麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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二十八話

 

 

 この世界の国々は大きく二つに分類されている。

 

 それは『世界政府加盟国』であるか、『世界政府非加盟国』であるかという二つだ。

 

 そして、『加盟国』は170ヶ国以上であり、この『加盟国』において政府は一定の介入が出来るようになっているし、海軍からの優先的守護を受けたりが出来るようになっている。

 

 しかし、『加盟国』になるための条件として世界貴族である天竜人への莫大な税金たる『天上金』を納める必要があるので『加盟国』になろうとするのも、そして『加盟国』の立場の維持をするのも難しい。

 

 そんな『加盟国』の一つ、サンディ(アイランド)にある砂漠に囲まれた砂の王国で『偉大なる航路』でも有数の文明大国とされるのが『アラバスタ王国』だ。

 

 しかし、そんなアラバスタは現在、王であるコブラが起こした様々な事態より、国民らが不信感を募らせたことで内乱が起こっているのだが……。

 

 

 

 

「……成程……実に厄介な事態だ」

 

 マリンフォードにある『海軍本部』の自分の部屋でルフィに船と共に自分に連絡できる電伝虫を渡していたセンゴクは今、そのルフィから連絡を受けていた。

 

 この世界の海賊の中で『王下七武海(おうかしちぶかい)』という世界政府によって主にこの大海賊時代によって増え続ける海賊たちへの抑止力となることを引き換えにある程度、略奪などを許された7人の大海賊が居る。

 

 

 彼の世界最強の剣豪であるミホークもそのうちの一人として知られるが、その『七武海』の立場に居る者の一人、クロコダイルがこの世界で組織の名前だけは知られているが、首領に構成員など謎が多い犯罪集団の『バロックワークス』の実の首領でアラバスタの内乱を誘発しながら、アラバスタを乗っ取ろうとしているという。

 

 それをルフィと現在、行方不明である王女、ビビから聞かされたセンゴクは驚愕しながらも事態の厄介さに顔を歪める。

 

 幾ら海賊で信用ならないとはいえ、クロコダイルは仮にも『政府』が認めた海賊でそれに長年、『七武海』の者の中では政府に協力している者でもある。

 

 疑いがあるからと言って、引っぱり出せないし問答無用で捕らえる事は出来ない。

 

 結局のところ、十分な証拠が必要でいくら王女とはいえ、証人一人では証拠能力は乏しいのだ。一応、もう一人王家の関係者がビビ王女と共にクロコダイルの率いるバロックワークスに潜入しているとの事だが……。

 

「センゴクさん、これからビビ王女を守りながら、クロコダイルの元へ潜り込めるなら潜り込んで証拠を掴もうと思っています。連絡は常にしますね」

 

「分かった……私たちも全力をもって協力する。気を付けてな」

 

 

「はい」

 

 

 そうしてルフィからの通信が終わると……。

 

「話は聞かせてもらったぞセンゴク。今からクロコダイルをとっちめてやろうっ!!」

 

「全然、話を理解して無いじゃないかガープッ!!」

 

 ガープが登場し、意気揚々と動こうとしたのでセンゴクは必死で止めたのだった……。

 

 

 

 

 

 

『偉大なる航路』の本格的な入り口である『双子岬』。

 

 ルフィはミス・ウェンズデーとしてクロコダイルが操っている犯罪集団のバロックワークスに潜入していたアラバスタの王女であるビビから事情を聞きながら、協力することを誓い、仲間の皆と話合い始めた。

 

 因みにMr.9はウタの能力で長く眠ってもらっているが……。

 

「ありがとうございます、ルフィさん……色々と手助けして頂いて」

 

「礼なら全部終わってからで良い。それに俺は助けたがりだからな」

 

 最大限の協力をし始めるルフィにビビは頭を下げるとルフィはそう、言葉をかける。

 

「しかし、これも流石は『偉大なる航路』とでも言えば良いのか? いきなりこんな大事に巻き込まれるなんてよぉ」

 

「乗り越えれば良い武勇伝になるじゃねぇかウソップ。俺は文句ないぜ」

 

「そりゃ、ゾロはそうだろうけどよ……まあ、仕方ねぇか」

 

 頭を抱えるウソップにゾロは声をかけると溜息を吐きながら気分を変えた。

 

「それにしても潜入するなんて中々、凄いことするね王女様は」

 

「本当、逞しいわね」

 

「勇敢な女性で素晴らしい」

 

 ウタとナミ、サンジがそれぞれビビの行動を賞賛した。

 

「あ、ありがとうございます……『麦わら旅団』の皆さん、私はどうしてもアラバスタの皆を守りたい。だから、協力お願いします」

 

『勿論』

 

 ビビからの頼みにそう、賛同の意思を示した。そうして旅立つのに必要な『記録』が記録指針に溜まると……。

 

「まさか、ラブーンを狙うゴロツキの一人が王女様だったとはな」

 

「その節は本当に……」

 

「いや、事情は理解出来るから謝らなくて良い。健闘を祈らせてもらう」

 

 一度、ビビと共にバロックワークスに潜り込んでいるアラバスタの関係者が居る『ウィスキーピーク』に行く事になり、その前にビビはクロッカスへと謝った。

 

 

 

