麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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十一話

 

 『アルビダ海賊団』が縄張りとしていた島から再び、航海に出たルフィとウタはその島からは近く、海軍第153支部がある『シェルズタウン』へと向かった。

 

 因みにルフィはアルビダの連行をガープに頼んだ際、てっきり『シェルズタウン』の者を派遣すると思っていたが、直々に本人が来てくれたので部下の人たちには悪いなと思いつつ、ガープの善意に甘えた。

 

 コビーの面倒を見てもらうよう、頼めたので無駄な結果で無かったのもあるが……。

 

「へえ、随分と派手な基地だな」

 

「凄く目立ってるね」

 

 ともかく、昼頃に『シェルズタウン』に到着したルフィとウタは今日は此処で1日、宿泊する事を決めた。

 

 船を港に止めると宿泊のために必要なものをバックパックに詰めて、船を出て守衛を務めていた海軍の元へと行き、必要な手続きを行って『シェルズタウン』に入る。

 

 そして、宿の前に食事をするため店へ行くと店主が居るカウンターの席へと向かった。

 

 

 

「見ない顔だな兄ちゃんに嬢ちゃん。もしかして遠くから来たのかい?」

 

「ああ、色々と世界を見たいと思って旅をし始めたところだ。今日は此処に泊まるが」

 

「海軍基地のある場所なら、安心して宿泊できるしね」

 

  話しかけてきた店主にルフィとウタはそう、答えたのだが……。

 

 

 

『っ!!』

 

 海軍の名をウタが出した時、何故か店主もそうだが、店にいた全員が怯えた。

 

「……その怯え振り、何か事情があるなら詳しく話を聞かせてくれないか? この町特有のルールがあるなら、それに反する事で貴方たちに迷惑をかけたくもないので」

 

 明らかに何かあると言わんばかりの態度にルフィは言うと……。

 

 

 

「そうだね……ちょっと、こっちに来てくれるかい?」

 

 そうして店の奥へと店主にルフィはウタと案内された。

 

「実はこの町は……」

 

 そうして店主はこの町の実態を話始める。

 

 この町にある海軍基地のトップであるモーガン大佐はその権力を笠に着ており、自分への『貢ぎ』と称してかなりの税を取り立てるうえ、逆らう者は容赦なく制裁を加えているとの事。

 

 しかも彼の息子であるヘルメッポと言う者は更に酷い者で親の権力を翳す事で好き放題、しているとの事。

 

 要は独裁政治であり、恐怖政治をしているのだ。

 

 

 

「……」

 

 ルフィは『見聞色の覇気』で店主の心の内を見ながら、それが真実であることを悟り、そしてだからこそ『海軍』の名を汚しているモーガンへと内心、激情の炎を燃やす。

 

 彼は海軍としてのガープを尊敬しているし、自分も海軍本部での教育機関やガープの個人的な知り合いである者たちから海軍としての心得などを教えてもらっている。

 

 故にガープを始めとして海軍にて正義を成そうとしている者たちを侮辱されている気もし、だからこそ怒りに歯止めが効かない。

 

 

 

 

「だから、兄ちゃんも嬢ちゃんも気をつけてくれ」

 

「ああ、分かった。教えてくれてありがとう」

 

「十分、気を付けるよ」

 

 そうして後は店で食事をとると代金を払って外へと出て、宿へと向かい二人部屋を取った。

 

 

 

 

「もしもし、爺ちゃん?」

 

 そして、バックパックの中からガープへ連絡するための『電伝虫』を取り出すと連絡をする。

 

 

『もしもし、こちら爺ちゃん。今度はどうした、ルフィ?』

 

「うん、実は今、『シェルズタウン』に来て宿泊するところなんだけど……」

 

 ガープへとルフィは『シェルズタウン』への現状を話し……。

 

 

 

「爺ちゃんには迷惑をかける事になるんだけど……」

 

『ぶわっはっはっは!! 愛する孫のためなら迷惑の一つや二つかけられたところで大丈夫じゃ。儂が許す、お前の好きなようにやりなさい』

 

 そして、ガープへと自分がしようとしている事を話すとガープは豪快に笑いながら、許可を出した。

 

 

 

「うん、ありがとう」

 

 そうして、通話を終え……。

 

「じゃあ、行くか」

 

「ふふ、うん」

 

