麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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無貌の処刑人編(オリジナル)
百五十六話


 

 この世界で少し前にとんでもない事態が発生した。

 

 海賊の中でも『四皇』と呼ばれる程の大勢力を有する海賊団の一つ、『白ひげ海賊団』の幹部の一人、『火拳のエース』が黒ひげによって捕られた。

 

 黒ひげはエースの身柄を海軍に引き渡す事でその手柄を持って『七武海』入りしたのである。そうして、エースはインペルダウンへと収監された。

 

 これにより、エースは海軍本部のあるマリンフォードで公開処刑されることになった。

 

 しかし、公開処刑の日が迫ったところでなんとインペルダウンから何者かの手引きにより、エースが脱走してしまったのである。更に黒ひげもインペルダウンにて囚人を大勢開放するなどして引っ掻き回した。

 

 当然、黒ひげは『七武海』の地位を剥奪されたが黒ひげ自身は海賊団に囚人の幾人かと共に撤退して身を潜めてしまったのであった。

 

 まんまとしてやられた海軍及び世界政府、そして侵入も脱走も不可能として名が広まっていた『インペルダウン』のどれもがイメージもそうであるが、権威を失墜してしまったのである。

 

 当然、この世界で生きる人々は不安と恐怖でいっぱいになった。海賊に悪人たちがこの機に乗じて暴れてしまうのではないかと……。

 

 だが、そうはならなかった。悪が栄える事を許さないとこの世界に証明するかのように現れたのだ。

 

 

 

 決して顔も姿も分からないが、海賊は勿論、島々に居つく犯罪組織に犯罪者を処刑する者が……トレードマークとして骸骨に大きい逆十字架を突き刺したそれを掲げる者、『無貌の処刑人』が出てきたのである。

 

「ふん、なにが『無貌(むぼう)の処刑人』だ……そんな奴がいたら、この俺が斬り殺してやる。インペルダウンの武器保管室から手に入れた『桜十(おうとう)』、『木枯(こがら)し』でな」

 

 そんな処刑人に対して、『インペルダウン』に投獄されていたが黒ひげによって解放された凶悪な剣豪で脱走の際に武器保管室からシキが足に付けていた『良業物』の井列にある二つの名剣、『桜十』と『木枯らし』を奪った男が意気揚々と呟く。

 

 彼は慎重派でもあり、インペルダウンから脱走するととある島に潜伏しつつ、そこの犯罪組織の用心棒となったのだ。

 

 そして、組織のアジトにある自分の部屋でのんびりしていたのだが……ふと、部屋の扉が叩かれる。

 

「すみません、ボスがお呼びです」

 

「分かった」

 

 そうして、剣豪は部屋の扉を開けて組織の構成員の顔を見たのだが……。

 

「ぐっ!?」

 

「がっ!?」

 

 何処かの部族の仮面を被った者が構成員の後ろにいた。実は彼が構成員を脅して剣豪を呼び出させたのである。そして、部屋から出てきたところでその構成員の背中から旋回を加えた貫手を放ち、諸共腹部を貫き、捻じりながら引き抜いた事で二人を殺したのであった。

 

「っ、まさかこんなところに金獅子の剣があるなんてな……これも何かの縁だ。使わせてもらうぞ金獅子」

 

 そうして部族の仮面を被った者であるこの世界において『無貌の処刑人』はシキの名剣である『桜十』と『木枯し』を奪った。

 

 その後、この犯罪組織の者たちを全滅させて壊滅させたのであった。

 

 

 

『無貌の処刑人』は壊滅させたアジトから去り、とある場所へ……。

 

「戻った」

 

「お疲れ様じゃ、ルフィ」

 

 無貌の処刑人として活動しているのはルフィであり、そんなルフィを目立たないように小規模の船で待っていたハンコックたち『九蛇海賊団』が出迎えた。

 

 そう、『九蛇海賊団』がルフィの活動のサポートをしているのである。

 

 また、ルフィはバルトクラブに命じて『麦わら旅団』の皆に対して『二年後にシャボンディ諸島に集合』する事を伝えさせたりもしている。何故、二年後かというとそれまでの間に『無貌の処刑人』の名を海賊を始めとして、悪に対する恐怖の象徴や抑止力へとするためなのであった……。

 

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