麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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百三十一話

 

 

 自分が『王』として領している『女ヶ島』から北西にある無人島、『ルスカイナ』より自分ですら警戒する程の『覇王色の覇気』を感じ取った事でハンコックはその存在を排除する事にした。

 

 無人島である『ルスカイナ』を何者かが支配した場合、自分が領している島の一帯にあるがゆえにいつ攻めて来るか警戒しなければならないし、全く世界政府の意向に応じる気は無いが『王下七武海』の面子も立たない。

 

 故に部下を率いてまずは様子を探りに行った。そして部下達の報告により、ルスカイナの王として君臨し、動物たちを従えている男が居ると聞いたのでハンコックは自ら赴く事にした。

 

 『覇王色の覇気』の感じ、ルスカイナの強力な動物たちを従えられる実力を持つならば自分が相手した方が早いからである。

 

 何故なら彼女の絶世の美によって強力な能力と化している『メロメロの実』の力で石化しない者などいないからだ。特に欲深い『男』は……。

 

 

 

 ハンコックはとある理由から男という者を忌避しているし、侮蔑している。

 

 だからこそ、自分の島近くに男が居るというのも許せない。

 

 そして、ハンコックは『ルスカイナ』の王として君臨したルフィと出会い、彼に『メロメロの実』の力を容赦なく発動したが、まったく通じなかった。

 

「(まさか、通じぬとは……それにこの戦意……わらわを戦士として疼かせる男がおるとはのぅ)」

 

 今、自然体ながら確かに構えているルフィよりとんでもない威圧感を感じながら、ハンコックは女戦士の一族の王としての本能が疼くのを感じている。

 

 初めてなのだ、悪魔の実の力単体では無く、自分自身の力で戦わなければならない相手に、強敵だと感じさせる相手に会ったのは……。

 

 

 

「(それに『見聞色の覇気』で心が読み取れない……面白い相手じゃ)」

 

 更に自分の『見聞色の覇気』でルフィの心を読み取る事すら不可能だったのもあって強敵だとハンコックは判断する。

 

 

 

「レディーファーストだ。先手は譲ろう」

 

「ふっ、ならば遠慮なくゆくぞ、『芳香脚(パフューム・フェムル)』!!」

 

 ルフィが軽く手招きすれば、ハンコックは超速度で走りながらその勢いを加えて蹴りを放つ。そしてこの蹴りは普通の蹴りではない、メロメロの実の石化効果を付与した事で当たればそこから石化させ、そのまま衝撃で石化したのを破壊するという驚異的な蹴りである。

 

 それをルフィに対して放つと……。

 

 

 

「ふっ!!」

 

「っ、ぬう!?」

 

 ルフィは瞬間的に右手にだけ、自身の力と『武装色の覇気』を纏わせながら拳を振るった。それはハンコックの『芳香脚』を払いのけ、そして局所的に高出力の覇気を纏わせたのもあって石化効果すらも弾かれていた。

 

 

 

「まだじゃあっ!!」

 

「だよな」

 

 ハンコックは弾かれた勢いを利用するように回転しつつ、更に威力のある蹴りを放ち、それをルフィはやはり、捌く。

 

 

 

「はああああああっ!!」

 

「ぬん」

 

 そうして始まるはハンコックとルフィの戦舞。

 

 やっている事はハンコックは蹴り技を次々と繰り出し、ルフィはそれを拳を操る事で捌き弾いていくというもの。しかし、短い時間で数百は応酬するその打撃はとても激しく、余波で島の地面や木々を破壊していった。

 

 

 

「ね、姉様とあんなに戦えるなんて……」

 

「……でも、姉様、楽しそう」

 

『……凄い』

 

 

 

 観戦するしかないハンコックの妹二人、サンダーソニアとマリーゴールドはルフィと戦っているハンコックが楽しそうにしているのを確かに感じており、ハンコックの部下であるマーガレット達は戦士として讃えるべき、ルフィとハンコックの戦いに感じ入っていた。

 

 

 

 そうして……。

 

「さて、準備運動はこの辺で良いだろう……」

 

「ふっ、そうじゃな」

 

 激突の中で弾かれ合った二人――ルフィがしっかりとした構えを取り始めるのを見て、軽く息を切らしているハンコックは深呼吸し、同様に構えるのであった……。

 

 

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