麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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二十三話

 

 ルフィ達はナミにとっては間違いなく、故郷でもあるコノミ諸島にある町、『ココヤシ村』に行き、この村だけでなく付近の村も含めて復興作業を手伝うために海上レストランの『バラティエ』から出航した。

 

 その際、副料理長のサンジを旅の仲間に加えるととりあえず、自分たちの集まりを『麦わら旅団』と決める。

 

 そうして『ココヤシ村』を目指す麦わら旅団は……。

 

「モー(おはよう、ご主人)」

 

「え、モームっ!?」

 

 突如、海の中からモームがルフィに挨拶するために姿を現し、ナミは驚いた。

 

 彼を飼っていたアーロン一味をルフィは倒し拘束し、海軍へと身柄を引き渡したためにルフィはそれを告げてどうするかを聞くと、モームは長い間、この海域に居るのでここで自由にのんびりやると言った。

 

 襲撃してきた以外の理由で人間を襲ったり、食べるなという約束だけしてルフィはモームの意思を尊重した。何故かモームからはご主人扱いになったが……。

 

「ああ、おはようモーム。約束はちゃんと守るんだぞ」

 

「モー(はーい)」

 

 そうして、頭を下げてきたモームの頭を撫でて言い聞かせるとご機嫌な声を出し、海の中へと潜っていった。

 

 少しして、コノミ諸島の『ココヤシ村』に到着し……。

 

『ナミ、お帰り!!』

 

 港にてナミの義姉で水色の髪にバンダナをつけたスタイルの良い女性であるノジコ、帽子の上に風車を付けた村の駐在官でナミの父親のようなゲン、ココヤシ村の人々がナミを笑顔で出迎えた。

 

 因みに周囲には他にも『ゴサ』の生き残りやその他、アーロン一味による被害を受けた村人たちが集まっている。

 

「……っ、皆、ただいまっ!!」

 

 ナミは海賊相手の泥棒とかそういう顔を一切覗かせない、普通の少女としての雰囲気に明るい笑顔を浮かべてノジコたちの元へと向かっていく。

 

 

 そうして抱き合い、笑い合った後、ナミも『ココヤシ村』の人々もその他の村人たちもルフィの方に視線を向け……。

 

「ルフィ、改めて……私たちと私たちの村をアーロンから助けてくれてありがとう」

 

『ありがとう』

 

 皆が深々と頭を下げ、ルフィに感謝の礼と言葉を贈る。

 

「どういたしまして。出来るならもっと早く助けられたらと思うが……少しでもあなたたちがこれから、平和や平穏に生きるための一助になれたなら光栄だ」

 

 ルフィも深々と頭を下げながら、そう返答する。

 

「何言ってるの、十分過ぎる程に助けてくれたわ……」

 

 ナミは苦笑しながら近づくと抱き締め、口づけする。

 

『おーっ!!』

 

「ぐぬぬぬ……」

 

 村人たちは黄色い歓声を上げ、サンジは嫉妬に燃えた。

 

 ともかく、そうして先に復興作業に従事していた海軍に混じり、作業を手伝っていく。

 

 その最中、ルフィはゲンに呼び出され……。

 

「ルフィ君、君には村を助けてもらって本当に感謝している。そして、あの子が……ナミが選ぶなら私は文句は言えない。しかし、それでも私は君を殴らなければいけない」

 

 そう、堂々と告げられる。ルフィは復興作業中でもウタとナミの二人と一緒に居るし、何より見る人が見ればそういう関係になっているのが丸わかりである。

 

「ああ、当然だ」

 

 ルフィも又、殴られるだけの理由が自分にはあるので両手を後ろで組んで無抵抗の状態になる。

 

「良し……ではいくぞ」

 

 そうしてゲンは勢いよく、全力でルフィの左頬を殴り吹っ飛ばした。

 

「絶対にあの子を泣かせないでくれ」

 

「勿論、責任は取る」

 

 そうしてゲンはその場から去り、ルフィも口の中が切れた事で垂れた血を拭いつつ、復興作業の場へと戻ったのだった……。

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 復興作業のためにコノミ諸島への一週間の滞在を決めた『麦わら旅団』であるが、少しの時間を設けてルフィとゾロ、ウソップはコノミ諸島近くの海軍基地の第16支部へと向かった。

 

 因みに今は本部へと連行されているこの基地を任された前任者であるネズミ大佐と彼の部下の何人かはアーロンと長年、汚職を行っていたその罪から軍法会議にかけられ、銃殺刑になる事が決まっている。

 

 何故、ルフィがこの基地に来たのかと言えば普段は出来ない鍛錬を積むためである。正確にはとある技術が鈍らないようにするためであるが……。

 

 そして、練兵場にて剣技の応酬を繰り広げる二人が居て、周りの海兵はその二人の手合わせに夢中になっていた。

 

