麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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百五十二話

 

 ルフィウタとサボの三人はインペルダウンの『LEVEL5』に隠された5・5番地を縄張りとしていた革命軍の幹部であるイワンコフとイワンコフの副官であるイナズマの協力を得て、エースの収監されている『LEVEL6』へと行く事が出来た。

 

 そうして、エースに出会うと彼と彼の隣で拘束されていた魚人にして、七武海の一人であるジンベエを解放し、ウタの力でインペルダウン付近にサボが隠していた船に大規模な転移をし、白ひげと海軍の戦争を止めに向かったのだ。

 

 

 

「その操舵の腕、見事なものだな」

 

「ふふ、儂は操舵手じゃからのう」

 

 船の舵を取るのはジンベエであり、その見事な腕をルフィは賞賛した。

 

「さてさて、どうなるかしらねぇ」

 

 イワンコフはちゃっかり、インペルダウンからの通信を傍受するための電伝虫を持ってきており、それを船の甲板においた。

 

 

 

「すまないな、ウタ。負担をかけて」

 

「ふう……ううん、大丈夫だよ。エースを助けるためだし」

 

 船の甲板に息を切らせながら、壁に背を預けて座っているウタにルフィは声をかけた。

 

 流石にインペルダウンの底である『LEVEL6』から外の船までの大転移はウタをかなり消耗させたのである。

 

 ともかく、まずはエースを脱走させる事が出来たので皆、一安心している。

 

 勿論、気は抜けないが……。

 

 

 

 

 そして、少しの時間が経過すると……。

 

『報告っ!! インペルダウンより『火拳のエース』、七武海のジンベエ、イワンコフたちが何者かの手引きにより脱走した模様。至急、付近を大捜索せよっ!!』

 

 当たり前だがエースたちの脱走は気づかれ、順当な対応の指示が海軍へと行き渡る。

 

 だが、更に……。

 

 

 

『ほ、報告っ!! インペルダウンより次々と罪人が脱走し、大暴動が発生っ!!』

 

 なんとルフィ達が意図していない事態が起こった。

 

 

 

「そんな馬鹿なっ!?」

 

 ルフィは特に責任を感じているので驚愕しながらも耳を傾けており……。

 

 

 

『ゼハハハ……』

 

「この笑い声っ!!」

 

「ティーチの野郎だっ、あいつっ!!」

 

 ルフィの言葉にエースが補足した。なんと黒ひげがインペルダウンに侵入し、罪人たちを解放する事による暴動を引き起こした。

 

 

 

「くそっ、やってくれたな……黒ひげぇぇぇっ!!」

 

 上手く利用された悔しさと怒りにルフィは身を震わせる。

 

「ちくしょう、ぬけぬけと来てやがったのぁぁぁっ!!」

 

 エースも又、ティーチに対し怒っていく。

 

 本当は今すぐにでも戻りたいがそうしては全てが無に帰してしまう。マゼランたちが鎮圧する事を願うしか無かった。

 

 

 

 屈辱と悔しさ、マゼラン達に対する罪悪感に身を震わせながらもルフィ達は白ひげの元へと向かい……。

 

「っ、あの船だっ!! おーい」

 

 エースは白ひげ海賊団に属する一つの船を見つけ、天へとメラメラの実の能力による炎のメッセージを描いた。

 

 

 

『え、エースぅぅぅぅぅっ!?』

 

 当然、『白ひげ海賊団』の者達は驚きながらもエースの言葉により、船長である白ひげが乗った白クジラを模した大型船である『モビーディック号』の元へと連れられる。

 

「親父……ごめん!!」

 

 エースは常人の4倍くらいはあるだろう体躯であり、筋骨逞しい大男で三日月形の大きな白い口髭がある頭に帽子を被った白ひげの元へ行くと開口一番、涙を流しながら地に頭を静かに付けながら身も振るわせて謝った。

 

「……まずはこうして会う事が出来て良かった。顔を上げろ」

 

「……」

 

 白ひげはエースに近づきながら、体を屈めてエースへ呼びかける。そして、エースが顔を上げると……。

 

 

「心配かけやがって、この馬鹿たれが」

 

「あぐ!!」

 

 白ひげにエースはゲンコツをくらい、甲板に沈む事となった。

 

 

 

「それにしてもお前もインペルダウンから脱走するなんてな。ジンベエ……久しぶりだ」

 

「お久しぶりです、オヤジさん。ですが、エースさんも儂もそこのルフィ君達により、助けられました」

 

 そうしてジンベエがルフィ達を差し……。

 

 

 

「初めまして、白ひげ様……俺は麦わら旅団の団長をしているルフィ。そしてエースと義兄弟の誓いを交わしています」

 

「私は麦わら旅団の副団長のウタです。ルフィと同じく、エースと義兄弟の誓いを交わしています」

 

「俺は革命軍幹部のサボ……ルフィ達と同じく、エースと義兄弟の誓いを交わしています」

 

「ヴァターシは革命軍幹部のイワンコフよ。サボに頼まれたからエースの脱走に協力したわ」

 

 ルフィ達はそれぞれ、自己紹介しながら頭を深く下げる。

 

 

 

「グラララ、ルフィにウタ、そしてサボの事はエースから良く聞かされていた。自慢の家族だとな、そしてルフィとウタについてはこの前、シャンクスから嫌になるほど自慢された。ちょっと喧嘩になっちまったけどな」

 

『それは本当にシャンクスがすみませんでしたっ!!』

 

 白ひげが苦笑しながら言った事でルフィとウタはシャンクスの非礼を詫びた。

 

 

 

「グララ、気にするな。それでお前達はエースと俺の兄弟分でもあるジンベエも助けてくれた恩人達だ。何かしてほしい事はあるか?」

 

「それなら……状況的に難しいのは分かるがそれでも……海軍との戦争を止めてほしい。どうかよろしくお願いしますっ!!」

 

 ルフィにウタとサボにイワンコフとイナズマ、ジンベエが白ひげに対し船の甲板に手をつけ、深々と土下座するように頼み込んだ。

 

 

 

 

「…………」

 

 白ひげは沈黙しながら、特にルフィの方を見つめては小さな笑みを浮かべた。

 

 

 

「ルフィ、それだけは出来ない。海軍には落とし前をつけてもらわないとならねぇっ!!」

 

 そして次の瞬間、【覇王色の覇気】を放った。

 

「なら、無理やりにでも止めさせてもらうっ!!」

 

 白ひげの覇気に対し、ルフィは顔を上げると共に立ち上がり、【覇王色の覇気】を放った。

 

 

 

 

『っ!?』

 

 覇気は衝突し、その余波で白ひげ海賊団の船員を気絶や甲板に膝をつけさせる。

 

「っ……ハハ、グラララララ……こいつは想像以上だ」

 

「人が悪いな」

 

「そう言ってくれるなよ。戦争をさぁ、やろうって意気込んだのにそれを止められちゃあな。どっかで解消するしかないだろうよ」

 

「それはそうですね……じゃあ」

 

「ああ、戦争は止めだ。俺達はこの場から退く……ただ、エースの帰還祝とお前たちに対するお礼の宴には参加してくれよ?」

 

『喜んで』

 

 こうして、ルフィ達は白ひげ海賊団と海軍による戦争を中止させる事に成功した。

 

 

 インペルダウンでの黒ひげによる暴動という不安は残して……。

 

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