麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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百三話

 

 シキが二十年前より、自分の『フワフワの実』の能力で政府が手出しできない空中群島としながら支配している『メルヴィユ』。

 

 独自の植物を改造し、それによって更に進化した動物軍団を自らの戦力として使うのである。だが、それだけでは無い。

 

「ジハハハ、海賊ってのはやはり変わらないな。強い者に媚びへつらってくる……っち、本当に情けねぇ奴らばかり増えやがる」

 

 シキは世界にいる海賊たちを集め、自らの能力で島入りさせながら招待し杯を交わす事で傘下に加え始めていた。

 

 無論、計画のための戦力である。

 

 まず、デモンストレーションのために海軍本部を軽く襲撃したし、東の海周辺をも襲っている。

 

 自分が海賊王であるロジャーの宿敵、更には脱獄不可能と言われたインペルダウンを見事、脱獄したというビッグネームもあって、毎日毎日、自分の傘下になりに海賊たちはやってくる。

 

 

 

 『海賊』というものは二十年経過しても自分が現役の頃とは変わらないので呆れている。

 

 自分が現役の頃ならともかく、二十年経過しているのだから少しくらい逆に自分に歯向かって自らの権威や力を奪い取ろうという野望に満ちた者はいないのかと呆れてもいる。

 

 真っ向から対峙してくるのはそれはそれで潰すが、上手く立ち回ってくるのならば面白い。

 

 そう、自分たちの時代はそうだった。

 

 

 

 力を手に入れるために大きな力を持つ海賊に取り入りながら野望を隠しつつ、己の牙を磨き、作戦を練ってそうして時期が来れば牙を剥きだしながら、取り言った海賊を野望のための糧として喰らう。

 

 それが当たり前だった。

 

 そうした弱肉強食が全てだったのだ。

 

 

 

 

 それがロジャーが死に『海賊時代』が幕を開ければ、海賊の事を何も分かっていないひよっこ共が増えまくっている。

 

 なにより『四皇』の存在も自分がいた時と全く変わっていない。

 

 精々かつてのロジャーの位置に『シャンクス』という海賊がいるくらいだ。

 

 だからこそ、世界を支配する過程でまず『東の海』を滅ぼす。

 

 そうすれば、少しの間だけ『東の海』を活動拠点にしていたシャンクスの海賊団が向かってくると思っていた。

 

 

 

 やはり、少しくらいは張り合いが無いと面白く無いからそう思っていたのだが……。

 

『俺の仲間に手を出そうというのなら、容赦はしないっ!!』

 

 

シキは出会えたのだ。ロジャーのように自らの心身を、魂を疼かせる凄まじき『覇気』の持ち主であるルフィに……。

 

自らの全てをぶつけ、勝利を勝ち取る価値のある新たな宿敵に……。

 

 

 

 

「(さあ、早く来いルフィ。こっちはいつでも良いんだからよぉ)」

 

 

 宿敵とのぶつかり合いを待ち受けながら、興奮に満ちた笑みを浮かべるシキ。

 

 そんな彼の元へオナラの音を響かせながら、近づく者がいた

 

 

 

「っち、てめぇのオナラはどうにかなんねぇのか、Dr.インディゴ!!」

 

 自分の興奮に満ちた気持ちを台無しにされたシキはピエロメイクに白衣を着たDr.インディゴに文句を言う。

 

「あん、何が言いたい?」

 

 そんなインディゴはパントマイムで何かを伝えようとした。ピエロの不文律として言葉を口には出せないのだろう。

 

 シキは面倒そうかつイラつきながら言うと……。

 

 

 

「着々と海賊たちが集まっています」

 

「って喋るんかいっ!!」

 

 ピエロの不文律は関係無かったようだ。

 

「親分、本当にあいつらをこの島に呼んで良かったんですか?」

 

「良いんだよ、順風満帆なんてあまりにも詰まらねぇからなぁ」

 

 Dr.インディゴの問いにシキはそう答えた。

 

「そろそろ、総会の準備に入れ」

 

 シキは海賊たちを兄弟として迎える杯を交わす会の準備をするように指示をし……。

 

「(楽しませろよ、ルフィ)」

 

 ルフィが現れるのを心待ちにし続けるのであった……。

 

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