『女ヶ島』の国である『アマゾン・リリー』内にある九蛇城。
つまりはこの国の女王であるハンコックの城内で今日、九蛇の戦士の中でも実力者達を倒し、自らの力を知らしめたルフィに対する歓迎の宴が開かれようとしていた。
男子禁制であり、この島に入っただけでも本来、死罪となるこの島と国においては異例の出来事である。だが、それだけの強さと勇姿をルフィは九蛇の戦士達に見せつけ、賞賛や憧れをも勝ち取ったのだ。
そうして、宴のための料理や飲み物が用意された大広間にて……。
「おお、これは豪勢だな……準備ありがとよ」
「待たせたのぅ、皆」
ルフィと彼にまさに蛇の如く、彼の右腕に自分の腕を絡ませてすり寄っているハンコックが現れた。
『(う、美しい……)』
今のハンコックの姿は絶対にして魔性とも言える美だけではなく、妖艶さと色香があって『美』が更に増していたのである。
「(ふむ……今ニョ蛇姫様ニョ美しさはかつてニョシャクヤク様にも勝るニョう)」
小柄な老婆で杖を付いている者はアマゾン・リリーの先々々代の皇帝であるグロリオーサだ。彼女は恋煩いで島を飛び出してしまい、裏切り者扱いとなってしまったが先々代の皇帝であったシャクヤクに許され、帰国する事が出来た。
そして奴隷であったがフィッシャータイガーにより、何とか逃げる事が出来たものの路頭に迷っていたハンコックとサンダーソニアとマリーゴールドをこの島へと帰還させた者でもある。
しかし、そんな恩があるのにも関わらず、ハンコックからは未だに国を捨てた裏切り者として嫌われていた。
ともかく、そんなグロリオーサから見て今のハンコックはレイリーと結ばれたシャクヤクを想起させ、その美しさが彼女のような真実、絶対的な美になったと確信している。
「(やはり、女にとって恋や愛こそ美を彩るもニョ……羨ましいニョう……ロジャーめ、恨むぞ)」
そして、グロリオーサは自分が愛していたが結局、その愛に答えさせる事が出来なかった海賊王のロジャーへと内心で告げた。
「では、宴を始めようぞ。遠慮なく騒ぐが良い。今日は本当に特別じゃ」
「楽しもう」
そうしてルフィとハンコックは一緒の席に座り、宴の開始を告げた。
その後は食事と飲物を楽しんでいき……。
「モンキー・D・ルフィ……わしはグロリオーサという。そニャたニョ祖父、ガープとは良く戦っておった。だからこそ、そニャたの戦う姿を見てガープを思い出したわ。もっともガープはそニャたより荒々しかったが……」
「でしょうね……まあ、爺ちゃんは海賊には容赦無いですから」
「喜々として強豪ニョ海賊に突っこんでったからニョう……海賊側としては利がニャいから逃走するもニョも多かった。まあ、儂らニョことなんじゃが……彼の前ではマムもカイドウも白ひげですら逃げ一択じゃった」
実はグロリオーサはとある海賊の元に集った海賊団の一員でその海賊団にはシキもいたりした。
「そういう話は聞いたことありますよ。酒に酔った時はもっとかかってきてほしかったと言ってましたけどね」
「本当に厄介ニャ奴じゃニョう……もっとも今においても海賊にとってそニャたは脅威となっておるがのう。流石はガープの孫じゃ」
「言っておくが、俺は悪事をしない海賊なら捕まえたりはしませんよ。この世界では許可を取らずに海に出た者全員を海賊として扱うから、色々とややこしいですしね」
「全くじゃニョう」
グロリオーサはルフィに近寄り、話しかけ会話を交わす。
「ニョン婆……今まで裏切り者と呼んで悪かったのぅ。今ならはっきりとニョン婆が国を出た理由も良く分かった。そして遅れたが……ありがとう」
「っ!?」
ルフィと愛し合った事で色々、覚醒したハンコックはグロリオーサに謝罪と礼をした。それにグロリオーサは衝撃を受け……。
「ちょ、グロリオーサさん!? 立ったまま、幸せそうに気絶している……」
衝撃に嬉しさやら感動のあまり、気絶してしまったのだった……。