『偉大なる航路』間近にある島に『大海賊時代』の幕開けの切っ掛けとなった海賊王がゴールド・ロジャーの生まれ故郷の町で処刑された町である通称、『始まりと終わりの町』である『ローグタウン』がある。
そこに立ち寄ったルフィは海軍の教育機関に通っていた時に出会った先輩であるたしぎ曹長に再会しただけでなく、二人いる兄貴分のうちの一人で海賊から革命軍になったサボとそして、実の父親で革命軍のリーダーであるモンキー・Ⅾ・ドラゴンに出会った。
「随分と逞しく育ったものだな、ルフィ……それを実感出来て安心したよ。お前はお前の道を行くが良い。父として健闘を祈っているぞ」
ルフィと今日、父として初めて出会ったドラゴンは流石に痛かったか、息子に殴られた頬を抑え、顔をしかめて苦笑するとそう告げる。
「お互いにな、親父……というかそっちの方が大変だろう。お互い、それぞれの道で頑張るとしよう」
「そうだな」
ルフィは苦笑を返すとドラゴンへと近づき、そうして実の父と子としての繋がりを築くが如く、抱擁した。
「うん、良いねこういうの」
「さっきの殴るくだりが無かったら、もっと良かったんじゃないかしら」
ウタはシャンクスとのそれを思い出したのかしみじみと呟き、ナミは苦笑する。
「それは立場があるとはいえ、一回も会いに来なかった親父が悪い。けじめだけじめ」
「ああ、ドラゴンさんが悪い」
「別に気にはしないが……お前はルフィの味方か……」
ルフィは当然の事だとばかりに頷き、サボが同意するとドラゴンは何とも言えない表情で呟いた。
「当然ですよ、ルフィは俺の大事な弟でウタは大事な妹ですからね。それじゃあルフィ、ウタ。何かあれば頼ってくれよ、すぐに助けに行く」
「こっちこそだ」
「私達だってサボの助けにはなりたいからね」
そうしてルフィ達とサボとドラゴンは別れ、ルフィ達はデートを再開し、町中を歩きつつ、衣服などを購入していると……。
「おう、ルフィ……久しぶりだな」
「はい、スモーカー大佐。お久しぶりです」
部下と共に巡回中の前髪を逆立て気味で短い白髪、険しい顔立ちに筋骨隆々で二Ⅿはある長身の男で海軍本部の大佐であるスモーカーから声をかけられ、ルフィは敬礼しつつ応じた。
ルフィはスモーカーとは本部にてセンゴクやクザン達に個人的に鍛錬していてもらっていた時に何度か出会い、顔なじみになったのである。
「今更、そんな堅苦しいのは止めろ。たしぎの奴には会ったか? あいつの方がお前に会いたがっていたが」
「ええ、さっき会いましたよ」
「それはなによりだ。お前ら、挨拶しとけ。こいつがガープ中将のお孫さんで最近、俺たち海軍の心強い協力者になっているルフィだ」
『は、はい』
スモーカーに紹介された事で海兵たちはルフィに敬礼をする。
「そっちこそ止めてくださいよ……ともかく、お元気そうで何よりです」
「ああ、お互いにな……旅はまだまだ続けるのか?」
「はい、勿論。しばらくは続けますよ……これから『偉大なる航路』にも行きます」
「そうか、良い旅になるよう祈っておく」
「ありがとうございます」
そんな会話をするとスモーカーたちは去っていき、そうしてデートを終えたルフィ達は船を止めた港に向かい、ゾロたちが帰ってくるのを待った。
「おう、ゾロ。無事に刀は買えたようだな……どうした、そんな神妙な顔をして」
ゾロとウソップが帰ってきたので声をかけたのだが、ゾロは神妙な表情を浮かべていたので聞くと……。
「さっき、武器屋で偉く刀に詳しい女海兵に出会ったんだけどよ、そいつがゾロの幼馴染の生き写しみたいにそっくりだったんだってよ」
ウソップがゾロに代わって説明した。
「それって、もしかしてたしぎ先輩か?」
「おいおい、ルフィの知り合いだったのかよ」
ルフィの問いにウソップは世界は広いようで狭いなぁとばかりの表情で頷いた。
ともかく、その後戻ってきたサンジも加えて出航し、『偉大なる航路』の入り口を示す『導きの灯』と呼ばれる灯台へと近づき……。
「それじゃあ、進水式をやるか」
空樽の一つを置きながら、円陣を皆で作る。
「俺たちは皆が平和に暮らせる新時代を作るため」
ルフィとウタは共に樽の上に踵を置き……。
「私は世界地図を描くため」
「俺は大剣豪に」
「俺は勇敢なる海の戦士になるため」
「俺はオールブルーを見つけるために」
続けてナミ、ゾロ、ウソップ、サンジが踵を置くと……。
『行くぞ、偉大なる航路っ!!』
皆で叫び、踵を皆で落とし樽を打ち砕いて『偉大なる航路』へと進んだのであった……。