麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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二十二話

 

 ルフィとウタがナミの頼みで魚人海賊団であるアーロン一味が支配しているコノミ諸島へと行き、アーロン一味を倒し、更に汚職をしていたネズミ大佐をも倒すと決闘でゾロが切り伏せられた事による療養のために部屋を借りている『バラティエ』へと戻った。

 

 昨日、ゾロの様子見などしながら『バラティエ』のコックであるサンジと交流し、彼の夢が『東の海(イーストブルー)』、『西の海(ウエストブルー)』、『北の海(ノースブルー)』、『南の海(サウスブルー)』のこの世界の四つの海に居る全種類の魚たちが住んでいる『奇跡の海(オールブルー)』を探す事。

 

 しかし、今は自分の足を犠牲にしてまで自分を助けてくれたオーナーのゼフへの恩を返さなければならない事を聞くなどサンジと仲良くなったウソップはサンジを通してゼフが『少しくらい増えても問題ない』と朝食に誘ってくれたので珍しく起きるのが遅いルフィ達を呼びに船の中へと入り……。

 

「おはよう……って、うおッ!?」

 

「おう……おはよう、ウソップ」

 

『おはよう♪』

 

 どう見てもやつれ気味なルフィとそんな彼の両側に寄り添う色気と艶のたっぷりで絶好調なウタとナミの姿に面食らった。

 

 しかし、触れるのはどう見ても爆弾なのでスルーし、朝食の事を伝える。そうして、バラティエへ行けば……。

 

「おっはようございまー……羨ま死ねこらぁぁぁぁっ!!」

 

 店の前で主にウタとナミを出迎えようとしていたサンジがルフィの様子と直接寄り添っては無いが、距離の近いウタとナミの様子に何かを察し、ルフィへと襲い掛かり、ゼフ譲りの足技の猛攻を仕掛ける。

 

紙絵(カミエ)――風流(フウリュウ)

 

 そんな猛攻をルフィはまるで風に舞う紙の如き繊細かつ柔軟な体捌きからまるで空気の隙間を通り抜けるかのような超微細な体捌きへと変化させる事で全て回避した。

 

「俺だって、どうしてこうなったか戸惑ってるくらいなんだよ。勿論、責任は取るけどな」

 

「……とりあえずはそれで納得してやる」

 

 ルフィの言葉に羨ましがりながらもひとまず、納得したサンジはルフィ達と一緒にバラティエの二階、店員食堂へと入り……。

 

「おはよう、ゾロ。もう回復したのか」

 

 すっかり回復した様子で席に着いたゾロが居たのでルフィは声をかけ……。

 

「ああ、ばっちり治療してもらったからな。一日寝れば十分だ」

 

「いや、一日寝ただけで治るような傷じゃなかったんだが……」

 

 すっかり元気な様子のゾロを見て、ウソップが突っ込んだ。

 

 

 

「ゼフさん、お誘いありがとうございます」

 

「別に構わねぇよ。ついでだ、店を救ってもらった借りもある」

 

 ゼフにルフィは礼を言うとそのまま、朝食を始めたのだが……。

 

「おい、今朝のスープの仕込みは誰がやったんだ?」

 

「おう、俺だ。うめぇだろ、今日のは特別に……」

 

 鉢巻を頭に巻いた坊主頭のコック、パティが急にスープを持ってそんな事を言い、サンジが自信満々に答えた。

 

「こんなくそまずいもん飲めねぇよ。ブタの餌かこりゃあ!!」

 

『なんてまずいんだ。こりゃ飲めねぇぜ』

 

 するとパティたち、コック全員がサンジの作ったスープを床へと捨てた。

 

 

 

「おい、お前……ルフィ?」

 

 そのコックたちの信じられない行動にウソップが怒ろうとしたのをルフィは止める。

 

「てめぇらいったい、何の真似だっ!!」

 

 サンジが怒りの声を上げて抗議する。

 

「それはこっちのセリフだ。良くもこんなクソまずいスープを出したもんだ。こんなもん客に出されちゃ、店が潰れちまう」

 

「ふざけんな、クソ爺っ!! てめえの作ったスープがこれとどう違うってんだよ。言ってみろ!!」

 

 ゼフでさえも自分の作ったスープを捨てた事に更に激昂し、ゼフへと食ってかかれば……。

 

「俺の作ったもんとだと……うぬぼれんなぁっ!!」

 

 するとゼフはサンジを殴り倒し、料理人にとって手は商売道具なので今まで、揉め事においても決して手で殴ったりはしなかったゼフの行動に他のコックたちも驚く。

 

「世界の海で料理してきた俺に料理を語るなんざ百年早ぇぞ、チビナス。自分の腕を過信して、世界を渡って修行もしないお前はまだまだひよっ子だ」

 

「……くそっ!!」

 

 そうして、サンジは食堂から出ていった。

 

「とんだ三文芝居だな」

 

 ゾロはそう、呟く。

 

「こうでもしないとあのバカは聞きやがらねぇからな……なぁ、小僧……そこの長っ鼻の小僧から聞いたがお前たちはそれぞれの目的を持って旅してるんだってな? あいつもその旅に加えてやってくれねぇか?」

 

 ゼフがそう、頼んできたのでまずルフィはウソップの方を見て、ウソップはそれに気まずげな表情を浮かべた。そして、ゼフの頼みに関しては……。

 

「……」

 

『凄くイヤそうっ!?』

 

 コックたちが言うような表情を浮かべた。

 

 

 

「何だ小僧。あいつを加えるのは不服か?」

 

「いや、加えるのは別に構わないんだがこういうのは他人の意思じゃなく、本人の意思が大事だからな」

 

「まあ、当然の筋か……だがあの捻くれたクソガキが素直に行くと言えるか、どうか……」

 

 ルフィの言葉にゼフは納得しながら、言うと……。

 

「悪かったな、クソ爺。捻くれてて……それに下手糞な芝居までさせちまってよ……」

 

 部屋の外で聴き耳を立てていたサンジは部屋へと入り直し……。

 

 

 

 

「ルフィ、俺も旅に加えてくれ」

 

「お前がそれで良いなら、良いぞサンジ」

 

 こうしてサンジもルフィ達の仲間になる事が決まり……『ゴサ』を始め、アーロン一味によって被害をコノミ諸島の村の復興作業を手伝うために旅立つルフィ達とサンジを見送る中……。

 

 

 

 

 

「おい、サンジ……風邪ひくなよ」

 

「オーナーゼフ、長い間クソお世話になりましたっ!! この御恩は一生……忘れませんっ!!」

 

 ゼフがサンジへと見送りの言葉をかけるとサンジは振り返り、深々と地に膝を付けながら頭を下げて感謝と別れの言葉を送ったのだった……。

 

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