世界政府に要請したり、船を変えるなどかかる時間に手間暇から考えると海底深くにある魚人島を経由して【偉大なる航路】後半にして『新世界』に行く方が良いと政府関係者じゃ無い者や海賊はそう判断する。
よって多くの海賊が世界一巨大なマングローブである『ヤルキマン・マングローブ』という全部で79本もその木々がそのまま、島となり、一本一本に街や施設があり、7『シャボンディ諸島』に集まるのだ。
『ヤルキマン・マングローブ』の出す天然樹脂は特殊なシャボンとなり、それで船を覆えば海底深くに潜る事が可能となるからである。
それはそれとして『旅団』として、シャボンディ諸島を観光する事にした麦わら旅団は先に到着して待っていた『バルトクラブ』とシャボンディ諸島には政府が存在を黙認している人身売買を取り扱っている施設で『人間屋』、政府からは『職業安定所』と呼ばれているものがあり、世界貴族である天竜人も利用していて、良く奴隷を確保しにくるのでそう言いた者にルフィが手を出して賞金首入りするのを防ぐため、青キジと黄猿が休暇を取ってルフィ達を出迎えた。
そうして、人攫いに天竜人に目を付けられないよう魚人であるハチに人魚であるケイミーはバルトクラブに護衛を頼みつつ、待機させて青キジに黄猿の二人とルフィ達はシャボンディ諸島の観光へと向かった。
「二人からすれば面倒な事でしかないと思いますけど……俺としては師匠でもある二人とこうして島を観光するの楽しいです」
ルフィは穏やかな笑みを浮かべながら、言う。
「お―、嬉しい事を言ってくれるねぇ。後、面倒なんて思っちゃいねぇよ……お前とこうして仕事を抜きに時間を過ごしながら楽しむってのは俺も楽しいからな」
「勿論、わっしもさ。ルフィ……久しぶりにのんびりとしようじゃないか」
ルフィに対し、青キジも黄猿も笑みを浮かべて答えた。
そう、二人が来たのはルフィと島でゆっくり過ごしたいというのもあった。確かに賞金首にならないよう、面倒を見に来たと言うのもあるが結局はルフィと少しでも長く交流したかったというのが本音なのだから……。
こうして、色々と巡りながら話を楽しんでいたルフィ達だが……。
『だ、脱走者だぁぁっ!!』
少し遠くから叫ぶ人々の声がした。
「ま、待ってくれ。俺はこの首輪を壊したいだけだ。俺は海賊を辞めて嫁と息子の元に帰りたいだけなんだよぉ、頼む、手を貸してくれぇ」
首輪に触れながら必死に頼むのは髪が左右に別れていて、その先を括っているという特殊な髪型をした男で『アクメイト海賊団』の船長であるデビル・ディアスだ。
そんな彼だが今は奴隷となってしまっているようだった。
「っ……」
「ルフィ、頼むから関わるなよ。あの男は天竜人の奴隷だ」
「それに結構な悪さをした海賊だ……」
「……」
デビル・ディアスの心を『見聞色の覇気』で読み取ったルフィはディアスが本当に人生をやり直す気であり、この危機を乗り越えれば贖罪に生きようとしているのを感じているからこそ何とも言えない様子で見ていた。
「ちくしょう、ちくしょう、この首輪さえ、首輪さえなかったら……」
本来、奴隷の首輪は鎖で繋がれており、それが外れると爆発する仕組みになっている。よって、デビル・ディアスの首輪がその機能を発揮しようとして……。
「〜〜っ!!」
ルフィは右腕を動かし、その寸秒後、ディアスの首輪は爆発し、ディアスは黒焦げとなって地面へ倒れ伏した。
「許せ、俺に出来るのはこれくらいだ」
ルフィは爆発するより少し先に右腕へ【生命帰還】を利用して力を集中、そうして『指銃――
「そういうところは変わってねぇな」
「まあ、これくらいは見逃せるねぇ」
ルフィの意図が分かっていたので敢えて青キジも黄猿も止めはしなかった。
そして、奴隷に関わらないよう、周囲の者たちがかなり距離を取ったり、物陰に隠れたりする中……
「まったく、奴隷を逃がすとは……お前の躾は悪すぎるえ。貴重な船長コレクションが台無しだえ」
「この子が馬鹿すぎるのでアマス。大の男が家族家族と……気分悪いアマス」
頭部を大きな丸いヘルメットのようなもので覆った男と女、男は天竜人のロズワード聖であり、女は天竜人のシャルリア宮であった。
ロズワード聖は凶悪な雰囲気を醸し出した大男である奴隷を首輪に繋いだ鎖で伴っていた。
そして、シャルリアがディアスの死体の元へと行き、銃で何発か撃ってみせる。
会話の内容、行った所業に麦わら旅団の者たちが驚愕しつつ、見る中……。
「……」
「ルフィ、頼むぞ、頼む」
「それだけは絶対に駄目だ」
青キジと黄猿はルフィを左右から思いっきり抑えていた。そうしていなければ二人やセンゴクが懸念していた様に天竜人の二人を殺そうとしていたからだ。
「とにかく、落ち着けよ。酷い顔もしてるぞ(こんな表情、しやがるのか)」
「男前が台無しだよ~(二度と見たくないねぇ)」
青キジと黄猿は天竜人を見るルフィの表情が怒りや義憤を超え、なんとも思っておらず、例えるならすぐにでも機械的に始末するような虚無な表情を浮かべているのを見て怖気がした。
「すみません……お爺ちゃんに聞いていたより、酷かったので……」
ルフィは深く、ただ深く深呼吸し、気分を入れ替えて青キジと黄猿に謝る。その頃には天竜人の二人も去っていたのだった……。