 ルフィとウタは『シェルズタウン』の海軍基地へと向かうべく、宿を出たのだった……。

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 東の海のとある島が『シェルズタウン』の海軍基地――その内部の磔場にてある男が大木に縄で括り付けられていた。

 

「(ああ、くそやっぱり1か月ってのはきついぜ)」

 

 頭には手拭いをし、腰には腹巻きをしているこの男は『海賊狩りのゾロ』として名を馳せている賞金稼ぎであり、剣豪であるロロノア・ゾロ。

 

 今から9日前にこの街へとやってきた彼はヘルメッポが野放しにしていた彼の飼い狼が少女を襲おうとしていたのを止めるために切り伏せた事でその腹いせに捕らえられた。

 

 そして、『1か月そのままで生きられたら解放してやる』と約束されたので飯も出されない状態で九日間、過ごしていたのだ。

 

 とはいえ、限界が近づいてきていたが……そんな彼の元に……。

 

 

 

「よっと……」

 

「お、お兄ちゃん空飛べるなんて凄ーい!!」

 

 ゾロが助けた少女、リカを抱えた状態で空から月歩を使って減速してこの場へとルフィが着地し、遅れてウタも着地する。

 

 海軍基地へと向かっていた際、ルフィとウタはこっそりと入ろうとしているリカを見つけ、今、彼女が包んでいる助けてくれたゾロへの彼女、手作りのおにぎりを渡そうとしているそれを手伝う事に決めたのだ。

 

 

 

 

 

「お、お前ら……っ!!」

 

「話は後だ、お前が助けたリカちゃんがどうしてもお礼をしたいんだとさ……だから、おにぎりを食ってやれ」

 

 ゾロが驚愕している刹那に素早く、ゾロを括り付けている縄をルフィはほどきながら言う。

 

「お兄ちゃん、助けてくれてありがとう……ずっと捕まっていたからお腹、空いてるでしょ。良かったら食べて」

 

「……ああ」

 

 そして、リカが開いた包みからおにぎりを取ろうとして……。

 

 

 

「お前らぁぁぁっ!! 何を「おい」っ!?」

 

 海兵二人を連れておかっぱ頭に眉が濃く、成金染みた衣服を着た男でモーガン大佐の息子であるヘルメッポは怒り狂おうとしたが、ルフィが彼の間近に接近しつつ、『覇王色の覇気』でも何でもない唯の強烈な威圧感で彼と海兵二人の動きを封じながら声をかける。

 

「今、一人の少女が自分の恩人に礼をしようと勇気まで振り絞ったんだ。その誠意と勇気に敬意を払え。そして、女子供に優しくするのは男の礼儀ってやつだろう。それが出来ないやつは男どころか人としても屑だ。お前たちは屑か?」

 

『……い、いえ……』

 

「なら、問題ないな?」

 

 ルフィの威圧感に震えながら、彼の言葉に従い、頷くヘルメッポ達。

 

 

 

 

「良いぞ、リカちゃん。そのままゾロに食べさせてやりな」

 

 そうして、ゾロはリカのおにぎりを全て食べると……。

 

「美味かった……ごちそうさん」

 

「うん、どういたしまして」

 

 リカはゾロからの礼に喜ぶ。

 

「ウタ、リカちゃんを頼む」

 

「ええ。それじゃ、リカちゃん……行こっか」

 

「うん、ウタお姉ちゃんもルフィお兄ちゃんもありがとう」

 

 ルフィはウタにリカを海軍基地から出すように頼むと、ウタはリカを連れて移動を始める。ルフィは自分に礼を言うリカに笑顔を浮かべ、手を振って見送った。

 

 

 

 

 

「ひぇぇ……」

 

「ぅ……あ」

 

「く……」

 

 そうしてヘルメッポと海兵二人に放っている強烈な威圧感を止めるとヘルメッポは気絶して倒れ、海兵二人は腰を抜かして尻もちをついた。

 

 

 

 

 

「……さて」

 

 ルフィはヘルメッポ達には目もくれずに真ん中へと歩いて海軍基地を見上げると……。

 

「出て来いよ、モーガン大佐っ!! いや、海軍の名を騙る塵屑の悪党っ!!」

 

 軽く『覇王色の覇気』を放つことで自分の存在を伝えながら大声で怒りのままにモーガンへ罵声を放ったのだった……。

 

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