『海賊島』と呼ばれているハチノス――全体的に南国のような環境であり、ドクロの形をした巨大な要塞がある島。この島に滞在しているのは海賊ばかりであり、島の住民は全員が犯罪者で『無法地帯』だが、悪党なりのルールは存在する。
本来は食糧などが無いので各国の監獄でも手に余る凶悪犯達が島流しにされる流刑地として使われていた無人島だった。しかし、五十年ほど前にこの島で金鉱脈が発見され、これを聞きつけた『闇の組織』が手を貸した事で罪人たちは巨万の富を手に入れてしまったのである。
何とかしようとした政府だが、島にいるのは屈強な罪人たちばかりなので下手に手を出せない事、確実なので放置せざるを得なくなる。そうして、当時ロジャーと競い合う程の権威に力を有していた大海賊、ロックスが政府に対して上手く立ち回り、『ロックス海賊団』をこの島で旗揚げしたのであった。
そうして、現在はロックス海賊団に所属していた『海賊教祖』の王直がハチノスの主となっている。
ルフィは成り行きもあるが、王直を捕えるために『九蛇海賊団』と『ハート海賊団』と共にこの島へと乗り込み、立ちはだかった海賊たちを蹴散らしていく。
「ルフィさん達に続けーっ!!」
ハチノスを何とかしようと海軍や世界政府は手の者を潜入させてもいて、今、コビー他、政府関係者数名が潜入していた。そして、ルフィが怒涛の勢いで海賊たちを蹴散らしているのを見て、加勢する。
「よう、コビー。久しぶりだな」
「はい、お久しぶりです」
ルフィが海賊を切り伏せながら、コビーに声をかければコビーは嬉しそうにしながら、ルフィに応じる。
「まあ、雑談は後にして……今はさっさと仕事を終わらせよう」
「勿論です」
こうして、ルフィ達は『海賊教祖』の王直がいるドクロ型の要塞へと乗り込み始める。もっとも途中で『歴史の本文』を得るべく、ローにベポとシャチにペンギンとは別れたが……。
そうして、要塞の中を進みに進み……。
「お前が王直だな?」
玉座の如き椅子に腰かけていた緑の長い髪がオールバック、顎下から脂肪で三段に弛んだ長い首に舌先が割け、二又に割れているという特徴的過ぎる男にルフィは問いかける。
「ああ、そうだ。そういうお前は?」
「麦わら旅団、団長ルフィだ」
ルフィはシキの剣を鞘に納めながら、自己紹介する。
「『麦わら旅団』……その剣を見て、もしかしてとは思ったが……そうか、お前がシキを倒した男か」
「ああ、そしてお前も倒す」
「っ……なんて覇気だよ。海賊じゃないのが惜しいな」
ルフィは『覇王色の覇気』を放ち、王直はその凄まじさに軽く威圧されながら、苦笑した。
「褒め言葉として受け取っておこう」
「くく、褒めてるんだよ」
王直は笑いながら、椅子から立ち上がった。
「全てをぶつけて来い、その上で粉砕してやる。勝つのは俺だからな」
ルフィは拳を握り締め、自然体で構えながら言う。
「そうか。なら精々、派手に負けてやろうじゃねえかぁぁぁっ!!」
王直はルフィに勝てない事を悟りながらも古き時代から生きる大海賊の矜持を持ってルフィに向かって行き……。
「ふっ!!」
ルフィは右拳の一撃を王直に対して放ったのであった……。