『竜宮城』に住まう王族は五人だ。一人は国王のネプチューンであり、三兄弟の息子であり、フカボシにリュウボシとマンボシ、そしてネプチューンにとっては末娘でフカボシ達にとっては末妹のしらほしがいる。
しかし、しらほし姫は十年もの間、『
それはバンダー・デッケンという魚人に狙われてしまったからである。バンダー・デッケンは『超人系――マトマトの実』の能力者だ。
触れた相手を『的』にする事が出来、距離がどれだけ離れていても何かを投げれば、『的』となった対象を投擲物は当たるまで追尾するのだ。
これによって、しらほしは外を出歩く事が出来なくなったのだ。原因としては結婚を断った恨みなのだとか……。
また、バンダー・デッケンはワダツミというこの魚人島に来る時にサニー号に乗っていた皆を襲ったオオトラフグの魚人などを従えるフライング海賊団の船長でもある。
ともかく、ルフィはそんなしらほしのいる『硬殻塔』に迫る投擲物の気配を察知したので駆け付け、それを斬断し、『硬殻塔』のしらほしにも接触しつつ、再び迫った投擲物を斬断してしらほしを守ると惚れられた。
そうして、とりあえず歓迎の宴をルフィ達は『硬殻塔』の中でする事にしたのだ。
「まあ、ここで暴れてるっていうホーディもバンダー・デッケンもルフィが倒したらそれで終わりだよな」
「いや、そういう訳にもいかない」
ウソップに対してルフィは答えた。
「どういう事だよ?」
「状況にもよるが……下手に倒すと魚人を虐げる人間っていう魚人たちにとっての悪感情を刺激する恐れがあるからな。バルトクラブを通じて少しは好印象を与えられている今だからこそ、下手な事が出来ないんだよ。やりようはあるが……」
「……察しが良いなルフィ君……そして、すまんじゃもん」
ルフィが説明をすればネプチューン王は謝った。
「謝られる事じゃない……とはいえ、ネプチューン王……こっちも向こうから手を出されたりしたら自衛はさせてもらいますからね」
「ああ、それは勿論じゃもん」
ルフィは譲れない点について言及するとネプチューン王は頷く。
「ルフィ様は色々と考えてらっしゃるのですね」
「団長としての責任もありますからね……しらほし姫、どこか行きたい場所はありますか?」
「わ、私は『海の森』に……」
「ジンベエさんも待っている場所だから、丁度良い……ネプチューン王。しらほし姫の護衛を命に代えても務めますので海の森に行く許可を貰えませんか?」
「む……」
「お父様、私、お母様の墓参りがしたいです。あれからずっと行けていませんから……」
「なら、精鋭の兵達も連れて行くのが条件じゃもん」
しらほしの頼みをネプチューン王は受け入れた。
しかし、行くにしてもゴンドラは使えない。
目立つし、バンダー・デッケンを刺激する恐れもあるからだ。
「私に任せて」
ウタはウインクしながら言い、そうして『音楽の王』の力を使ってルフィと同じぐらいの体格にしつつ、可愛らしい服装を纏わせた。
「す、凄いんですね。ウタ様は……どうですか、ルフィ様?」
「大変良くお似合いですし、美しく、可愛いですよ。それじゃあ、貴方達はつかず離れずの距離を保ってください。折角変装とかしてるのに意味なくなりますからね」
「はい」
「じゃあ、皆……ここにもし魚人海賊団とかが襲ってきたりしたら、基本は防衛で頼む。だが、あまりにも危険だったら戦闘しても良い……任せたからな」
こうして、ルフィとしらほしはメガロの上に乗って移動する事にした。その前にルフィがウタ達に方針について言えば……。
『任せろ!!』
『任せて!!』
ペローナ以外の団員、男性陣も女性陣もルフィに任せられたので嬉しそうに応じたのであった……。