かつてこの時代に富、名声、力とこの世の全てを手に入れた男が居た。
その男こそ、『海賊王』と呼ばれたゴールド・ロジャーである。しかしそんな彼も世界政府による軍隊である『海軍』に捕らえられ、処刑される事となったが彼は死に際に一言、放つ。
『おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ……探してみろ。この世の全てをそこに置いてきた』
そうして世界の人々の中にはロジャーの残した『
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大海賊時代である現代。
『
彼には母がおらず、父は彼を残して世界のどこかへと消えており、育ての親として祖父で海軍においては英雄でもあるモンキー・Ⅾ・ガープに『将来はお前を最強の海兵にしてやるわい』と千尋の谷へ突き落されたり、風船にくくりつけられてどこかの空へ飛ばされたり、夜の密林に放り出されたり、容赦なく何度も実践訓練で叩きのめされたりと厳しく鍛えられながら、育てられてきた。
何度も死にそうになりながらもそれでもルフィは『さすがはわしの孫じゃのう』と成果を出した時に思いっきり褒めてくれる祖父が好きであり、祖父が喜んでくれるなら……。
『じいちゃん、おれ、じいちゃんのいうとおり、さいきょうのかいへいになってわるいやつをやっつけてじいちゃんみたいにみんなをまもるよ』
祖父の意思通りに将来、海軍となって世界の人々の平和や平穏を、特に自由を守る事を夢とした。
『おお、そうかそうか。儂は嬉しいぞルフィ!!』
ルフィが自分の意思を受け入れてくれる事を聞くとガープは感動し、力強く抱き締める。
とはいえ、ガープには海軍の仕事もあるので主にルフィの面倒はフーシャ村の皆が見ており、ルフィとガープが交流できる機会は少ない。
ガープに会えない間も自発的にルフィは厳しい鍛錬をして体を鍛え、沢山の本を読んで知恵や知識を身に着けながら再会したときにガープに喜んでもらえるように、そして将来、最強の海兵となるべく励んでいた。
そんなある日……。
「あれは……海賊!!」
フーシャ村の船置き場のほうへとやってくる船、しかも堂々と海賊旗を掲げた『海賊船』がやってくるのをルフィは発見するとガープに代わって自分がフーシャ村を守ると決めている彼はすぐさま船置き場の方へと向かったのだった……。
3
フーシャ村の船置き場へと向かう海賊船は『赤髪海賊団』という海賊の船であり、船上には船置き場に船を止める準備と降りるための準備をする船員たち、そしてフーシャ村を眺めている赤い髪の上に麦わら帽子を被り、左目に三つの爪による傷がついた男でこの海賊団の船長であるシャンクス、それと彼の傍には半分は赤い髪、半分は白い髪と特殊な紙の色で後ろで二つの輪のようにし、耳にはヘッドセットを付けた彼の義理の娘のウタと呼ばれる少女が居たが……。
「……ウタ、離れていろ。面白いやつがくるようだ」
「? 分かった」
シャンクスの言葉に首を傾げながらもウタはシャンクスから離れると、少ししてこの船上に……。
「
ガープから教わった体技であり、高速移動の術技である『
「やい海賊っ!! おとなしく投降しろ。さもないと……」
ルフィは着地しつつ、シャンクスに向けて縦にした右拳を向けながら親指の腹に人差し指を置くという構えをし……。
「
そしてデコピンの要領で人差し指で親指を弾き、空気の弾丸を飛ばすとそれはシャンクスの頬を掠めて血を流させる。
「全員、叩きのめして捕まえてやる」
「くく、一人で俺の船に乗り込むなんて、中々勇ましい坊主だな。それにその歳で『六式』を使えるなんて大したものだ。良いだろう、俺との決闘に勝ったら投降してやる。もっとも決闘出来たらの話だがっ!!」
「っ!!」
瞬間、シャンクスの体から凄まじい重圧がルフィに向かって放たれ、ルフィはそれを浴びる体は震えながら止まっていき、意識は途切れ始める。
「ぅ……ぁ……」
ルフィは気絶し、倒れようとしたが……瞬間、彼の脳裏にフーシャ村の人々、なによりガープの姿が浮かび……。
「うあああああっ!!」
瞬間、咆哮と共にルフィの体からも重圧が放たれ、シャンクスのそれを弾き返す。
「なっ、あのガキも『
一人の船員がそう言い、シャンクスはやはり面白いやつだとばかりに静かに笑った。
「……おれは最強の海兵になる男だ。海賊なんかに負けてられるかぁぁぁぁっ!!」
ルフィは荒く呼吸しながらも叫んで右拳を握ってシャンクスに向かい、疾走と共に跳躍。その拳には薄くはあるが稲妻を放つ黒いオーラのようなものが纏われていき……。
「やああっ!!」
「ぐうっ!!」
ルフィの拳撃がシャンクスの胸に炸裂し彼は大きく仰け反り、少しの血を吐きつつ、胸を押さえる。
「どうして……避けなかった?」
全力であり、全霊を込めた一撃を放った反動で薄れゆく意識の中、ルフィは問いかける。
「男の全ての意地を込めた一撃を避けるのは失礼だからな。そして、今の一撃に約束する。フーシャ村を襲うことはしないってな」
「……破ったら、承知しないぞ」
シャンクスの言葉にそれだけ言うとルフィは立ったまま意識を失った。
「ホンゴウ、その坊主の手当てをしてやってくれ」
「あんたもな、船長」
シャンクスの言葉にこの海賊団の船医で髪を後ろで結った男のホンゴウは答えながら、動いた。
そんな中……。
「シャンクスに勝負を挑むなんて馬鹿なやつ……」
そう言いながら、ウタはルフィに視線を向けていたのだった……。
楽しんでいただければと思います。