東の海のとある島の町、『シェルズタウン』に設けられた海軍第153支部の基地を預かるモーガン大佐が権力を乱用し、独裁政治を行っていたのを知ってルフィはその海軍基地へと乗り込み、モーガン大佐を倒した。
その後、モーガン大佐は瀕死状態であったために長い期間の治療が必要なため、本部が罪人として連行し、裁きを受けさせる事になるまでの間、この海軍基地の治療室で治療を受けながらも軟禁されることとなる。
モーガン大佐の息子であるヘルメッポも又、この町で散々、悪事を働いたために同じく本部へと連行されるまでの間、独房に入れられる事となった。
そして、ルフィたちはと言えば先に自分はガープ中将の孫であり、モーガンを倒す事は許可を受けている事を言いながら、それをモーガンに代わってこの基地にて一番、地位の高いリッパー中佐に確認を取らせた。
確認を取るまでの間、自分の身分としては旅人で海軍基地に侵入、暴動を働いた罪人なのは間違いないので筋を通すため、留置場にて待機しようとしたのだがリッパー中佐たちは『自分たちの方こそ罪人だ』と言い、とりあえず休憩室にてルフィにウタ、ゾロ(磔される時にヘルメッポに奪われた三本の愛刀を返してもらわなければならないため)は待機する事となる。
「へぇ、誰もが笑って暮らせる平和な『新時代』を作るための旅を……良いじゃねえか、まっすぐで」
「ゾロの方こそな、世界一の剣豪になるために修行の旅をしている……一番の強さを求めるのは武を修める者なら、誰もが求める境地だ」
改めて自己紹介を交わし、それぞれの旅の目的を話した。
ロロノア・ゾロは『世界一の剣豪』になることを目指し、そのためにある男を探して刀三本だけ持ち、自分の村を飛び出して海を出たとの事。
もっとも航海術も何も持っていなかったので自分の村へも帰れなくなり、仕方なく海賊を襲い、賞金稼ぎとして生活費を稼いでいたのだという。
「お前……良く生きてるな。運も実力のうちってやつか」
「あ、あはは」
「ドン引きしながら、言うんじゃねぇ」
ルフィとウタはその話を聞いてゾロの無謀振りにドン引きし、ゾロはいたたまれない気持ちになった。
「それでだが……ルフィ、ウタ。なぁ俺をお前たちの旅に同行させてくれ。助けられた借りも返してないし、何よりお前たちと旅をするのは面白そうだ」
ゾロはルフィとウタに旅の同行を申し出る。
「……」
「嫌そうな顔すんじゃねえっ!! 心配しなくても自分の面倒は自分で見るわっ!!」
ルフィが嫌そうな顔をした事を言及しながら、そう言った。
「仕方ない事情があったとはいえ、捕まってたやつが言う事じゃねえな。まあ、旅は道連れだ。来たいというなら、良いぞ」
「そういうのも旅の醍醐味ってやつだろうしね」
「おう、ありがとなルフィ、ウタ」
こうしてルフィとウタの旅にゾロが加わることが決まったところで……。
「ガープ中将に確認が取れました」
ガープに確認を取ったリッパー中尉が入室し、ルフィに頭を下げる。
更にモーガンを始めにリッパー中佐達への処分は全てルフィに任せると言ったようでリッパー中佐はそれを仰ぎ……。
「ああ、なら……」
ルフィはそうして……。
2
シェルズタウンの海軍基地内部の内庭で盛大な宴が行われていた。
『モーガン大佐が拘束された』事を町の人たちへ触れ回りながら、今までの謝罪とこれからは町の者たちに奉仕する事を誓っての宴である。
「どうぞ、遠慮なく食べてくれ」
ルフィも協力して、料理人たちは料理を作り海兵たちがそれを町の人たちに配り……。
「それじゃあ、皆いくよーっ!!」
軍楽隊の演奏の元、宴会場となっている内庭の中央に設けられたステージでウタは自慢の歌声を披露した。
『おおおおっ!!』
美味しい料理と聴くだけで至福な気分になれる歌声に町民たちは今までの鬱憤も晴れ、幸せな時間を過ごす。
「歌で平和を作ると言うだけあって、良い歌声だな。興味の無い俺でもそれだけは分かるし、聞き惚れる」
愛刀を返してもらい、空腹を満たしてから料理を運ぶ手伝いをしているゾロがルフィに言う。
「だろう。楽しんでやってくれ」
「……ああ」
ルフィの言い方に何かを察しながら、ゾロはルフィの傍を離れた。
「……やっぱり、ウタは歌っているのが一番だ」
未だ、音楽に対する聴覚が無いため、ルフィはウタの歌声も聴こえ無いがそれでも楽しく彼女が歌っている姿に笑みを浮かべるのだった。
「ルフィ様、すみません……本部から連絡が」
全てが終わり、片づけを済ませて宿に帰ろうとしているとリッパー中佐から声をかけられる。
そうして、電伝虫の元へと行くと……。
『やあ、ルフィ君。久しぶりだな』
「センゴクさんっ!! はい、久しぶりです」
その相手はガープの同期であり、海軍本部の元帥であるセンゴクなる人物であった。
『話は全て聞かせてもらったよ……旅の最中だというのに私たちの不手際を解決してくれてありがとう。借りが出来たな』
「いえ、そんな……センゴクさんたちには沢山、お世話になっていますから気にしないでください。それに爺ちゃんの孫として当然の事をしたまでですから」
「ふふ、その謙遜振りも相変わらずだな」
そうして電伝虫越しとはいえ、親しいセンゴクとの会話をルフィは済ませて今度こそ宿へと戻る。
又、ゾロは海軍が泊めてくれるというので基地に泊まる事にし、翌朝、港での集合時間を決めて別れた。
「旅を始めたばかりなのに、随分と濃い一日になったな」
「うん、でも私達らしくて良いじゃん」
ベッドの上で何気なしに寄り添い合いながら会話を交わすルフィとウタ。
「その通りだ……」
ルフィは微笑みながら、ヘッドホンを外して剥き出しになっている耳へと手を伸ばし、優しく弄っていく。
「ふ……く……んん……」
ウタは敏感な場所を触られている事で悶えながら、艶声を上げる。
「ふ……あ……ちゅ……」
どちらともなくキスをし、そのまま二人は男女の交流をしながら、一夜を過ごしたのだった……。