メルヴィユ群島が『王宮の島』の王宮にて『麦わら旅団』とルフィが仲間とした事で麦わら動物団現地員となったメルヴィユの動物たちと金獅子シキと彼に従ってきた部下、そしてシキの呼びかけにより参加となるべく集まって来た数多者海賊団により結成された『金獅子海賊団』の激突が始まった。
『はああああっ!!』
それぞれの仲間に部下たちが激突をする中で視線を交わしているだけの者が二人いた。
「……」
「……」
視線を交わして対峙しているのはシキとルフィだ。シキは冷や汗を流しながらルフィを観察しており、ルフィは冷や汗を流さず、動じず、シキを観察している。
二人の周囲では争いによる『動』があるが、それに反抗するかのように『静』を続けている。
「(全く隙がねぇな……)」
「どうした、来いよ。俺は年長者を敬うタイプだから仕掛けさせてやる。それに俺を招待したのはお前だ。もてなしてみろよ」
「はっ!!」
自分の経験眼で見ても全く隙が見えない事に驚きつつ、ルフィの啖呵に対し心地いとばかりに笑みを浮かべる。
「生意気な口、叩くじゃねえかぁっ!! 【
シキが手を動かすと床――正確には地面の塊が幾つか、抉り抜かれるようにしてシキの周囲に浮かび上がり、次の瞬間、弾丸の如き強烈な勢いでルフィへと飛来する。
「【鉄塊】」
しかし、肉体硬度を上げて鉄の塊が如くとなったルフィには通じない。何の痛打も損傷も与えられずに弾丸は砕けるのみである。
「ほう、『六式』使いか」
「ああ、そうだ」
海軍とも何度も交戦しているが故にシキはすぐにルフィの技を見破る。
「なら、これはどうだ? 【
シキは義足となっている名刀を振るい、飛ぶ斬撃を繰り出した。
「【嵐脚】!!」
ルフィも又、鋭く足を振るい斬撃波を繰り出す。
どちらも蹴りの挙動で繰り出した斬撃波――その激突の結果は……。
「っ!?」
シキの斬撃波はルフィの斬撃波に切り裂かれ、そのまま自身へと迫りくる斬撃波を急いで浮遊し、紙一重のタイミングで回避する。
「小手調べに準備運動、そういうのはもう良いよな? 戦いからは随分と遠のいてたから鈍りになまって、今のが精いっぱいっていうのなら残念だが」
「ジハハハハハ!! あぁそういう事はねぇから安心しろ……とはいえ、正直なところ、鈍りってのはある。だから、これを使わせてもらうぞ」
シキは苦笑しつつ、懐から丸薬を取り出した。
「IQって奴か?」
「おお、知っていたか……そう、こいつはIQを元にして作った薬だ。こいつを飲む事で俺は強くなることが出来る。まあ、お前との戦いのために急遽,作らせたものだから色々と副作用はあるかもしれねぇがな」
「良いぞ、なんでも使えよ。お前の全力と本気をぶつけて来い。その全てを俺は打ち砕いてやる。それがお前に対する俺の敬意というやつだ」
「なら、そんなお前を打ち倒す事を俺の敬意としようじゃねえかぁっ!!」
そうして、シキは自分用にインディゴに作らせた薬を飲む。
「ジハハハハハ、力が漲ってきやがるぞぉぉっ。ジハハハハハハハッ!!」
自分の内部で力が湧き上がり、それに応じて肉体も強化されていく。更に感じるは全能感、そうしたものに酔い痴れながらシキは『覇王色の覇気』を放つ。
「そいつは何よりだ」
それに対し、ルフィも『覇王色の覇気』を放つ事で空間を揺るがせ、余波で周囲の物を破壊する。
「色々と気を使ってくれて済まねぇなルフィ。本番を始めよう」
「ああ」
シキとルフィはそう言い合い、二人による本当の戦いを始めようと動いたのだった……。