百十話
『金獅子海賊団』との対決から数日後、『麦わら旅団』は『空中群島』改め、『進化島 メルヴィユ』をルフィ達は去り、航海を再開する事になった。
『ありがとう、麦わら旅団』
メルヴィユの人々は自分たちをシキによる支配から解放してくれた事に礼を言う。また、島民の何人かは手にした飛行能力で世界を旅立つ予定でも聞いている。
『オオオオオ(王様、御達者でー)』
ルフィによって従えられた動物たちは声を上げながら、王であるルフィを見送った。
「じゃあな、皆」
ルフィはそうした者達に拳を上げて応じながら、サニー号に乗って海を進んでいく。
そうして……。
「いたた……ってこれ、飴!? こんなものまで振り出すの【偉大なる航路】は」
「飴の雨ってダジャレ好きじゃあるまいし……」
【偉大なる航路】を進むルフィ達に飴玉が雨の如く振り出してきた。ウタは痛がりながらも飴そのものが降り出してきた事に驚き、ルフィは苦笑する。
「うん、甘くて美味しい」
「自然なのが一番だからなぁ、食材は……これで何か作ってみるぜ」
振り出してきた飴の味は普通に美味く、コックであるサンジはその飴を確保しながら美味いスイーツを作るための方法を考えたりする。
更に……。
「ポポーン(遊ぼ)」
化けるとして有名な巨大な海ダヌキと遭遇したり……。
「丸虹だな……凄い綺麗だ」
「本当、ロマンチック……お陰で良い歌思い付いちゃった」
「ではそれに合わせた曲を作りましょう」
綺麗に輝く丸虹を目撃した事でインスピレーションが浮かび上がり、ウタは歌を、そしてブルックはそれに合う演奏を考え始める。
更に更に……。
「もう、こんなに滅茶苦茶な海流なんて初めてよ……『遊蛇海流』ね」
ナミが蛇の如くうねりまくる海流相手に見事な指示を出して乗り越えて見せる。
「島だけじゃなく、こういうのがあるから航海ってのは良いよな」
ルフィは航海中に起こる出来事を楽しんでおり、ウタたちはそれに同意してみせた。
楽しみながら、航海をしていた『麦わら旅団』はこうして、とうとう……。
「とうとう来たと言うべきか」
「懐かしくも思えるね」
「相変わらずでかいな」
「ふふ、感慨深いわ」
「こうしてじっくり見たのは初めてだけどな」
「あの日は酷い嵐だったしな」
「私は此処に来たのは子供の時以来です」
「てっぺんが見えないくらい、でっけえなぁ」
「私は五年前ね、『西の海』からこの海に入ったのは……」
「俺は物心つく前に『南の海』からリヴァース・マウンテンを越えたと聞いてる。三十年以上前の話だな」
「私、五十年もかかったんですよね」
ルフィにウタ、ゾロにナミ、ウソップとサンジ、ビビとチョッパー、ロビンにフランキー、ブルックたちがとある壁を目にしてそれぞれ、感情を込めて言う。
そのとある壁とは『赤い土の大陸』であった。つまり、『麦わら旅団』は世界を半周した事になるのだ。
「さて、とりあえず連絡しておくか」
ルフィはセンゴクから『赤い土の大陸』まで来たら、連絡するように言われたので連絡をしたのだった……。
二
海軍本部のあるマリンフォード。
「とうとうここまで来たのか、ルフィ君……だが、このままシャボンディ諸島に行けば……」
センゴクはとある予定表を見ながら思案に暮れる。その予定表は重大な者のためのそれだった。つまり、とある存在がシャボンディ諸島へとやってくるのである。
「間違いなく、あのゴミ「ガープ、此処でもそう言うのはよせ」じゃが、絶対ルフィもわしと同じ印象を抱くぞ。息子のドラゴンですら、そうじゃったんじゃからな」
「だから、困るのだろう……とにかく、前に申し出てくれた通り、青キジに行かせるか」
「では、わっしも行きましょうセンゴクさん。……ルフィに久しぶりに会いたかったところですし」
「おお、行ってくれるかボルサリーノ」
そうして、ルフィが向かう事になるシャボンディ諸島にクザン、ボルサリーノが向かう事になるのであった……。