麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

105 / 159
百四話

 

 シキの能力によって空中群島と化している『メルヴィユ群島』の核となっているのはシキのために用意された王宮がある『王宮の島』だ。

 

 夜空のすぐ下とも言える場所で浮遊している『王宮の島』に島船によって幾つもの海賊たちが空中港に下船していく。

 

 今夜はこの王宮でシキを親分に兄弟同然の深い契りとなる酒杯を交わす海賊たちの総会があるのだ。

 

 無論、総会に参加するのは海賊団の幹部たちであり、ドレスコードも徹底されていて幹部たちの恰好は黒いスーツにネクタイ着用である。

 

 次々とその幹部たちが王宮内へと入り、総会会場となる場所へ案内される。

 

 用意されたそれぞれの席へシキの傘下に入りに来た者たちが座っていく。

 

 

 

 少しの時間が経過すると大広間の襖が開かれ、金糸をふんだんに使った豪奢な羽織袴を身に着けたシキが入場する。

 

 壇上である金屏風の前の席へとシキはついた。

 

「ジハハハ、良く集まったな野郎共。さあ、俺の傘下になりたいなら、契りの杯を交わしてもらうぞ。ふふ、今夜は良い夜だ。酒も美味いぞ」

 

 集まった海賊たちへとシキは呼びかける。

 

 

「さあ、出発だ。惨劇の『東の海へ』」

 

 シキが言うと共に能力を発動する。闇の中で群島が、王宮の島を取りまいた海の水を押し分けて、次々と合体していった。

 

 一つの巨大な島になったのである。

 

 

 「知っての通り、東の海は〈偉大なる航路〉を含めた五つの海で最弱の海だ。死んで惜しまれる偉人もいねぇ。思う存分、暴れるが良い!!」

 

 祝いの膳の隣にある杯にそれぞれ、酒が注がれていき、気分も高揚したシキが芝居がかった仕草と共に言い……。

 

 

 

「今こそ、金獅子海賊団結成だ」

 

 告げて皆で酒を飲もうとした瞬間……。

 

「そして、今こそ金獅子海賊団の壊滅だ」

 

 その言葉と共にこの王宮の島に植え付けられていたダフトグリーンが突如起こった爆発により、燃え上がり、あるいは破壊される。

 

『オオオオオッ!!』

 

 どこかで待機していたのだろう。明らかに本来、王宮の島に生息する動物以上の軍勢の動物たちが王宮へと突撃する。

 

「なッ!? があああっ!!」

 

 そうして、混乱しながらも王宮を守ろうとするシキの兵士や海賊団の手下など蹴散らされていく。

 

 

 

「飛び入り参加とサプライズは嫌いだったか?」

 

 大衾が開き、男性陣は黒いスーツに女性陣は黒いドレスとシキの意向に沿うかのようなドレスコードでルフィ達『麦わら旅団』は姿を現す。

 

 そもそも『麦わら旅団』には『バロックワークス』として長年、秘密活動の経験を積んでいるロビンにビビ、カルーにラキとアンがいる。

 

 情報収集は勿論、工作活動もお手の物なのだ。

 

 

 

 動物の方はルフィにウタの能力があってこそだが……。

 

 

 

 

 ともかく、海賊団の幹部たちはルフィ達の登場に動揺を抑えながらも迎え撃つ態勢をとる。

 

「……ハ、ハハハ、ハハハハ、ジハハハハハハハッ!! いいや、むしろ大歓迎だっ!!」

 

 宿敵と認めたルフィの登場に大喜びしながら、シキは告げるのだった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。