麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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百七話

 

 ルフィはシキに強烈な乱打と祖父直伝の技を叩き込んだ。とはいえ、実は加減していた。

 

 なぜなら、今戦っている『空中群島メルヴィユ』はシキの『フワフワの実』の能力で浮遊している。

 

 よって、シキが意識を失ってしまえば能力が強制的に解除されてしまい、島が強烈な勢いで海へと落下してしまうのだ。

 

 なのでルフィは意識を失わない程度、しかして体は動けない程度のダメージを与える形で戦闘不能にしようとしているのだ。

 

 ルフィは一旦、速度重視の戦闘形態である【生命帰還――柔極・紙絵武身】を解除し、シキが埋まっているクレーターを観察していた。

 

 すると……。

 

 

 

「は、はははは、ははははは……ジハハハハハッ、やっぱりてめぇとの戦いは楽しいぞ、ロジャァァァァァァ!!」

 

 シキがクレーターの底から浮かび上がると大きく笑い、次の瞬間にルフィを見ながらロジャーの名を呼ぶ。

 

 大ダメージによる意識の混乱、薬による全能感及び興奮状態からの錯乱か……彼の中では彼にとっての一番の宿敵であるロジャーと戦っている事になったようだ。

 

 

 

 そして、ルフィへと突進していき……。

 

 

 

「おおおおっ!!」

 

 シキは突撃の勢いも加えながら『武装色の覇気』を纏い、拳撃をルフィの顔面へと放つ。

 

「ふんっ!!」

 

 それに対し、ルフィは生命帰還をも利用し、額に【鉄塊】をかけ、『武装色の覇気』を纏うと頭突きを繰り出す。

 

「うぐっ!?」

 

 シキの拳撃が打ち負け、彼の体勢は崩れる。

 

「しっ!!」

 

「ごっ!?」

 

 ルフィは『武装色の覇気』を纏った強烈な右手のデコピンを放ち、大きく仰け反らせた。

 

「目は覚めたか? 相手を間違えてるんじゃないぞ、シキ。宿敵と決着をつける事が出来なかったのが悔しいのは分かるが、もうその宿敵は……ロジャーはいないんだ。だが、その代わりに俺がいる。ちゃんと最後まで付き合ってやるし、引導も渡してやるからちゃんと集中してくれ」

 

 

「……は、はは……そうだな、失礼した。少し意識が飛んでいたようだ……悪かったな、ルフィ。こいつは詫びだ」

 

 強烈な頭への一撃とルフィの語り掛けでシキは意識を取り戻し、真摯な態度で謝る。

 

 そして、手を動かせばゆっくりとルフィとシキたちがいる島が海へと降下し始めた。シキが能力を調節しているからだ。

 

 

 

 「ありがとう、おかげで懸念が無くなった」

 

「良いって事だ。それじゃあ、お前の言う通り最後までやり合おうかぁぁぁぁぁっ!!」

 

「望むところだっ!!」

 

 会話を交わすと次の瞬間、シキは両拳に『武装色の覇気』を纏わせながら、再びルフィへと突撃する。

 

「ふっ!!」

 

「がっ、ぐうおっ!!」

 

「しっ!!」

 

「おごっ、ぐぅぉぁぁぁぁっ!!」

 

 シキはルフィに拳撃を繰り出すが、それをルフィは捌き、反撃の拳撃を叩き込む。

 

 その繰り返しであった。

 

「おああああっ!!」

 

 これは決してシキがやけっぱちになっている訳ではない。むしろその逆、自分の全てをルフィにぶつけ勝つための行為……遠距離から制圧すべく戦う、そうした戦法はルフィには通じないし、それでは勝てないがゆえに自分の全力を、勝利への執念を、意思力を、全てを出し切らなければならない。

 

 

 

 

 そして、ルフィに知ってもらいたい。ロジャーも含めて過去の大海賊たちがどれほどに強烈な存在であるか、そうなるべくどう歩んできたのか。

 

 彼こそ宿敵だと認めるが故……。

 

 

 

 

 

「俺の全てを打ち砕いてみせろ、ルフィィィィィィィィィッ!!」

 

 シキは自分の攻撃を捌かれながら、ルフィの攻撃をくらう中で己に勝つなら、自分の全てを打ち砕いてくれと願う。ロジャーとの戦いでは得る事が出来なかった宿敵との決着をくれと頼む。

 

「任せろ」

 

 そうして、ルフィは突撃するシキへ拳を構える。

 

 その数舜後、意識を失い身体も自分の意識に反して倒れていく中で……。

 

「……次は……お前だ」

 

 次の新時代を担うのはルフィだとシキは認めた。

 

「言われるまでもない」

 

 ルフィは倒れて、そう告げて意識を失っていくシキの言葉に元からそのつもりだと応じたのであった……。

 

 

 

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