「ふ、く……お前も人が悪いなルフィ、まさかこんなに剣を使えるなんてよぉ……」

 

 ミホークとの決闘で彼に二刀を砕かれたため、ゾロはこの基地に置かれている刀の二刀を借り、ルフィも又、刀を一刀借りて手合わせをしている中、ゾロは刀を鞘に納めたまま構え、そうして自分の剣技を全て捌き、実質的には打撃を打ち込んでくるルフィに言う。

 

「軍人になろうとする人間が武器を使えないなんて笑い話でしかないだろう……まあ、結局俺は素手の方が一番なんだが」

 

 そう、ルフィは海軍の教育機関で剣術他武器の扱いを学ばされているし、鍛錬も積んでいる。更に剣術で言えば、剣豪の領域に居る海兵たちも居て、ルフィは本部でのガープたちとの鍛錬にてそうした者たちの技術を見ている。

 

 ルフィは『一度見た者の動きは模倣できる能力』を有していて、見聞色の覇気も加えれば一度見た者の技術にその真髄ですら掴む事が出来るのだ。

 

 そう、ミホークの剣技ですら一部であるが真髄を掴んでいる。よって……。

 

 

「ふっ!!」

 

 ルフィは向かってきたゾロが繰り出した斬撃を受け流しながらその勢いを利用して死角へと滑り込みつつ、居合の構えを取り……。

 

「まだまだ続けるか?」

 

「ああ、勿論だ」

 

 抜き放った一閃を首元に突き付けられたゾロは問いかけるルフィにそう答え、ルフィから剣技を盗み、大剣豪になるという夢を果たすための糧にすべく手合わせを続けた。

 

 そして、ルフィは更に射撃場へと行き……。

 

「いっ、全部同じ場所に……」

 

 様々な銃器で的に弾丸を打ち込む。それも自分が狙った箇所にだけだ。

 

 因みにルフィが銃の技を学んだのは主に『赤髪海賊団』の狙撃手ヤソップであり、たまに副船長のベン・ベックマンから学んでいたりする。

 

 

「よっと」

 

 更に曲芸のようなものだが周囲に人型の的を複数置いてもらい、宙に飛び上がりながらアクロバティックな回転と共に拳銃を連射、更に着地すると拳銃を手元で回転させながら自分も回転しながらの連射をする。

 

『おおおおおおおっ!!』

 

 それも又、ルフィが狙った箇所に全て命中。

 

 ルフィの銃技に海兵たちは皆が賞賛の言葉と拍手を送る。

 

「俺はお前の父親に銃を教えてもらったからな。だから、お前に教えさせてくれ……これはあくまで俺の我儘だが」

 

「いや、その気持ちはありがたいしありがたく教えてもらうよ」

 

 その後はヤソップから教えてもらった銃技をウソップへと教える。もっともウソップは父親譲りの『狙撃』の才能を有していたので直ぐに銃技を身に着けた。

 

 因みにルフィがこの旅の道中に武器や銃を持たないのは手入れの問題や銃ならば弾丸の補充、立ち寄る島にある国や村などに入る際、いたずらに警戒させないという理由であった……。

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 復興作業が行われているコノミ諸島であるが、夜になると『宴』が毎晩、開催される。それだけ、アーロンから解放され平和が訪れた喜びは大きいのだ。

 

 

 そして……。

 

 

 

「……やはり、酒は好きになれないな」

 

 空になったコップを見ながら、呟くルフィ。

 

 正確には酒そのものではなく、酒のアルコールによる酩酊感が苦手なのだ。だから、普段は飲まないようにしていて、飲むときは今のような場に合わせた時と決めている。

 

 つまりは嗜む程度であり、そう決めたのは自分が教えを受けた海軍の大将、『赤犬』から『男なら酒を楽しめるようにならんとのぅ』と15歳になった際、一杯だけ盃を飲み交わした際に言われたからだ。

 

「その割には凄く飲んでるし酒豪(ざる)じゃない……他の人たちに飲み勝ちしてるし」

 

 ナミが呆れた調子で告げる。ルフィは宴の時、飲み勝負を挑まれたためにそれを受けて勝っている。

 

「負けず嫌いなだけだ……そろそろ寝るとしよう」

 

「じゃあ、付き添ってあげるね」

 

「こんな美女二人に付き添ってもらいながら、寝てもらえるなんてこの幸せ者……」

 

 寝ようと告げたルフィにウタとナミが寄り添う。

 

「大人しく、寝かせてくれるならな」

 

『……えへ』

 

「笑って誤魔化すな」

 

  ルフィの言葉に二人は笑って誤魔化し、ルフィは突っ込みながら頭を抱える。

 

 そうして三人は港に止めている船へと向かうのだった……。

 




 
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