 クロッカスも事情を知ったので納得を示し、激励してビビは礼を言った。

 

 又、ルフィはと言えば……。

 

「これでお前も俺の仲間だラブーン。また必ず会いに来るから、大人しく待っていてくれよ」

 

 

「ブオオオオ(うん、待ってるよ)」

 

 ラブーンの大きな頭部にペンキで『麦わら旅団』のマークを描くと彼にそう伝え、ラブーンは喜びの声を上げた。

 

 そうして、ルフィ達は双子岬から旅立ち、ビビの案内によりウィスキーピークへと向かったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 山のように巨大なサボテンが生え渡っている島の町、『ウィスキーピーク』は実のところ、多くの実力ある賞金稼ぎであり『バロックワークス』の構成員である者たちの活動拠点となっている。

 

『偉大なる航路』に入ったばかりの海賊が来たなら、騙して誘い出し餌食とするのが此処に居る者の任務の一つでもあるのだ。

 

 そんなウィスキーピークであるが……。

 

 

 

 

「随分と馬鹿なことをしたねぇ、Mr.8。組織を裏切ろうとするなんて」

 

「ぅ……ぐ」

 

「クエー……」

 

 町の中心で筋肉質の巨体を有する女性でミス・マンデー他大勢の構成員が一人の金色の髪を三段重ねのカールにした長身の男でMr.8というコードネームを有しているがその正体はアラバスタ王国護衛隊長のイガラム、そして隣にはビビにとっては友人で相棒の大きなカルガモであるカルーが居て、どちらもボロボロの状態かつその身は縛られている。

 

 ミス・マンデーたちはバロックワークスの首領であるMr.0(クロコダイル)の指令で自分の正体を探ろうとしたミス・ウェンズデーとその関係者を殺せと命令されたのでそれを実行されている。

 

 しかし、長年活動していた事もあり、彼女たちなりの温情で二人と一匹一緒に殺そうとイガラムとカルーを捕らえ、今はミス・ウェンズデーを待っているのだ。

 

「(く……ビビ様、申し訳ありません)」

 

 もう駄目だとしかし、帰ってきたら命を犠牲にしてでもビビを守ろうと決意するイガラムであったが……。

 

 突如、まるで暴風のような凄まじい轟音が鳴り響いたかと思えば……。

 

「うあっ!!」

 

 ミス・マンデーなど周囲に居た者たちが突如、吹っ飛ばされあるいは倒れ伏す。

 

「俺はビビ王女の協力者だ。助けにきたぞ」

 

 そして痩身で引き締まった肉体となっている『紙絵武身』の状態となっているルフィがイガラムとカルーへ声をかける。

 

 ビビから彼女がクロコダイルの正体を知ったのはミス・オールサンデーというバロックワークス内で唯一、クロコダイルに会うことが出来る女性の後を追ったからでそれが逆に誘いである可能性を考えたルフィがゾロと二人で先に様子を探ろうとウィスキーピークに潜入。

 

 見聞色の覇気でビビを殺そうとしているのを感知すると即座に制圧し、無力化するために動こうとするとゾロが新しい刀の試し切りがしたいから先に行けと言ったので任せてこの場へとやってきたのである。

 

「おいおい、簡単に蹴散らされてどうするんだよ」

 

「キャハハハ、情けなさすぎるわね。大失態よ、これ」

 

 イガラムとカルーを助けようとするとボンバーヘッドのサングラス、ロングコートを着た男と金髪のショートヘアーに碧眼、レモンをイメージした帽子とイヤリング、丈の短いワンピースを着ていて綾模様の日傘を携えた女性が現れる。

 

 クロコダイルがビビの暗殺のために念に念を重ねて送り出したMr.5とミス・バレンタインである。

 

「お前たちは違うと?」

 

「ああ、その事を身をもって分からせてやるよ」

 

「私たちに逆らえば、あるのは死よ。キャハハハ」

 

 ルフィが言うと二人ともそう答え、戦闘態勢へと入るが……。

 

「良いだろう、だが一つ忠告してやる」

 

 そしてルフィは『生命帰還――紙絵武身』を解除して元の姿に戻りながら言い、瞬時に左掌を前へと突き出し右拳を引く構えを取ると……。

 

拳砲(けんほう)――破弾(はだん)

 

『うあああああああッ!?』

 

 いわゆる正拳突きをすると凄まじい衝撃波が放たれ、二人を吹っ飛ばし地面へと倒れさせた。

 

「油断大敵だ。さて……」

 

 次に姿を消すと……。

 

「よう、又会ったな。お前たち」

 

『っ(ぎゃあああああ、バレてたぁぁぁぁぁ)!?』

 

 一部始終を陰から見ていたラッコとハゲタカ、一度ルフィが見逃したバロックワークスにて『アンラッキーズ』と呼ばれるラッコのMr.13とハゲタカのミス・フライデーが報告しようと飛行し始めたのをルフィは正面に立ちはだかる事で止める。

 

 

「一回目は見逃したが二回目はそうはいかない。で、どうする?」

 

そう告げれば……。

 

『(降参しまーすっ!!)』

 

 『アンラッキーズ』は文字どおり、白旗を掲げてルフィに降参したのであった……。

 




 このSSにおいてはクロコダイルが散々な事になります。
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