冷凍されたハンはボバに連れていかれ、レイア達はトルーパーに連行されていく。
サマンサは何も動かず、その様子をただ眺めるだけだった。