基本にして『偉大なる航路』にある島々は航海の困難さゆえに島と島との交流も無く、それぞれが独自の文明を築き上げている
飛び抜けて発達した文明を持った島もあれば、何千年も何万もの間、何の進歩もとげずにその姿を残す島もある。
その島の名こそ『リトルガーデン』。
太古の密林であり、火山を有するこの島にはサーベルタイガーやアンモナイトを始め、ティラノサウルスやブラキオサウルスにプテラノドン、トリケラトプスと恐竜も居る。
そんな『リトルガーデン』にクロコダイルにビビ王女やイガラムが生きているのを悟らせないよう、イガラムを残し、ビビとカルー、仲間となったラキとアンを連れて夜明けと同時に『ウィスキーピーク』を出発してゆっくりと航海をしている『麦わら旅団』は上陸した。
そして、それから十数分後には……。
『オオオオッ(貴方様こそ、我らが王です)』
島々の動物たち全てがルフィに対して跪き、王と認める。
「……どうして、こうなった?」
そして当のルフィ本人は大混乱である。
『こっちが聞きたいわっ!!』
そして事情を知る皆がルフィへと突っ込む。
どうしてルフィが『リトルガーデン』の動物たちの王座を手に入れたのか。それは幼少からガープによってジャングルでの鍛錬をさせられ、又、ウタに会うまで動物たちと仲良くしていたからかリトルガーデンの姿に心を刺激され、『ジャングルハイ』の状態になった。
そして、ジャングルなら伝染病の媒介となっている蚊などが居る可能性も考えて全員に厚手になるよう言うと飛び出し、そうして動物たちと原始的な交流をする事で王座を手に入れたという事である。
まあ、どのみち一日は留まるので動物たちと仲良くする事にして交流を始めると……。
「ゲギャギャギャギャギャ、森が妙に騒がしいと思えば……チビ人間がこの島の動物たちの王になっているとはな」
「ガバババババ、全く大したものだ」
この場へとやってきたのは20Ⅿを超える人間の男が二人、正に巨人とも言うべき彼らは『巨人族』の者。
細身の体型で長く伸ばした髭を蓄え、眼鏡状の顔当てが付いた兜を被った男のドリー。
丸っこい体型に顎のラインに沿った扇のような形に髭を生やした男のブロギーである。
二人とも今より百年は前に巨人族の戦士たちが集まる戦士の村、『エルバフ』を旅立ち、海賊として活動をしていたが今ではきっかけはとうに忘れ、今ではこの島に滞在してある事を行っている。
そのある事とは……。
『うおおおおおっ!!』
島の真ん中山の噴火を合図に始まる決闘、加減も何もない殺し合いで勝者だけが『エルバフ』への『永久指針』を手にし、彼らの故郷へと帰る事が出来るのである。
「ふふ、今回の決闘は中々に盛り上がるな」
「ああ、良い歌だ」
決闘中、盛り上げるためにウタが歌を送っている事でいつも以上に決闘の勢いは増していた。
「決闘ってのは良いな」
「ああ、これ程の物は中々ねぇ」
「まるで英雄譚みたいだな」
「俺もああいう男になりてぇ」
「(見事……)」
「クエー(格好いいなぁ)」
ルフィにゾロ、サンジにウソップにラキにカルーたち男勢はドリーとブロギーの戦いを興味深く見届けていたが……。
「何が良いのか、全く分からないわ。それも命賭けの喧嘩だなんて……」
「ええ、私も同感です」
「(全くだね)」
歌で鼓舞しているウタ以外のナミ、ビビ、アンはやれやれといった感じで決闘を見ていた。
「ぐほっ!!」
「がはっ!!」
ルフィ達が見届ける中で数戦行われたが、決闘はどれも引き分けに終わった。
そうして夜になれば……。
「誇り高き巨人族の戦士たちの出会いに乾杯っ!!」
『乾杯っ!!』
ドリーとブロギーの二人との宴をルフィ達は始めた。
「ゲギャギャギャギャギャ、決闘を盛り上げてくれるだけでなく宴まで……」
「ガバババババ、友と呼ばせてくれ。チビ人間たちよ」
ルフィ達の行動にドリーもブロギーも喜んだのであった……。
二
『リトルガーデン』で『記録』が溜まるまでかかる日数は一年との事でそんなには滞在できないルフィ達はアラバスタへの『永久指針』を使って航海する事とし……。
『オオオオッ(王様、また来てくださいねー)』
島の動物たちが集まって涙を流しながら、王であるルフィを見送り……。
「友よ、この島の東の海にはこの島を出るチビ人間たちが次の島に辿り着けぬ最大の理由がこの先にある」
「お前たちは我らの決闘を盛り上げ、もてなしてくれた。礼には礼を持って答えよう」
ドリーとブロギーはルフィ達よりも前、ドリーはテリーソード、ブロギーはブルーザーアックスという愛用の武器を持って島の先にて並びながら声をかける。
『我らを信じて、このまままっすぐ進め』
「ああ、でも俺も二人の決闘には感動させてもらったからな。それに何もしないというのは性に合わないッ!!」
ルフィはドリーとブロギーの声に答えながら『覇王色の覇気』を『見聞色の覇気』で感知した海に潜む超巨大な生物にだけ浴びせる。
『アアアアア(やんのか、コラアァァ)』
そうして出てきたのはその巨大な口で島すら飲み込む超巨大な金魚の姿をした海王類、通称は『島食い』。
その糞ですら何もない島と呼ばれるものになる海王類がルフィの覇気に危機を感じて姿を現したのだ。
「偶には全力を出さないとな……六式最強体技……」
両拳に『覇王色の覇気』を纏わせながら、右拳を上に左拳を下にしながら前へと突き出す。
「ゲギャギャギャ、どうやらルフィは我らの想像以上の戦士らしいな」
「ガババババ、ならば我らも負けてられん」
そうして二人は全力以上の一撃を繰り出すために武器を構え……。
「我らに突き通せぬ者は血に染まるヘビのみよ」
「決闘の時には見せられなかったが、これがエルバフに伝わる巨人族最強の槍、『威国』の合体奥義……」
「
『
ルフィから放たれた空間ですら震わせる程の爆発の如き、巨大な衝撃波とドリーとブロギーがその威力自体に武器を崩壊させながら振るい放った斬撃波が混ざり合い、海すら消滅させかねない程の威力となり、そうして断末魔の悲鳴すら許さずに『島食い』を木っ端微塵に四散させた。
『……』
島から見送る動物たちにウタ以外の『麦わら旅団』の者たちはドリーとブロギーの実力もだが、何よりまだまだ底が知れないルフィの実力に改めて驚愕する。
「ゲギャギャギャ、見事だったルフィ」
「ガババババ、機会があれば決闘しよう」
「ああ、またなドリーさん、ブロギーさん」
ルフィとドリーにブロギーはそれぞれの武勇を讃えながら、別れるのだった……。
疑似的な『覇海』を食らう事になった島食い君に合掌……。